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育休中のスキルアップは

ビジネスコンサルタントの中倉誠二です。
育児・介護休業法が改正されたこともあり、男性育休が話題になっていますが、若い男性からはこんな声が聞かれます。
「育休を取ると、そのあいだ同僚は日々仕事をしながらスキルアップしている。自分だけブランクができて差がついてしまうのではないか」
「職場復帰した後、以前のように働けるのか不安。浦島太郎になってしまうのではないか」


たしかに職場を長期間離れていると、会社の業務の状況は分からなくなるでしょう。でも、だからと言って育休期間が仕事上、無駄だとは思いません。いや、むしろその逆です。

育休中は会社の業務から離れますが、それ以上に大変な仕事=育児という仕事の経験を積んでいます。そして、その経験が重要なビジネススキルを向上させます。言葉を知らない赤ちゃんと一生懸命にコミュニケーションを取ることで、観察力、推察力、コミュニケーション力などが高まります。

相手の気持ちになって考える習慣が身につきます。バリキャリ女性が産休・育休を経て復帰すると「あの人、人間が丸くなったよね」なんてよく言われます。これは性格が変わったのではなく、育児経験を通してコミュニケーション能力が向上したのです。

また、育児は思いがけないことの連続で、あらかじめ何を確認して何を用意しておけばよいのか、リスク管理能力も身につきます。もちろん、家事・育児に追われる中で効率的に進めるにはどうすればよいか、段取り力も高まります。そのほか、まだまだ挙げれば切りがありません。

育児は会社の仕事のように計画通りに進むことはほとんどなく、臨機応変な対応の連続です。職場復帰した人の多くが「会社の仕事のほうが全然楽!」と言います。

育休期間は、子育て=「人生最大のプロジェクト」に専念して働き、スキルアップしているのです。職場復帰後、しばらくは実務のギャップに慣れるのが大変でしょう。しかし慣れた後は、相当スキルの高いビジネスパーソンとして活躍すること間違いなしです。

育休はお休みではありません。会社の仕事を休むだけで、育児就業して人間としてのスキルを磨いているのです。上司や同僚の方も、ぜひ育休をこのように考えていただきたいと思います。

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