見出し画像

腹囲が気になる福井の旅 国宝が見事な明通寺 19.11.30 10:28

明通寺は小浜からの鯖街道を若狭彦神社や若狭神宮寺が並ぶ県道から一本奥、京都側の県道を山へ山へと入ったところにある。

道路沿いの駐車場は広くて無料。
この駐車場が必要なほど人が来る時があるのだろうか?

寺と駐車場とは小川を挟んだ関係にあり、印象的な赤い橋がかかっている。
橋を渡って暫く進むと巨大な山門が。
いやぁ、若狭国にしては立派すぎる(笑)
明通寺は真言宗御室派の寺院。本尊は薬師如来で806年に坂上田村麻呂により創建というからその辺りの寺院とは歴史が違うわ。田村麻呂、征夷大将軍だし。

画像1

目の前にある巨大な山門は江戸時代のもの。京極氏から酒井氏へと領主が変わったちょうど杉田玄白が小浜藩の藩医をしていた頃の話だ。藩の財政が悪かったことは周知の事実。それでもこんな立派な山門が出来上がるのだから、寺の門徒からの信頼が厚かったのだろう。

画像2

山門をくぐってうなぎの寝床のような境内を置くへ奥へと進む。
階段がちょっときつい。途中にゲートが有り入山料500円を徴収される。
この時点ではどのようなものが見られるかよくわからない。山門は立派だったがこれから先の予想がつかないところに500円となる。
福井観光にとってはかなり高額だ。果たして何が見られるのか?境内の三重塔と本堂が国宝の建築物なのだがはたしてどのようなものなのか?期待が高まる。

画像3

何段かに別れた最後の石段を上がるとなんとも清々しい本堂と三重塔が見える。
本堂の前を通り過ぎて一段高いところに三重塔という関係。
どちらも国宝で鎌倉時代中期のもの。
さすが国宝としか言いようがない。国宝だから流石なのか、流石だから国宝なのか?

画像4

本堂は入母屋造の檜皮葺屋根。鎌倉時代の特徴の張りのせり上がりは思いの外少ない気がする。
堂宇の中は柱が多い。堂宇の中を覗いていると係の人らしき人が説明をしてくれるとのこと。一通りをお願いする。
こちらが恐縮するほど丁寧な説明。でも、残念ながらどのような話だったかの記憶が薄い。メモでも取らないと覚えてられません。
仏像に薬師如来がいて、その子分が周りに居てみたいな話しだったけれども・・・堂内は撮影禁止。それもまた記憶を薄くする要因かもしれない。

画像5

本堂を出て三重塔まで上がる。
凛とした佇まいの三重塔だが、塔というものはあまり近くで見ても仕方がない。すべての容姿を眺めてこその塔だと思う。
痩身の塔に大きめの屋根がつく。輪が高い。
釈迦三尊と阿弥陀三尊像を安置しているらしいが、塔の中は見ることはできない。
創建1200年にあたった2006年には一般公開したらしいが、残念ながらそのころは眼中になかった。

画像6

明治の修理のときに瓦葺きだったものを創建当時の桧皮葺に戻したそうだ。痩身の塔の屋根に瓦はまずかろう。この色合のほうが自然にマッチしているし。

画像7

山深い明通寺。紅葉が美しかった。

画像8

こんな山の中に国宝の建築物が残っている不思議。
京都に近く、北陸の入り口としても歴史がありそうな若狭、越前ではあるが、国宝の建築物はこの2棟のみ。

画像9

雪が厳しいのだろうなぁ。日本海の風が強いのだろうなぁ。
建物にも人にも厳しい地域だ。
それでも残るものは残る。残るべくして残るもの。
大切にされるかされないかは地域文化のあり方次第。それを作るのが宗教なわけだし。

画像10

美しい国宝に感動の寺。
東尋坊や永平寺もいいけれども、国宝はやっぱりちょっと他とは違った。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?