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悩まない日はないけれど・・・

先日とある出版社からご依頼をいただき今の仕事に至った経緯などについて書く機会がありました。
多分大幅にカットされることになると思いますが、それでも自分にとって学びの多い作業だったと思います。

ここ最近、仕事でも子育てでも悩む事が多く、どうしてこんなにダメなのだろう、何をやっても中途半端だ、自分を責めることが多くありました。

しかし改めてこれまでを振り返ってみて、決して完璧ではないけれども自分なりにその時のベストを尽くしてきた結果が今なんだろうなと受け入れられるようになった気がします。

また、今十分に結果を出し切れていないということは、自分にとってレベルの高いチャレンジをしているということでもあると気づきました。

通訳というのは残酷な仕事で、自分の実力が人前でリアルタイムに晒されます。どんなにかっこいいことを言って自分を盛っても現場は嘘をつきません

普段から問題のない限り自分の通訳音声を録音し、後から聞き返すようにしていますが、「こんな通訳を聞かせてしまったのか」と後で赤面することもしばしばあります。

落ち込んでばかりの最近でしたが、それだけ求められる水準が前よりも上がっていることに気づきました。

ここ数ヶ月で通訳に入る会議の専門性がぐっと上がり、また英語話者同士のきわめて複雑な議論もガンガン行われるようになってきたように思います。英語話者と一口に言っても様々な国の出身者が多様なアクセントで英語を話し、またそれぞれの話し方にも独特のリズムやスピード、論理展開があります。ついていくのに精いっぱいで、日々心拍数が爆上がりする毎日です。

少し成長しても仕事のレベルが上がれば、またゼロ(というかマイナス)からのスタート、というループの繰り返しです。

思うように通訳ができないと本当に落ち込みますが、子育てに悩み、前の職場で淡々とルーティンをこなしていた3、4年前の自分を振り返ると、今の仕事をしていること自体が奇跡のように思います。

前の職場を退職した直後、同じ課の上司に非常勤として勤務することを勧めていただいたことがありました。なんの見込みもないまま退職した私の今後を心配してくださっていたのだと思います。

その時にお返ししたメールに、「私は将来、同時通訳ができるようになりたいと思っています。大変ありがたいご提案ですが、今は目標に向かって努力したいと思います」といった趣旨のことを書いていました。

このメールを書いた時に、いい年をしてこんな途方もない夢みたいなことを書いてあきれられるだろうなと思いましたが、曲がりなりにも今は毎日同時通訳をしています。

しかし、夢をかなえた、という実感はほとんどなく、こうありたいという姿と実際の姿とのギャップにうなだれる毎日です。

悩まない日はありませんが、いつかどんな場面であっても信頼して任せて頂けるような会議通訳者になれるよう、あきらめずに日々、前進していきたいと思います。

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