【スペイン巡礼11日目】ただ歩いてるだけなのに、巡礼路はこんなにも愛と感謝に溢れてる
2024/06/04 スペイン巡礼11日目
【 Nájera - Santo Domingo 21km 】
信じられない朝日から、一日が始まった。
6:00 アルベルゲを出発する。
しばらく歩いて、辺りが少し明るくなってきた。
日の出の頃、後ろを振り返って息をのんだ。
遠方に見える山と雲の間から、朝日が顔を覗かせた。
それはまるで線香花火のような、真っ赤な柔らかい太陽で、じんわりじんわりと世界を照らす姿に目が離せなくなった。
間違いなく、人生で1番美しいと思った朝日だ。
きっとこの朝日は死ぬ時に思い出すだろうな、と直感的に思ってしまったぐらい。
瞬きも忘れてしまうぐらい、ずっとずっと眺めていた。
そして気づいたら、登りきった朝日に手を合わせていた。
「ありがとう、今日も一日お願いします」と。
しばらく歩くと、カナダ出身のグレンさんに出会った。
グレンさんはなんと巡礼6回目!強者!!
グレンさんは日本にも来たことがあって、日本がとても好きだそう。
何故か昨日からお互いのことを「マリナさん」「グレンさん」と呼び合っている。
そんなグレンさんが教えてくれた。
「カミーノは基本的には1人で歩くものだ。
自分と向き合ったり、色んな人と話したり、人それぞれのペースがあるから、それでいいんだ。
それは、人生も同じだ。」と。
グレンさんと別れた後、イタリア人ご夫婦に会った。
実はこのご夫婦、2日目から何度か見かけていた。
ファビアーノ(夫)と、ジータ(妻)、可愛い夫婦だ。
2人は毎日違うお花を胸元に挿して歩いているらしい。
そんな話をしていると、ジータが私に「This one is for you」と言って真っ赤なポピーを渡してくれた。
些細なことだけど、彼らの仲間になれたようで嬉しかった。
ジータは昨日が誕生日。
目が悪く、何度か手術を受けているジータの60歳のお祝いとしてファビアーノが誘い、2人でカミーノに来たそうだ。
こんな風に寄り添える夫婦になりたい。(彼氏もいないのに。笑)
カミーノに来ている夫婦は、長い年月を寄り添って歩んできたおしどり夫婦が多く、羨ましい。
彼らがくれたポピーは日記に挟んで押し花にした。
いつかまたこの巡礼路で会えますように。
それから、インドネシア在住の韓国人グレイスと出会った。
巡礼の前半は息子さんと歩いていたらしいが、今はNYに帰ってしまって、とても寂しそうな顔をしていた。
そんなグレイスと韓国料理の話になり、なんとアルベルゲで韓国料理を作ってくれることになった。
他の韓国人の巡礼者も一緒に食卓を囲む。
そしてグレイスのバックパックから出てきたのはなんと...
辛ラーメン!!!!!
スペインで辛ラーメンに出会えるとは!!!!
チョンマルカムサハムニダ🙏
本当に、本当に美味しかった。
パックのご飯と辛ラーメン、そして韓国風のお味噌汁にサラダまで!
お腹も心も満たされました。
食卓を囲むのっていいね。
元気が出るし、友達もできる。
これで明日も頑張れる。
ありがとう、グレイスとみんな。
ご飯を食べた後は、近くのカテドラルの1番上に登った。
登ったその瞬間、鐘が鳴ってびっくり。
ここからの眺めは綺麗だった。
ふと、今まで会った巡礼者たちを思い出す。
みんな今はどこを歩いてるかな?