イライラと不安をマッハで消し去る!科学が証明したストレス管理法、「自動思考キャッチ」とは
こんにちは、メンタリストの清水陽介(@smzyuskmental)です。
今回のnoteは相談の多い『ストレス』について。
僕は立場上いろんな方から相談を受けるのですが、だいたいの悩みはストレスや不安によるものです。
で、なにが言いたいかという話ですが、結論から言えば、多くの人はストレスの対処の仕方を間違っています。
というのも、『科学が証明した不安撃退法』でもチラッと解説した通り、多くの人はストレスを感じた時に間違った対処をしているんですね。で、対処法が間違っていれば、当然いつになってもストレスが消えることはありません。
するとその結果、ストレスが消えないこと自体がストレスになってしまい、最終的には『ストレスがストレスを生み続ける』という最悪のサイクルが出来てしまいます。
『あれも嫌だし、これも辛いし、、、そもそもこんな小さいことでイライラしてる自分にイライラする!』みたいなやつですね。
つまり、ストレスの正しい対処法を知っておかなければ、一生『ストレスの沼』から抜け出せなくなってしまうわけです。
では、「どうやったらこの極悪ループから抜け出せるの?」という話ですが、その答えはこの本が教えてくれます。
皆さんご存知、パレオな男で有名な鈴木祐さんの新著『超ストレス解消法』。
こちらの本は、発売後即ベストセラーになっただけあって、中身も素晴らしかったです。何がいいって、その辺の本と違って、科学的根拠に基づいたストレス対策のみを書いてくださっているので、なんせ効果が出やすいんですね。
さらには、科学的な妥当性や、効果の高さを10段階評価でわかりやすく書いてくれてるので、ストレス対策はこの一冊があればとりえずはオッケーかなという感じであります。
で、本書ではタイトルにある通り100個のストレス対策が紹介されているのですが、その中でも特に重要なのが自動思考キャッチ。本書で紹介されているテクニックの中でも最も科学的信頼性が高く、非常に効果の高いストレス対策です。
メンタルが不安定になりがちな方はこの『自動思考キャッチ』だけは確実にマスターしておきましょう。
Section①
ほとんどのストレスは、”思考のクセ”が原因
一言に『ストレス』と言っても人によって様々だと思うのですが、ほとんどのストレスは”思考のクセ”が原因になっています。
まず、『思考のクセってなんですか?』という話ですが、例えば、『鏡を見ると髪の毛を触ってしまう』という方がいらっしゃるかと思います。でもこれって、鏡を見るたびに『髪の毛を触ろう!』と考えているわけではありませんよね。あくまで、無意識に髪の毛に手が伸びてしまっています。
つまり、『鏡を見た時に髪の毛を触ること』が”クセ”になっているわけです。
そして、ストレスや不安を抱えやすい人には、これと似たようなことが起きています。
つまり、メンタルが不安定な人というのは、なにか悪いことが起きるた時に「どうせ私は〇〇だから。。。」などと、無意識に”根拠のない決めつけ”をしてしまうんです。そして、その”根拠のない決めつけ”をすることが、”クセ”になってしまっているわけですね。
これが『ストレスの原因は”思考のクセ”である』の意味です。
では、『思考のクセって具体的にどういうパターンがあるんですか?』という話ですが、本書によれば、なんと100種類以上もの思考のクセがあるんだそうです。しかしながら、100個も覚えていては日が暮れてしまいますので、ここではその中でも代表的なものをいくつか紹介。
・白黒思考
『白黒思考』とは、全ての物事を「良い(白)」か「悪い(黒)」か決めないと気が済まない思考のことです。要するに、「ほどほど」という概念がなく、いつも極端な考えをしてしまうのがこのパターンですね。
例えるならば、0か100しかなくて、その間の45とか67がない、というイメージでしょうか。
具体的には、
「会社を遅刻する人は、社会人失格」
「大事なオーダーを取り間違えてしまった。もう辞めるしかない」
「好きだったあの人に嫌われた。もう死ぬしかない。」
みたいな思考をしがちです。
