記事一覧
短編小説 さみしがりや
「そうだよな。ご飯を二人で食べるだけなのにそれだけで楽しいもんな。」
ずっと独りでよかった。独りがよかった。なのにこいつと出会ってしまった。
面倒事を起こさない。巻き込まれない。それを、それだけを目標に高校では静かに1人でいようと思った。
今日もこいつはずっと僕の後をついてくる。
「なぁ、今日暇?」
「…いや、塾」
「そっかぁ〜、大変だなぁ」
こいつといると、もういらないと、邪魔だと思って捨て
主人公補正はいらないかなー
なりたい自分と自己嫌悪
着たい服、やりたいメイク、それらをする時、1回は自分は似合わないから、と辞めてしまう。
着たい服着ようと、思ってはいるけど、どうしても自分を許せない。自分自身に、好きなものも好きと堂々と言えなくなってくる。
そうやって、どんどん「好き」を避けて、そのうち本当に好きな物がわからなくなる。
悲しい末路を辿るんだ。
だから
そうなる前に、自分と見つめ合って、嘘でも認めて
「今日もかわいい」
って笑ってお
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短編小説 君はいつかの
「傷つくのは、もう、嫌だよ…」
冷たい鉄格子。目につけられた包帯、何もない部屋。その感覚だけは今も消えず私をずっと苦しめる。過去のことなんて、何も覚えていないけど、どうして私が「ここ」にいるのかもわからない。
ただ、今、死のうとしている君が私の目の前に居た。
私は死んだの?目が見える。でも、浮いてる?
けど、そんなことより…
「ねぇ」
「!?」
「死にたいの?」
「あなた誰?どうやってきたの?
短編小説 光と愛の在り処
「まぁ、もう少し生きてみるかぁ」
今日は、世界で、1番嫌いな日。1年、また1年と歳を重ねて、生きていることに後悔する。
自分が綺麗な時に死にたいと思った。だけど私は全てが醜く、汚かった。そして後悔ばかりで何も変えられない。こんなにめんどくさいのに「あの子」は私の目の前でいっしょにケーキを食べている。死にたくも生きたくもない私は、君が私のことで笑ったり泣いたりしてくれることが不思議で、とても嬉しく
短編小説 水槽の中の魚
服のまま水の中に沈んで行く感覚。あぁなんのことで悩んでだっけ?
私の音楽は誰も救えないって話か、だって私すら救われてないもんね。当たり前か。
自分が救われないと誰も救えない。わかってるよ
そんなこと。
それでも、少しでも誰かのためなんて、頑張ってみてはいるものの、どうしても上手くいかなくて、自傷行為するみたいに音楽をつくって、歌っている。苦しかったことも、全部歌に溶かして、命を削って本当にあるのか
短編小説 復讐の人形
「私の呪いはこの子のために」
薄暗い地下室。少女は今日も何も食べていない。それどころか時間すらわからない。私といっしょに閉じ込められてからいったい何年が経ったんだろう。覚えているのはこの少女が呪われていると罵声を浴び、暴力を振るわれ泣いていたことくらい。私だけはずっと少女の側に居た。少女の怒りと悲しみは私の力になる。
そろそろこの力を使う時かもしれない。
それで少女を救えるなら。
「ねぇ、ここか
何回、人生をやりなおしてもけっきょく結果は同じなんだろうな。だけど、今、自分が変わればなんとか生きられるかな。
未来の未来を見すぎてて夢を言うことどころか、夢をつくることすら怖くなってた
短編小説 ふたりぼっち
「もしも世界が滅んだら、二人で生きてようよ」
君がいればそれだけで良いと思っていた。それは君も同じだった。
優しい人が損をして、真面目な人が不幸になる。
こんな嘘つきだらけで誰も信用できないような、そんな世界で君だけが光だった。
「幸せなまま死にたい。」
僕のささやかな、そしてとてもわがままな願い。
けど、最期の願いだった。
「でも、本当は、幸せなまま二人で死にたい。」
「いいよ、じゃあ死んじ
短編小説 女王様のジェラシー
「あの子になれない。」
あの子はプリンセス。みんなに甘やかされてずっとニコニコしてる。
可愛くて、愛嬌もあって、お姫様みたいな子…私は真逆で知らない人から女王って呼ばれてるらしい。
冷たくしたいわけじゃない。だけど、ずっと愛を跳ね返して、優しさを無視して、1人で全部やってきた…そして、本物みたいに偽物を演じてる。
私は、私になりたくて、自分を貫いてきたのに、お姫様に勝てるわけがなかった。高嶺の花