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じぶんという存在は「害」でしかない(罪悪感のお話)……【わたし達がポリアモリーになるまで 〜SとNの赤裸々物語〜】

N:
最初は、複数の男性を愛してしまうじぶんを受け入れられなかったの。その理由の一つに、罪悪感があったと思う。
独身の方を好きになった時は、相手から「罪悪感に堪えられない」と言われたこともあったし、結婚されている方の場合は、私が相手の家族に対して感じることも。もちろん、じぶんの家族に対しても罪悪感を持っていたのだけど……
Sは、罪悪感を感じることはあったの?

S:
わたしはね、自分で言うのもおかしいけど、たぶんもともと超清純派だったの。笑
一人の人を愛したらとことん愛し尽くす、ぐらいのある意味一途さ。それに、性のお話なんて外ではほとんどしなかったし、彼とも恥ずかしいそんなこと、、と思いながらがんばってしてみたり。笑

それでいうと、夫以外の人と特別な関係になるというのは、罪悪感の塊でしかなかったなぁ。
なんだけど、好きになっている、特別な関係になりたい、という想いは隠しきれないし、相手によって引き出されたというのもあるんだけど、気持ちが先だったよ。
彼と出逢った時にポリアモリーって種族?カテゴリー?(笑)を知って、彼は過去に実践しようとしてたみたいなんだけど。そんな世界があるんだ!!って、頭がパッカーンした!!
そしたらね、もしかしたら私もその感覚があるのかもしれない、、!と思って、そこからじぶん探求が始まったの。笑

N:
彼との出会いで新しい扉が開いた感じだね。
じぶん探求が始まるってすごい!
未知のじぶんを発見していく探求って感じなのかな??

S:
罪悪感で言うと、そのことに対しての罪悪感を持つ理由があると思うの。そこを解除していくための探求かな。
ありとあらゆることに対しての感情は、イヤならなくしていくこともできるからさ、そこを常にパートナー(彼)と一緒にみていきながら色んな探求をしていった感じだよ〜

N:
パートナーと一緒に探求するって素敵だなぁ♡
夫以外の人と関係を持つ上で出てきた罪悪感は、どんな理由を持っていたの?

S:
最初は、単純に社会的に許されないよね!!ってところかなぁ。普通だね。笑
それが、本質的には自然なことだと感じられてからは罪悪感が薄れたかも。

N:
確かに、そこは大きいよね。
私の場合は、社会的にどうかよりも、夫への罪悪感や相手のパートナーへの罪悪感が強かったの。傷つける怖さ、失う怖さもあったし、じぶんという存在が「害」でしかないように感じて、彼への好きが止まらないなら、死んだ方がみんなの為になるんじゃないかとか。笑
初めての時は、そこまで思いつめていたの。

S:
あーうんうん。私もその道を通りました。笑
社会的に良くないことになってるから、夫や相手のパートナーへの罪悪感にも繋がるんだと思うし、関わる人たちや全体に害を与える感じに思えてきちゃうのかな、と思うんだよね。
それがたとえば、素敵なことだという認識が社会的にあれば、そうはならないと思うの。だって愛することって、本当は素敵なことでしかないもんね。

N:
確かに。一人の人に愛されることや、一途であることを、清く正しく美しいものとして捉えることが常識になっているから、傷つけてしまう感覚になるのかも。愛することが素晴らしいと認識されていたら、例え、その中で嫉妬が起きたり、淋しさを感じることがあっても、人を愛することそのものに豊かさや幸せを感じて……そしたら、害を与える感覚にはなならないのかも知れない。

なんだか、じぶんで思っている以上に社会的なこと、他人からどう思われるかを気にしながら生きているんだね……

S:
本来は、愛するパートナーがみんなに愛されていたら悦びになるはずだし(そうなりたいというのもある!)、それで何か不快なことが出てきたとしたら、どこかのタイミングで創られてしまったりもともと刷り込まれていた歪んだ考え方だったり、自分の中にある本来の想いとは異なる思考なのかもしれないよね。
そういう本来のあり方に、いろんな場面で切り替えていったよ!

N:
すごいなぁ……
愛するパートナーがみんなに愛されていたらっていうのは、私も近い思いを持ってるかも。相手の方に家族がいる場合は、お互いがお互いの家族と満ちていることを大切にしてるの。

暮らしのパートナーと上手くいかないからって、逃げるように恋愛をしたとしたら、その彼との関係はどんどん歪んでいく気がするんだよね。
恋愛をしていく中で、今まで気づかなかったじぶんの本音に気づくこともあって、そうすると、家族への不満も出てくるんだけど……それは私と家族の問題で。
日々の現実から目を背けるために彼と恋愛しているわけではないから。
じぶんの思いを伝えて、より良い関係を築いていけるように家族と向き合う。愛の循環を大切に家族との関係を満たすことを心がけてるの。

今の彼は同じように家族との育みもすごく大切にしているから、彼がパートナーを愛しているのも感じるし、私への愛も感じる。私も夫を愛しているし、夫も私を愛している。彼とは別の特別な方がいるのだけれど、その男性のことも愛していて、お互いに愛で共鳴しているのを感じる。

それぞれがぞれぞれに愛し合っているのを感じるようになってから、私の中で罪悪感が薄れていった。そんなプロセスがあったかも。

S:
たしかに愛の循環が起こるほど、罪悪感は消えてくっていうのはありそうだね!すてき!