はたから見たら、「いや、そこまで言わなくても!!!」みたいな感じですが、完璧主義な人ほど、ついやってしまいがちです。
・決めつけ(ラベリング)
『決めつけ』とは、客観的な事実を無視して、物事を感情でネガティブに決めつける事です。キーワードは『どうせ』です。
たとえば、
「"どうせ”私はバカだから、なにをやってもうまくいかない」
「”どうせ”あの人は高卒だから信用できない」
「”どうせ”あいつはクズだ」
「”どうせ”ネットの人は信用できない」
こういう思考をしてしまうのが『ラベリング』の特徴です。
・心の読みすぎ
続いての思考のクセは『心の読みすぎ』です。これは、人と会話するときに裏を読みすぎちゃうタイプです。こういった思考のクセがある人は、相手の考えてることを勝手に想像してしまって、よくない誤解が起きがちです。
例えば、
「上司に挨拶をしたのに、そっけなかった。私のことが嫌いだから、避けてるに違いない」
「彼氏からLINEが帰ってこない。きっと会社の人と浮気して、今頃ホテルに。。。明日帰ってきたら怒ってやる」
こういった思考は『心の読みすぎ』です。もちろん、相手の気持ちを察しようとすること自体は素晴らしいことなのですが、このタイプの人はそれがネガティブな方向に行ってしまいがちなのです。
・べき思考
物事を「〜であるべき!」と決めつけてしまうタイプ。
もちろん「人は自由であるべき!」的な”自由を促すべき思考”なら問題ないのですが、”女はこうあるべき!”みたいな根拠のない”自己を拘束するべき思考”はメンタルによろしくないです。
根拠もないのに勝手に自分の中でルールを決めつけてるだけなので、自分の”べき論”に当てはまらない人を見るたびに、「なんで(自分のルールと)違うんだ!」と自分を苦しめることになります。
具体的には、
「社会人は常に規則正しい生活を送るべき」
「部下は上司の前で優秀であるべき」
「長女だから強くなきゃいけない」
みたいな感じ。
長女だからって強くいなければいけないなんて事はありません。
・過度の一般化
なにか悪いことがあると、関係のない他の事柄についても同じ現象だと解釈してしまう。要するに、「あの時〇〇だったから、どうせまた〇〇!」みたいな思考がこの『過度の一般化』です。
例えば、
「好きな子にひどい振られ方をした。これから先もどうせ付き合っても振られるんだ。だから恋愛はクソだ。」
「海外に旅行に行ったら、スリをされた。外国人は信用できない。」
「前の彼に浮気された。その前の彼にも浮気された。だから男の人はみんな浮気する」
「前に好きな人に告白したけど、フラれた。だから、もう好きな人ができても告白しても無駄。」
こういったものが『過度の一般化』です。一度ダメなことが起きた時に『全てがダメだ』と思い込んでしまうんですね。
以上が代表的な"思考のクセ”です。この他にも、”思考のクセ”はたくさんありますが、よくあるのはこのへんかと。
で、これのなにが問題かっていうと、これらの歪んだ考え方を無意識にやってしまっていることなんですよね。つまり、長年かけて染み付いた思考パターンが”クセ”になってしまっていて、それに自分で気づけていないことが問題なわけです。
例えるならば、箸の持ち方に近いイメージです。箸を使うときって、わざわざ「まず人差し指と親指を軸にして、そして中指を添えて、、」などと考えないですよね。普通は、いちいち持ち方など考えず、無意識に箸を使っていると思います。
では、この『箸の持ち方』を正すためには何が必要でしょうか。
それは、『自分の箸の持ち方がおかしい事』に気づく事ですよね。
そして、これは思考でも同じです。
つまり、思考のクセを治すためには、『まずは自分の思考のクセに気づくこと』が非常に重要なわけです。
section②
思考のクセを捕まえよう
では、「じゃあどうやったら思考のクセに気付けるの?」という話になりますが、ここで登場するのが、”自動思考キャッチトレーニング”。
読んで字のごとく、『”無意識に”行われている思考を”意識的に”気づけるようにしよう!』というのが、この自動思考キャッチトレーニングでございます。
で、この”自動思考キャッチトレーニング”は鬱やストレスに対して非常に効果が高く、最近の認知行動療法では「メンタルの改善に最も効果が高いテクニック」と言われています。
