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#31 どの国がロシア産化石燃料を買っているのか?

おはようございます。花粉に殺意が沸いているすなっちゃんです。
寒いのは嫌いなのであったかくなってほしいんですが同時に花粉も来るのはやめませんか?

さて、今回お話しするテーマは「どの国がロシアの化石燃料を買っているのか」です。

それではいきましょう。


ロシアのウクライナ侵攻が始まってから1年、ロシアの化石燃料の輸出はまだ世界中の国へ広がっています。

Centre for Research on Energy and Clean Air(CREA)によると、ウクライナ侵攻が1年前に始まってから、ロシアは化石燃料の輸出だけで3,150億ドルの収益を得たそうです。そしてその半分近い数字である1,490億ドルはヨーロッパ諸国への輸出なのです。

この下のグラフィックはCREAが発表したデータをもとに作成した、「どの国がロシアの化石燃料を買っているのか」を表したものです。


おそらく皆さんが予想していた通り、ウクライナ侵攻以降一番ロシアの化石燃料を買っている国は中国です。また、ロシアに近い場所の存在する国や友好国なんかもロシアから輸入しており、ロシアが輸出している化石燃料の80%はこれらの国が占めています。これは550億ドル相当に値します。

そしてEUの中で最大規模の経済を誇るドイツが2位です。これはほとんど天然ガスの輸入が占めており、120億ドル相当に値します。

そして3位はNATOに属しているがEUには入っていないトルコです。上のグラフィックを見るとわかるように、トルコの輸入量はもうすぐドイツを抜く勢いです。さらにトルコはEUに入っていないのでロシアからの輸入禁止措置の対象ではないのも大きいです。

トップ20のうち半分以上はEUですが、載っていない他のEUの国などは輸入禁止措置やプライスキャップ、原油の海上輸送などのリスクを恐れて輸入量をどんどん切り詰めています。

減少するロシアの化石燃料からの収益


EUの輸入禁止措置やプライスキャップが、ロシアの化石燃料の日ごとの収益を減少させています。2022年3月、ロシアの化石燃料からの収益は日ごとに7億7400万ドルありました。しかしこのピーク時から2023年2月22日時点で1億1900万ドルと、85%ほど減少しています。

インドがロシアの化石燃料の輸入量を300万ドルから8100万ドル(日ごと)まで増やしましたが、それでもEUによって減少した6億5500万ドルの穴は防ぐには全然足りません。

同様に、もしアフリカ諸国が2022年12月からロシアの化石燃料の輸入量を2倍に増やしていたとしてもロシアの原油の海上輸送量は全体で21%減少しています。

収益の減少に影響しているその他の原因


全体でみると、ロシアの化石燃料からの収益(日ごと)のピークである、3月24日の11億7000万ドルから、今では5億6000万ドルと50%以上減少しています。

EUが購入しなくなったこと以外の原因を考えると、ロシアの原油価格の下落もあります。ロシアの原油価格はウクライナ侵攻から99ドルから50ドルまで下落しており、50%ほど低下しているのです。

まだこの減少が続くかは不明です。しかし2月25日に決まったEUの10回目の制裁である瀝青(アスファルト、ゴム、カーボンブラックなど)の輸入禁止はロシアの輸出収益全体の約140億ドルが減少する見込みだそうです。


今回はロシアの化石燃料を買っている国は一体どこなのかについてお話していきました。

今起きている情勢の復習と把握になっていれば幸いです。

ありがとうございました。


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