そういえば、夫や彼のパートナーに対して、他にも大切なパートナーがいるってことを伝えていないまま、嘘をついている気がしているってことも罪悪感に繋がっていたなぁ。
前の彼は、奥様とラブラブだったんだけど、そう言うことは伝えていなかったみたいで、すごく最初は複雑で。私も夫に嘘をついているようで、言わなきゃ!って言うのがすごくあった。あとはそんな自分を受け入れて欲しいっていうものもあったと思う。
でもそのときは、彼とそのことについて話をしていて、お互いに伝えることはしなかったんだよね。

N:
どうして伝えなかったの?

S:
最初は、私が夫に伝えようとしたのを、彼に止められた感じになったの。
そして彼は今は伝える感じがしないから、というのがいちばんの理由だったんだ。

N:
うん、私も伝えることが良いって、思っているわけではないかなぁ。
話してじぶんが楽になりたいからって、夫に言うべきではないって気持ちもあったの。最初のころはそれよりも前に、夫との関係を整える必要性を感じたし、結局のところ、私が私を責めているから夫に許されたいだけなんじゃないかって思って。

S:
旦那さんとどんな関係性を整えようとしていたの?

N:
当時は、まともに夫と話せる状態じゃなくて、すぐ怒るし、物を壊したり……手は出されなかったけど、夫に怯えている暮らしでもあったの。

何故、夫がそうなっていたのかというのは、私と出会った頃からのストーリーを夫の視点から見ていくと、致し方ないとしか思えなくて。見方によっては、私が酷い嫁のようにも映るし、夫を責める気は全くないし、誰が悪いとかそんな単純は話じゃないと思ってるのね。

でも私は当時、夫と真っ直ぐに話すことが出来なかった。
他に好きな人がいる話をする前に、まずは夫と面と向かって話せるようになること。二人の間の愛の循環をめぐらせていくことが先決だと思ったんだよね。

S:
そうだったんだね。
わたしもね、夫とはうまく話もできないし、そうすると夫の嫌な部分のフラストレーションが溜まったりして、夫婦関係が悪化していっている感じがしたの。表面的には仲良さげな夫婦だと思われていたけどね。偽りとまでは言わないけど、夫はどうなのかわからないけどわたしの夫に対する愛の総量が少なかった。

N:
うん。多かれ少なかれ一緒にいると、二人の関係が変わって来て、バランスが取れなくなってしまうことって誰にでもあるよね。Sは、そこからどんな風に罪悪感が薄れていくようになったの?

S:
うーん、もうだいぶ前のことで記憶が薄れているんだけど。笑
でも夫に伝えることが必ずしもいいことではないことに私も気づかされて。
とにかくいろんな方向性から意識を切り替えていったんだよね。その内容はもはや覚えていないかも。笑
でも、Nの愛の循環の話で言うと、私と彼もそこを大事にしていたから、伝えなくても愛が循環したり増幅したりできるようなあり方に変わっていったから、私と夫の関係も、彼と彼の奥様との関係も、どんどんよくなっていったの。

そう言う現象を目の当たりにしたら、あー伝えなくてもいいこともあるんだって思えて。
もしこの先で、伝えた方が、よりみんなの愛が増幅するんだったら、その時に伝えればいいんだって。

ついつい伝えないことが悪だと思いがちの事柄ではあるんだけど (社会的ルールに基づいたらね)
それが全て正解ではない、ってそのときすこし思えたのかな。そしたら罪悪感は薄らいでいったと思う。

N:
Sとこういう話をし始めたのは最近なのに、不思議と同じようなプロセスを辿っていて、面白いな♡
罪悪感と向き合うことで、いろいろな感情が溢れてきたり、いろいろな思考が頭の中をめぐって、あまりの辛さにじぶんの存在を消してしまいたくなった時もあったけど……
生きていなければ愛することはできないし、愛したい、愛し合いたいという強い想いが、結果的に、周りの人との関係を深めたから。
常識的なことにとらわれない生き方の大切さもすごく感じる。

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このnoteでは、わたし達がどうやってそれぞれのパートナーと向き合ってきたか。人を愛する中で何を感じ、何に気づき、何を創造しているか。赤裸々に綴っていきたいなって思っています。


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