人の心を動かすための神作「影響力の武器」を、死ぬほど分かりやすく解説してみる#4「好意」
どうも、メンタリストの清水陽介(@smzyuskmental)です。
今回も前回に引き続き、「”影響力の武器”を死ぬほど分かりやすく解説してみるシリーズ」です。思っていたよりも評判がよく、結構びっくりしております。
前回まではこちら
で、今回は #4ということで 、第4の武器である「好意」について解説。6つの武器はどれも強力なわけですが、その中でも「好意」は、日常生活で役立つ場面が非常に多いです。覚えておくと何かと便利ですね。
また、今回も、影響力の武器を読めなくて挫折した方のために、ものすごくカンタンに噛み砕いて説明しております。そんなわけで、すでに影響力の武器を読まれた方にとっては退屈な内容だと思いますので、復習のつもりで読んでいいただければと思います。
それでは、GO!
人の心を動かす最強の武器④
「好意」
これは何かというと、非常にシンプルで「人は、よく知る人や、好感度の高い人からの説得に、応じやすい性質がある」ということです。
たとえば、今あなたが駅を歩いてるとして、知らない30歳くらいの男の人からいきなり「ノド乾いたので、100円くれません?」と声をかけられたら、「あ?^^」ってなりますよね。
ところが、この画像を見てください。
この子が急に、「すみません、ノドが渇いちゃって、100円だけもらえませんか?」って声を掛けてきたら、どうですか。好奇心旺盛な男性諸君であれば、問答無用で100円を渡すと思います。
つまり、人は「その相手のことを好きかどうかで、要求を飲むかどうかをある程度決めてしまう」ということです。これが4つ目の武器の「好意のルール」です。ものすごく当たり前ではありますが、仲のいい人や好きな人の要求であれば、受け入れやすくなるわけです。
たとえば、同じ味のラーメン屋さんが2つあったとして、もし片方のお店だけ仲の良い知り合いが店主をやっているとしたら、絶対に知り合いのいる方のお店に行きますよね。つまり、商品を買ってもらったり要求を飲んでもらうには「好かれる」ということが結構大事なわけです。
で、実際に、「仲の良さとか好感度って、どれくらい大事なの?」って話ですが、これは学者のフレンゼンさんが1990年に行った研究。この研究ではホームパーティを開いて、その中で参加者に商品を売ってもらい、「人はどういう時に商品を買うのか?」ってことを調べたわけですが、その結果分かったのが、
・商品を買うかどうかを決めるパワーは、「商品に対する好感度」よりも、「商品を売る人との仲の良さ」の方が2倍も高かった!
とのこと。つまり、人がセールスされた物を買うときは、その商品が良いかどうかよりも、その商品を”売る人”との仲の良さの方が、2倍も大事だったわけです。
だから逆にいうと、あなたが商品を売りたいときは、いきなり商品の話をするのではなく、まずは相手と仲良くなろうとした方がいい、ということですね。商売下手な人は、仲良くなる前に商品を売ろうとしがち。
というわけで、「好意」とは「仲の良い人の要求は受け入れやすい」という話。
で、ここまでを聞くと、「そりゃ当たり前だわな」という話ではありますが、大事なのはこの先。つまり、「じゃあ、どうしたら仲良くなれるの?」っていう話なわけですが、「影響力の武器」では、誰にでも好かれるためのコツがいくつか紹介されております。その中でも代表的なものを3つ、ザックリと拾っておきます。
好かれやすい条件①
見た目
言わずもがなですが、やはり、見た目が良い人ほど好かれます。つまり、イケメンや美女は、イケメンや美女であるだけで他人から好かれるわけです。
受け入れたくない現実ですが、これは死ぬほど大量のデータで実証されております。いくつかデータを挙げますと、
・選挙において、外見が魅力的な人は、そうでない人に比べ、2.5倍の票を獲得する。
(ちなみに、投票者の73%は「見た目は関係ない!」と言っている)
・模擬面接の実験において、採用の決定を決めていたのは、「仕事のスキル」よりも「好感度」だった。
(ちなみに、面接官は、「外見の魅力は影響していない!」と考えていた)
・外見的魅力の高い人は、そうでない人に比べて、給料が平均12〜14%高い。
などなど。
つまり、見た目が良い人は、”見た目が良い”というだけで好かれるにも関わらず、人は「”見た目が良いから好き”とは思っていない」というのが現実、というわけです。
