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安くしてくれという客

職業においては、普段耳にする事が無い言葉ですよね。
職業によっては1日に何回も聞く人もいるであろうこの言葉。

自分は現在は総合デザイン業として営んでいますが、以前までは総合印刷業をメインとしてアパレルから紙媒体まで自社にて作成していました。

来るお客様がいつも聞かれるのが値段と納期。
逆に聞きたいよとこちら側が思うのが予算と希望納期日。

Tシャツを作るとして。

デザイン フルオリジナルデザイン ロゴ等
30000円
ボディ代金
690円
版代金
初回のみ3年更新
1版代6000円
2版の場合は足し算
印刷代金
10枚で1ヶ所 300円程
※大体多くて3ヶ所、通常で表裏の2ヶ所。
こんな感じなんですけど、
こうやって料金決まっていても安くなりますか?って聞かれていつも思っていたのは

「なんで?」

だって上の金額をもう伝えてるじゃない??
しかもプラスそういう人に限って、「出来るだけ早く」とトドメの一言。

これが俗に言う
「自分の事だけ考える人」
もはや最近ではカリスマ性すら感じてきますね。w

先ず何故、料金が決まっているものに値引きを言えるのでしょうか?

金額的にはTシャツ2、3千円で10人で作っていくら?
合計2から3万円ですよね?

んじゃ10人で飲みに行ってお会計が2から3万円ですって最後言われて「安くなりますか?」って聞けますか?
普通、恥ずかしくて聞けないですよ。
散々みんなでワイワイした後に、飲んで食べて思い出を作った後に。
いやぁ、ナイ無い。

これと同じ事を何度も聞かれると、人間なのでやる気がなくなります。
何をもって高いのか、何を持って安いのか。
価値観を今一度考え直した方が良いと思います。
だって更にオリジナルでしょ。

こういうお客様に対応するのには自動販売機が良いなって本気で思っています。w
お互いWinwinですし値切り用がないですからね。

人間がやると
デザインにもよるけど、起こすとこからデータ作成まで3日から4日、お客様にレイアウト確認プラス1日2日。
オッケー出たら印刷、カット、カストリ作業、転写印刷ならこんな工程1日2日。

シルクなら版を製版して、目詰まりないかチェック。その後1枚1枚を手でインクを置いてスキージーで印刷。焼き付け、乾燥1日中
その商品を畳んで梱包して、請求書納品書作って郵送もしくは店内受け取り。その場で金入らん事もあります。

これみて、2から3万円って逆に安くない?
居酒屋も仕込みから大変だろうけど大体、半日でしょう?
こっちは特殊技術ですよ?データ作成から機械も工業用。
かかる日数も考慮して、何で安く出来る要素があると思えるのでしょうか?

はい、答えは

知らないからです。

知らないものに対してなので予算際限なく安くしてと言えるんですよ。
知らないから、出来る過程を凄いって言う人も居ます。

ただ一つ言えるのは、、、失礼。
短納期で相手の時間も考えて無ければ、安くしてという圧迫を平気で強いることが結局、こちらと長く付き合おうとはしていないですし、付き合いきれない。

安くしてといった数だけ自分の評価や信頼も安くなっている事を気づいてもらいたいものです。少し自分の価値を上げていく意味を込めて。

てな訳で、今日は少し真面目に書いてる気がします。w   仕事は頼む方も理解して発注していくともっと質の高い経済に繋がっていくのではないかと思うこの頃でした!

次回は「古物商の小話、趣味が功を成す時代」です!

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