そして、ここでは、具体的なテクニックの中から、個人的におすすめなものを2つ紹介。
『超簡単にできるライトなトレーニング』と、『ちょっとハードだけどそのぶん効果抜群なトレーニング』の2つを抜粋しました。ですので、ご自分に合った方を選んで覚えていただければと思います。
①簡易版、自動思考キャッチトレーニング
基本的に『自動思考キャッチ』を完全にマスターするまでは、自分の思考を紙に書き出すことで頭の中を整理する必要があります。しかし、「細かいことをいちいち書くのはめんどくせえ!」という方もいると思います。そういう方はまず『簡易版思考キャッチトレーニング』を試してみましょう。
やり方はめちゃめちゃシンプルです。
まず、ノートでもなんでもいいので、とにかくA4くらいの紙を用意しましょう。そして、紙の真ん中に線を引き、ページを2分割します。
で、書くことは”状況”と”思考”の2つ。左側が『状況』、右側が『思考』で書いていくイメージです。
それぞれの例としては、
状況=「彼氏に振られた」「上司に怒られた」「話しかけたら嫌な顔をされた」など、”なにが起きたか?”をそのまま書く。
思考=「帰りたいと思った」「殴ってやりたいと思った」「嫌われてるのかもって思った」「もう一生彼氏ができないと思った」「上司はクソだと思った」など、”その時にどう考えたか?”をそのまま書く。
このように、
①その時の状況
②その時に思ったこと
を、それぞれ左右にセットで文字にしていきます。
こうすることで、思考のクセが発動したときに「あ、私ってこういう時にこういう風に考えがちなんだな」ということに気付けるようになります。
科学的にはこれを一日1回を目安に最低14日ほど続けると良いそうです。
②セブンコラム
『もっと本気でやりたい!』という方はこちらの『セブンコラム』を試してみましょう。これは先ほどの『簡易版』と比べ、書く項目が多くなった代わりに、自動思考トレーニングの中で最も効果の高いトレーニングとされています。
セブンコラムとは、その名の通り、ストレスや不安を感じるたびに以下の7項目を紙に書き込む方法です。
具体的には、以下の表の通りです。
イライラや不安、嫉妬、怒りなど、マイナスな感情が浮かんでしまった時は、この7つの項目を埋めるようにします。
この表をダウンロードしたり、メモ帳に書き写しておくなどして、いつでも見れるようにしておくと良しです。
それぞれの項目を具体的に解説しますと、
①状況=『誰に対してのストレスか』『なにがあってストレスを感じたのか』など、その場の”状況”を書きましょう。なお、場所や時間を細かく書くと良いです。例えば、「夜寝る前にTwitterをみてたら、好きな人に彼氏がいることが発覚した」など。とにかく、起きたことをありのまま、自分の解釈を挟まずに書きましょう。
②感情=続いては、”ストレスを感じてどんな気持ちになったか?”を素直に書きましょう。例えば、「イライラした」「ムズムズした」「寂しくなった」などです。
③思考=①の状況に対して”どのような解釈をしたか”を書きましょう。例えば、「私が悪かったんだと思った」「どうせまたやるに違いないと感じた」「絶対に浮気だ!と思った」といった具合です。
④根拠=なぜそのような状況になったのか、原因を考えて書きましょう。
例えば、「彼女が怒っている」だとすれば、「彼女が怒っているのは、自分が予定を間違えてしまったからだ。」といった具合です。
そして、コツは客観的な事実”のみ”を書くことです。つまり、自分の感情はできるだけ無視し、あくまで誰が見ても分かるような事実だけを基に、なぜそのような状況になったのか、論理的に答えを導き出します。
他の例を出しますと、「彼に急に振られた」だとすれば「ひどい振られ方をしたが、振られた原因は自分にもあるかもしれないし、彼がたまたま機嫌が悪かった可能性もある。ただ、どちらの責任とは言い切れない。」と書くイメージです。あくまで”論理的”に書くことを意識しましょう。