たとえば、車のディーラーや、ホテルの受付嬢、営業職に美女が多いのは、このためです。つまり、自分の相手をしてくれる店員が美人だと、まずその時点で好感度が上がります。そして、「好意のルール」的に考えると、人は好感度が高い相手の要求には従いやすくなります。つまり、美人が商品を売ると、売れる。だから、受付や営業には美女を置く。というのが筋なわけですね。笑
好かれやすい条件②
類似性
「イケメンと美女ズル!」って感じですが、他にも好かれるためのポイントはたくさんありまして、その一つが「類似性」。カンタンに言うと、「人は、自分と似ている人の事を好きになりやすい」ということです。これも当然と言えば当然ですね。
たとえば、最初はあまり仲の良くなかった人でも、「自分と同じバンドが好き」ってことがわかった瞬間に一気に印象がぶち上がる、みたいなことがありますが、まさにこれです。
つまり、人は自分と似ている人を好むわけなので、自分と似ている人からの説得には応じやすい、という事が言えます。
また、これの逆を言うと、「”僕はあなたと似てますよ”という事を伝えると要求が通りやすい」という事も言えますね。
で、さらに言いますと、共通点探しに関しては『趣味よりもっと深い話をした方がいいよ』ってことが分かっているので、どちらかと言えば、出身地や趣味よりかは、価値観や生活スタイルが分かる質問をすると良いですね。
たとえば、趣味の話をするにしても、「へ〜ゴルフをやってるんですね。ちなみに、なんでゴルフを始めたんですか?」のように、考え方や生き方などの深いところに踏み込んだ質問をすると良いかと思います。
好かれやすい条件③
連合
この「好意」の章の中でも非常におもしろい概念が、「連合」。これは何かというと、「人は、異なる2つの対象を関連付けて考える性質がある」ということです。もっとカンタンに言うと、「好きなものと一緒にある物は好きだし、嫌いなものと一緒にあるものは嫌いになりやすい」ということです。
たとえば、あなたの好きな芸能人を想像してみてください。もし、その好きな芸能人がとあるシャンプーのCMに出演していたら、そのシャンプーが欲しくなりますよね。買わないにしても、「なんか良さそう」くらいには思いますよね。
つまり、ある物が、自分の好きな人や物とセットになると、その対象に好意が移ってしまう、ということです。
たとえば、テレビのCMって、必ず人気の俳優やアイドルが出てきますよね。ところが、冷静に考えてみてくだい。その商品と芸能人には、一切なんの関係もない場合がほとんどですよね。例えば、”AKB48”と”学割”にはなんの関連もないはずです。だったら、「なんで関係ない人気の芸能人をCMに起用するの?」って話ですが、それはこの「連合」の効果を知っているからです。つまり、「芸能人の人気や好感度を結びつけて、自社の商品を好きになってもらおう」という目的があったわけです。
企業はこれを狙って、youtuberやサッカー選手、アイドルなどに高い広告費をかけていますよね。youtuberが商品をオススメすると、ファンが買ってくれて、会社の売り上げが伸びるわけです。
まとめ
というわけで、第4の影響力の武器、「好意」についてざっくり解説してみました。今回の話をカンタンにまとめると、
・好意のルールとは、「人は、好きな人や、知っている人の要求は受け入れやすい性質がある」ということ。説得する前に、まずは仲良くなること。
・好かれやすい3つの条件
①見た目
→イケメンや美女が売る商品は売れる
②類似性
→「僕はあなたと同じですよ」というメッセージを伝えると、好かれやすくなる。
③連合
→好きな芸能人がオススメしてるものは欲しくなる
という感じですね。
今回の覚えておくべき点としては、「その好意は本物か?」というところかなぁと思いますね。たとえば、詐欺師は「好かれれば要求が通る」という事をよく知っているので、意図的に共通点を出してきたり、有名な芸能人の名前を例に出すことで、距離を縮めてこようとします。ですので、大切なのは、「この車を買おうと思ったのは、美女が接客してくれたからではないか?」「自分がこの商品を良いと思ってるのは、イケメンがCMに出てるからじゃないか?」と考えることかもしれません。
そんなわけで、今回も、最後までお読み頂きありがとうございました。
次回は、第5の影響力の武器である「権威」について解説しようと思っております。次回もお楽しみに。
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