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はえぎわ×彩の国さいたま芸術劇場 ワークショップから生まれた演劇『マクベス』観劇記録(一部ネタバレあり)

【日時】2024年2月17日(土)
【会場】東京芸術劇場 シアターイースト
【原作】W.シェイクスピア
【翻訳】松岡和子
【上演台本・演出 】ノゾエ征爾
【出演】内田健司、 川上友里、 山本圭祐、 村木 仁、 町田水城、広田亮平、 上村 聡、茂手木桜子 、 菊池明明、 踊り子あり
【主催】はえぎわ、公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団
【共催】公益財団法人東京都歴史文化財団 東京芸術劇場
【助成】文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業)、独立行政法人日本芸術文化振興会
(以下、彩の国さいたま芸術劇場web siteからの引用)
「自身が主宰する劇団はえぎわをはじめ、外部のプロデュース公演など幅広く活動し、独創的な作品を生み出しているノゾエ征爾。彩の国さいたま芸術劇場では、2022年春、ノゾエを招いてシェイクスピアの『マクベス』を題材としたワークショップを実施。ワークショップでは「演劇を見慣れていない若者に演劇の魅力を知ってもらう」という目標を掲げ、ノゾエは親しみやすく、飽きさせない構成と演出で約100分の『マクベス』をつくりあげた。これをきっかけに、はえぎわと彩の国さいたま芸術劇場の共同制作による『マクベス』を東京と埼玉で上演することが決定。新たなキャストを迎えてブラッシュアップしたノゾエ版『マクベス』にご期待ください。」

劇場ポスター

【あらすじ】将軍マクベスは、凱旋の途中で出会った怪しい魔女から「いずれ王になる」という予言を受ける。野心を募らせたマクベスは、マクベス夫人に後押しされ、王ダンカンを暗殺する。王位を奪ったものの、消えない不安と恐怖からマクベスは次々と罪を重ねていく……。

【感想】これまで数回観劇経験のあるマクベスだが、今回が一番、マクベスとマクベス夫人の人間としての苦悩や愚かさを身近に感じることができたように思う。自分が歳を重ねたせいなのかもしれないが、シンプルな中にも抑揚の利いた演出の賜物のような気がする。彩の国さいたま芸術劇場の劇団出身の役者も多く、どこか蜷川シェイクスピアの薫りも残していてくれるのが蜷川シェイクスピアを見続けた私には、とても嬉しいことでもあった。
役者の中では、マクベス夫人を演じた川上友里さんが素晴らしかった。緩急のきいた演技で恐ろしさと脆さの二面性を提示してくれていた。
舞台装置は木の各椅子を組み合わせて、うまく場面転換されていく。これでも、役者さんたちはこの転換もしっかり憶えて演技もするのはたいへんそう。すごいなぁと感心しきり。
ラストシーンの舞台の美しさにも拍手を贈りたい。
まだ、今年は始まったばかりだが、年間通しても上位に必ず入りそうな舞台だった。


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