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泥沼読書計画

読んだ本の感想を言い合えるというのは、なかなかに贅沢なことだと思う。

好きな漫画やアニメが他人と被ることは割とあるのだが、好きな本が一致するという瞬間はほとんど訪れない。

その理由にはまず、本には「ホットトピック」がないということが挙げられるだろう。

たとえば音楽であれば、ヒットチャートのように繰り返し世間で流される楽曲がある。

たとえば映像作品であれば、サブスクの人気作品やYouTubeの急上昇動画などといった多くの目に触れるプラットフォームがある。


しかし、本というのは違う。


思うにこれは、本が持っている特性が関わっていると思う。

上に挙げた「音楽」や「アニメ」、「ドラマ」に「映画」は、自分から歩み寄らずとも作品の方からやってきてくれる。

街を歩けば人気の楽曲が流れ、動画や映像作品のサブスクリプションは、レコメンドを勝手に流してくれる。

しかし本はそうではない。
本が勝手に開くことはないし、開いたとてそこにあるのは文字の羅列。
目で追って一字ずつ読んでいくしかない。

つまり本だけは、自分から働きかけなければ楽しむことができないのだ。
これが、読書をする人の数が減っている原因だと思う。

しかしだからと言って、誰とも読書の楽しみを分かち合えないのは心苦しい。

そこで僕は最近、とある作戦を練っている。

それは、とにかく直近で自分が読んだ本を薦めるというものだ。

それも単に薦めるだけではない。
きちんとしたプレゼンも行った上で、その本を貸し出すのだ。

どういうあらすじで、どこが見どころか。
なぜ読んで欲しいのか。

それらを丁寧に説明しつつ、実物を目の前に差し出す。
こうすることによって、他人のその本に対する興味関心を惹きつける。

自分の本を実際に貸し出すことで、期限までに返さなければならないという制約による読書の促進を図る。


つまり積極的に人を読書の沼に引き摺り込むことによって、自分の欲求を満たすのである。


そうして、たくさんの人を沼に落とし込んでから、お互いのお薦め本を紹介し合うという泥遊びに興じるのだ。

是非とも、皆さんのお勧めの本を教えていただきたい。

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