⑤反証=先ほどの③の思考に対する反証を考えましょう。分かりやすく言うと、『自分の解釈とは別のパターン解釈を考える』といったイメージです。例えば、「〇〇だけど、こういう時もあった」みたいなイメージです。具体的には、「そっけない挨拶をされて、悲しい気持ちになった。でも、自分だってそっけない返事をしてしまうことはある。」「彼からのLINEの返信が遅くて浮気の心配をしてしまった。でも、前は仕事で返信が遅かったこともある」など。とにかく、自分の解釈に対して客観的に反論をしていくイメージです。
⑥バランス思考=ここまでの考えを元に、より事実に基づいた合理的な解釈を書きます。例えば、「告白したら振られてしまってつらい」と思っていう人であれば、こんな感じ。
「前に好きな人に告白したけど、フラれた。だから、もう好きな人ができても告白しても無駄。と思ったが、過去にフラれたことと、別の人にフラれるかどうかに関係はないはずだ。もしかしたら、自分の告白の仕方が悪かっただけかもしれないし、そもそも相性が合わなかっただけなのかもしれない。だから大事なのは、フラれたことをクヨクヨ悔やむのではなく、そこから学習し、次へ活かすことなのではないか」
長くなりましたが、こんなイメージです。これが出来ればほぼメンタルは改善しています。
⑦今の気分=ここまで書いたことによって、今の気分がどう変化したのかを書きます。おすすめは『パーセント』で書くことです。例えば、「気分が40%回復!」「ツラさ70%減!」のようなイメージです。これを書くことによって、自分のメンタルが改善したことを客観的に把握することができます。
そんなわけで、以上がセブンコラムのやり方です。いかがでしょうか。ここまでやればストレスや不安に対処できそうな感じがしてきます。
それでは、最後にもう一度セブンコラムのシートを貼っておきます。
ダウンロードして頂いても構いませんし、書き写してもらっても構いませんので、ぜひ活用してください。
ちなみに、科学的には、最低2週間はこれを紙に書いた方がいいらしいです。書きながら覚えていこう、という感じですね。
で、自動思考キャッチに慣れてくると、紙に書き出さなくとも、頭の中だけで自動思考がキャッチできるようになります。
例えば、辛いことがあったとき、即座に
「彼女にフラれて、俺は今、さみしいと感じた。で、今うっかり、もうこの世で一人なんだと考えてしまった。でも、冷静に考えてみよう。他にも女はたくさんいる。もっと言えば、一回でも彼女ができたことがあるんだから、また彼女ができる可能性は十分にある。だったら、いま大事なのは、さみしいと嘆くことではなく、本を読んで勉強したり仕事を頑張って稼いだりして自分の価値を高め、よりいい女に惹かれる男になることを目指すことなのではないか」
というのが頭の中だけで考えられる感じですね。笑
というわけで、「イライラと不安をマッハで消し去る!科学が証明したストレス解消法、「自動思考キャッチ」とは」でした。簡単にまとめると、
・人は思考のクセがあり、それが染み付いている。
主に、「白黒思考」「決めつけ」「心の読みすぎ」「べき思考」「過度の一般化」など。これがストレスの原因である。
・この思考のクセを捕まえるには、「ストレスを感じた時の状況」と、「その時に思ったこと」をセットで書くこと。これを続けることによって、不安に対処できるメンタルが手に入る。
・さらに本気で取り組む人はセブンコラムを試そう。
①状況
②感情
③思考
④根拠
⑤反証
⑥バランス思考
⑦今の気分
を順番に書き出す。
という感じでした。
ストレスを感じた時は、まずは自動思考キャッチを試してみてください。ネガティブな感情に対処できることが実感できるかと思います。また、その効果も科学が証明してくれています。
最後に、このnoteを読んでくださった方のストレスや不安が少しでも減れば嬉しく思います。
それでは、今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
追伸:noteでは、皆様の何かお役に立てるような心理学を投稿しております。よろしければ清水陽介をフォローください。
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参考
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