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【本】「クラクションを鳴らせ! 変わらない中古車業界への提言」(中野優作著、幻冬舎)

読んだ本のレビュー
★★★★★(星5)〜★(星1)で評価

★★★☆☆

①営業活動・組織マネジメントのノウハウ本
②高校中退者の立身出世物語
③野次馬根性からビッグモーター事件の背景を知る

色んな側面のある本

①営業活動・組織マネジメントのノウハウは、かなり具体的実践的ではあるが、バリバリの営業会社でのもの
自分の立場からするとそこまでハマれなかったので、個人的には★3
同じ中古車販売業の方はもちろん、客商売をやる方なら広く様々なノウハウを吸収できるだろう

②高校中退者の立身出世物語の側面からは、自分の力で道を切り開いて行くんだ、と熱い気持ちにさせてくれる

③ビッグモーター事件の側面からは、なぜあんな組織になってしまったのか、その過程を理解できて単純に面白い


筆者については、ビッグモーターの不正が大きく話題となったときに、YouTubeの動画を見て知った

筆者はビッグモーターで10年働いて、営業→店長→営業本部部長まで上り詰めた後、会社の方針に疑問を抱いて辞め、現在は同じ中古車販売業で起業している

本書を書いた動機は、社内競争に借り立てられていく中で競争自体が目的となり、世間の常識とはかけ離れていった会社風土を生み出したことに関与した自分自身の反省も込め、中古車販売のノウハウを公開し、業界をレベルアップさせる点にあるとのこと
それが、タイトルの「変わらない中古車業界への提言」という部分


営業活動

本書は、大きく3章で構成され、最初の2章は、営業活動店舗マネジメントについて、筆者の経験から具体的にそのノウハウが語られる

営業活動の章は、かなり詳細な営業職向けのマニュアル
この章は、ノウハウがメイン


店舗マネジメント

第2章の店舗マネジメント部分は、ビッグモーター事件を受けて、全て書き直したという
業界経験1年半28歳で店長となり、最後はTOBにより完全子会社となった同じ中古車販売会社の代表取締役として経営統合事業再編に取り組む中で権力闘争に巻き込まれ、一人「革命」を起こして会社を去るまでが描かれる

ドラッカーなどを基礎としたマネジメントのノウハウ部分もあるが、
いかにしてビッグモーターが、カルトのような組織風土と極端な利益至上主義に走っていったのか、その過程も描かれる
話題になった社長やその息子も登場

最終章

ビッグモーターを辞めて一人起業をした後に、事件が勃発
ビッグモーターを辞めた後の会社への思い、自分自身の反省、その反射としての自社の理念提言が語られる

以上

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