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叱る前にすることがある④

叱ることは、難しい。

叱ることは少ないが、叱るべきときには叱る」という姿勢をもっていないといけない。

4回に分けて、そのための方策を、叱ることを考えてきた。


<ブックの目次>

 Ⅰ 叱らなくてすむシステムをつくる

 Ⅱ 叱る前にやるべきことがある

 Ⅲ 叱るまでの段階を意識する

★Ⅳ 叱るときには真剣に叱る



Ⅳ 叱るときには真剣に叱る


(1)木レベル/林レベル/森レベル

 叱る基準は、4月初めに宣言した。

 しかし、すべて同じトーンで叱るわけにはいかない。

 叱り方にも段階を決めておく。

 感情的にならないようにしなければならない。

・木レベル(それなりに怖い)

  できることをしないとき

・林レベル(わりと怖い)

  危険なことをしたとき

・森レベル(震えあがるほど怖い)

  人の心と体を傷つけたとき


(2)個別に叱るか、全体に叱るか

  個別に叱るのか、全体に叱るのかを判断する上で、

 「7割以上の全体指示以外は近づいて小さな声で叱る

  という考え方は、低刺激なクラスをつくるための

  1つの判断基準となる。

  いずれを選ぶにしても、全体を常に意識する。


 〇個別に叱るとき

 ・周りの子のぼそっと悪口を放置しない

  叱られている子に対して、

  「そうだぞ」と茶々を入れる行為があったら見逃さない

  「叱るのは先生の仕事。仲間が怒られているときは、”がんばれ”って

   心の中で思って黙って聞いている。

   そして、そのあと励ましてやるんだ」

 

〇全体を叱るとき 

 ・「私たちは、あなたたちの担任として、

   きちんと教育する責任があります。

   しかし、こんな状態では、その責任を果たせません。」

 ・7割以上の全体指示も、毅然と行う。


(3)夕立のように

 ・感情的にどならない。それは、大人気ないと思われて、

  「信頼口座」を空っぽにしてしまう

 ・叱ることはしぼり、短い時間で、毅然と。

  長くても集中は続かない。

 ・夕立の後は、晴れ。引きずらない。

  「さあ、はじめよう」


(4)問いかける→気づかせる→納得させる(腑落ちする)

 ・「『死ね』って言ったけど、

   本当に〇〇さんにいなくなってほしいの?」

 ・「本当は、どういいたかったの?」

 ・「そういえば、こんな苦しくならなくて済んだのではないの?」

 ・「今度、同じようなことがあったらどうする?」


(5)叱っているのに、ほめている

 ・「自分のことを、素直に振り返られるのは、大切なことだよ。

  あなたのいいところだよ。」

 ・「あなたはクラスを明るくしてくれる人なんだから、

  周りの人を悲しませてはいけないよ。」

 ・「あなたらしくないな。」

 ・「きみならできるって、そうみんなも信じているよ。」


(6)こんな叱り方は絶対にしない

 ・人間性を否定する

  「あなたは、ダメね。」

  「どうしていつもあなたはそうなの?」

   →”罪を憎んで人を憎まず”。行為に注目をする。

・結果にこだわり、努力を否定する

  「がんばって、これ?」

  →努力に注目し、認める。



 <おわりに>

・子どもの心を傷つけるために教員になったわけではない。

 そういうことをしない「普通」の先生を目指している。

 だけど、気持ちや考えばかりで、

 具体的な関わり方が整理されていないと、

 叱ることばかりになって、安心して過ごせるクラスはできない。

 結果、子ども達の心を傷つけてしまう。

 「普通」の先生になることは、思った以上に大変なのだ。


・叱り方について考えてみたが、

 失敗することもある。そんなときは真摯に謝らないといけない


・学級での叱り方について書いてきたが、

 家庭での親子の関わりなどにも生きるところがあるだろうか。




<参考>

叱り方の段階について

叱り方のポイントについて



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