英検1級合格体験記<第4話:一次試験本番~頻尿という伏兵~>
2022年3月に英検1級に一発合格しました。受験を決めて合格までの約3カ月の軌跡を、勉強法や本番の雰囲気なども交えながら、脳内関西人・富田氏(仮名)と林氏(仮名)の会話風でお届けします。
(第3話:ライティング対策 の続きです)
第4話:一次試験本番
富田: 本番はどんな感じ?
林: 質問がばくっとしとるなぁ。聞きたいことをちゃんと言語化せい。
富田: ピリピリしてた?
林: お前の言語化レベルがよう分かった。まぁ試験やから、まあ緊張感はあったな。マークシートとかも久しぶりやったし。過去問はやってたけど、リーディング、ライティング、リスニングを分けて解いてて、135分ぶっ通しは本番が初めてやったから、集中力が持つかどうかは心配やった。
富田: 休憩なし?
林: ぶっ通しや。おまけに、おれ、トイレ近い方やから、「膀胱力」も心配やった。
富田: 膀胱力ってなんやねん!って意味は分かるけど。「力」って付けたら何となく意味通じる日本語すごいな。でも、最近は終活とか推し活とか、「活」の方が流行りやで。
林: 「膀活」ではさすがに意味通じへんやろ。
富田: ボーカツ。100人おったら100人が長い棒状のトンカツを想像するやろな。途中でトイレ行かれへんの?
林: リスニングの際中以外は行ってもええけど、その分、時間ロスするやん?サッカーみたいにロスタイムも無いし。特に寒い日は、俺の膀胱力は90年代の阪神並みに弱いんやけど、試験、1月やん?いっちゃん寒い時やん?事前説明も入れたら3時間半くらい休憩なしやから、まぁ無理かな思たね。
富田: 途中でトイレ行ったん?
林: 3~4人がトイレに駆け込む中、俺の膀胱は平然としとったね。
富田: どうやって膀胱力鍛えたん?
林: 朝から水分控えめは当然として、実は特効薬を見つけてん。
富田: そんなん有んの?
林: なんと、ロキソニンが一時的な頻尿解消に効果があるらしいねん。腎臓への血流を抑制するとかで。
富田: マジで!?ワクチンの副反応の時に飲んだやつや。
林: 試験開始30分前くらいに飲んだら、試験終わって家帰るまで、5時間余裕やった。
富田: テキメンやん。
林: ロキソニンの効能に「膀活」は書いてへんから、あくまで自己責任やけどない。
富田: 他に本番ならではのエピソード無いん?
林: リーディングとライティングは好きな順番でええって言うたやん?
富田: 好きなもの先に食べる話やな。
林: 嫌いなもん先やなかったっけ?まぁどっちでもええけど、俺はリーディングから解いていく派やねんけど、隣の人が、ライティングから解き始める人やってん。そしたら、手書きのコツコツというかカリカリというか、あの音が気になったな。
富田: 手書きなんか久しくやってないな。集中してる横で、その音は確かに嫌かもな。
林: 「俺が全然手をつけてないライティングに、あの人はあんな書いてる」という焦りも出てくるし。
富田: その人はリーディング全然やってないねんから、おあいこやけどな。そもそも、その人と勝負してる訳でもないけど、焦る気持ちは分かる。
林: あと、おれはリーディングから解くって言うたけど、実は、最初にライティングのお題をチェックして、構成だけ考えてとくねん。3分くらいで、賛成か反対かと、その理由3つをメモしとく。そしたら、あとは構成にしたがって肉付けしていくだけや。リーディングの途中もボスキャラの姿・形が分かっているから、無駄に怯えなくて済むねん。
富田: なるほど。隣の人のコツコツカリカリ対策にもなるな。
林: さらに、リーディングの問題文の中から、ライティングで使えそうな単語とか表現を見つけることができる場合もある。英語の世界では、同じ単語を繰り返し使うとボキャ貧で稚拙と思われるらしく、たとえば、improveって一回使ったら、次に「改善する」って言いたいときはenhanceを使うとか。そういう意味では、リーディングの問題文は、ボキャブラリーの宝庫やねん。
富田: 同じ意味でも、いちいち違う単語使わなあかんって、知ってることは見せびらかしたくてしゃーない文化やねんな。で、一次試験は無事に合格したと。
林: せやね。3つ理由をひねり出せるか心配やったライティングも、「Should investment in technology be a bigger priority for governments?」っていう、割と書きやすいテーマやった。テクノロジーは、①経済を拡大する、②環境問題の解決につながる、③労働力不足を解消する、という理由で賛成の立場で書いてんけど、1個失敗したんは、①の具体例で、GAFAみたいなテックカンパニーが経済を牽引していると挙げてしもたこと。よう考えたら、これは政府の投資とは関係なかった。見直しの時に気づいて、あまり大幅な書き直しもでけへんから、政府の補助金でスタートして世界経済を牽引しているテックカンパニーもある、と書き直してんけど、たぶん嘘を書いてしもたな。
富田: それ、点数に響いたん?
林: ライティングは、内容・構成・語彙・文法の4要素がそれぞれ8点満点で評価されんねんけど、内容6/8、構成7/8、語彙7/8、文法7/8やった。内容の減点につながったと思う。
富田: タイピングと違って、手書きやと大幅な書き直しでけへんのが辛いな。
林: 書き始める前にちゃんと構成考えとかなあかんな。真っ白な解答用紙を目の前にすると、ついつい早く埋めたなるけど。あと、普段はタイピングでスペルチェックしてもらうことに慣れてるから、スペルも最初は間違えることが多かったわ。
富田: 読めても書かれへん漢字が増えてんのと一緒やな。
<第5話:二次試験対策に続く>
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