算数、きらいじゃないかも

 算数に自信をもっていない子が、

 「算数が怖くない!」と思えるようにしたい。

 「算数、意外と嫌いじゃないかも」って。


 そのために自分なりに大切にしていることを書く。

 習熟度別指導における「じっくり」クラスの指導を想定している。


①問題文を楽しむ

 「なぜかできない」のスタートは、問題文にあると思う。

 問題文が理解できないために、見通しも自力解決もできないということを

 なくしたい。

 そのために「楽しい遠回り」をする。


・具体的な話をする

 ”あおいさんは どんぐりを 8こ ひろいました。”

   ひかるさんは 3こ ひろいました。

   あわせていくつになるのでしょう。”

 『この2人は、どんぐりで何をしようとしているのかな?』

 「どんぐりごま!」「まとあて!」

 「いや、たくさん拾っているからリースづくりじゃない?」

 『どこで拾ったのかな?』

 「裏の林じゃない?」「神社にたくさんあったよ!」

  生活と結びつけてこんな話をしながら、

  あっちいったりこっちいったりしながらも、

  イメージできるようにする。


・世間話をする

 ”3mのひもグミがある。

   これを4人で等しく分ける。

   1人分は□mです。”

  教科書では「テープ」なのだが変えている。

 『こんなグミ食べたことない?』

 「ああ、あるある。のびーるグミね」

 『おお、何味が好き?』

 「コーラかな?」

 『先生の家は仲良しだから、わざわざ4等分して

  みんなで食べるんだ』

 「ええ!先生お金ないの?」

 『そうなんだよ、でも仲はいいんだよ。

  みんなだったらどう4等分する?』

 「ええと、伸ばして、折って・・・」

 どうでもいい話をしながら、

 算数的なことに近づいていくようにする。


 オープンな雰囲気をつくりながら、

 問題場面を想像できるようにする。

 そのあとに、問題文から

 「わかること」「もとめること」を

 整理する。

 

②たくさんの〇をつけること

 丸がたくさんつけば、うれしい。

 そのためには、スモールステップでどんどん〇をつけていくこと、

 演習量を増やすことを心がける。


・自力解決で〇をつける

 赤ペンをもって机間をまわる。

 図がかけていたら、一つ〇をつける。

 式がかけていたら、一つ〇をつける。

 筆算ができていたら、一つ〇をつける。

 どんどん回って、たくさん〇をつけていく

 即時評価、即時強化である。

 もっと小さなステップで〇をつけていってもいい。

 筆算の内でもここまであっているよ、と〇をつける。

 どうしても○がつかない子には、どんどん教えてしまう。


・問題演習をたくさんする

 「じっくり」クラスでは特に演習量を確保したい。

 だからある程度「練り上げ」「まとめ」は、早いテンポで進める。

 そして「解ける」問題を適用問題にする。

 教科書の問題は数値がよく考えられているが、

 計算が簡単になるように思い切って変えてもいいと思う。

 問題を解き、1つでも多く〇をもらうようにする。

 答えを黒板に書かせるのも自信につながる。

 机間指導やノートチェックを通して、

 何とかして〇にして終わるようにする。


③子どもの考えのよいところを見つけ、価値づけること

 算数の授業は、答えを見つけることを通して、

 たくさんの小さな判断をしている

 「この前学んだあれが使えそうだ」(既習事項の活用)

 「2/3は小数に直すとわりきれなそうだけど、

  どうやら1/2よりは大きそうだ」(数の見通し)

 「角がないから、四角柱ではなさそうだ」(~ではない、という判断)

 「Aさんの考えとBさんの考えは似ている」(共通点の発見)

 「まとめると、こうなりそうだ」(帰納的発見、一般化)

  など、いくらでもある。

 

 どのような「判断」に価値があるかを、知っておかなければいけない。

 そうすれば子どもの判断1つ1つが「宝」になる

 

 私はとくに「~ではない」という判断が大切であると思う。 

 「3/4+2/3の計算の答え、よくわからないけど、

  1より大きそうだから

  5/7じゃあおかしい!」

 そう判断できることは、

 通分と計算の手順を知ることや

 速く正確に計算できることと同じくらいか

 それ以上に価値があると思うのだ。


 子どもの考えを輝かせられるかは先生次第。

 「子どもが輝く算数の授業」ができるように学んでいきたい。

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