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「POOLO JOBで趣味をマネタイズ」YUNO-adventure インタビュー

長野県で生まれ育ち、現在は東京でエンジニアとコンサルティングの仕事をしている26歳。趣味は帆船、バイク、バックパック旅と幅広い。
2020年から帆船Amiのクルーとして活動し、現在はSNSを活用し帆船Amiの知名度を上げる活動をしている、YUNO-adventureさん(以下、YUNOさん)へインタビューさせていただきました。



日本に4隻しかない帆で風を受け、動く船 ー 帆船

帆船Ami

ーー帆船Amiについてお聞きしたいと思います。
クルーになってから4年程とお聞きしましたが、帆船Amiを広めたいと思ったきっかけなどあれば教えてください。

 YUNO:きっかけは今年の1月に行ったクラウドファンディングです。施設の老朽化とクルーの高齢化が課題で、このままやっていたら残らないんだろうなと思い、これらを解決したかったのがきっかけです。

帆船Amiとは
帆船Amiは、1990年11月、当地沼津で青少年のトレーニングを目的として誕生した、日本では数少ない2本マストのトップスル・スクーナーです。誕生時の名前は「海王」、その後、時代の変遷を経て「青雲」と名前を変え、2006年7月からは「帆船Ami」としてその姿を駿河湾に浮かべています。

静浦発、駿河湾を走り抜けるトップスルスクーナー 帆船Ami


ーークラウドファンディングはどのような目的で行ったんですか?

YUNO:僕がクルーとして乗ってる帆船Amiのマスト修理代です。誕生から35年経っていて古いんですが、歴史的価値もある日本でも唯一無二な帆船なので残していきたい。無事、100万円の目標を達成できました。叔母が頑張ってくれて。僕はそんなに力になれなかったんです。だから、もっとうまくやるためには、最初から影響力っていうのを持っていれば、やっぱ違うんじゃないかなと。


ーー帆船に興味を持ったのはいつ頃からですか?

 YUNO:大学時代、ヨットをやっていたんです。僕はレースに出ていたんですが、八景島を拠点に、レース時期は葉山に行って、1ヶ月くらい滞在してレースに参加していました。大学の卒業が近づいて、ヨットをやめて引退するのは嫌だなという思いがあって。
ある日、叔母から伊豆の方で船の体験ができるらしいよ、と誘われたんです。大学4年の12月に初めて帆船Amiに乗せてもらいました。そのときは、沼津から 戸田へだへ行ったんですが、戸田でバーベキューをして、タカアシガニなど現地のものを食べさせてもらい、それが凄く楽しくて。船で旅をすることが面白いな、という感覚が生まれました。

帆船Amiにて帆を上げている様子
海図を使い航海計画を行っている様子


ーーYouTubeにあげられている帆船Amiについての動画を見させていただいたのですが、動画に映ってる方たちはご高齢だなという印象を持ちました。動画に映っている方たちが、いつもいるクルーなのでしょうか?

 YUNO:そうですね、中心になってるクルー達です。今の体制だとお給料を出せていないので、時間とお金に余裕のある方でないとクルーを続けられない、となるとどうしても高齢化になってしまうんです。
帆船Amiとしてちゃんとお給料を出せない状況だとクルーを雇えないので、20代や30代の若い人はなかなか集まらないですね。なので、帆船Amiに関しての最終目標としては、お給料を出してクルーを雇えるようになることです。
今、日本には帆船が4隻あるんですが、その中で帆だけで走れる船って多分Amiだけなんです。他の帆船は人手不足とか資金不足とか、いろんな問題で無理なんです。



資金不足で趣味を諦めなくて良い構造を作りたい


ーーPOOLO JOBへ参加した理由を教えてください。

YUNO:自分から発信する力をつけたいというのが理由ですね。今年の1月に行った帆船Amiでのクラウドファウンディングをきっかけに、SNSへ力をいれなければいけないなと感じ、ちゃんと勉強したいなと。
あと、元々自分の中にあるものをマネタイズしたり、帆船でも活かしたりしたいなというところも、POOLO JOBに入った理由です。

POOLO JOBは、旅を仕事の1つにするトラベルクリエイターコースです。3ヶ月間、旅先の経験をコンテンツ化する力と発信力を磨きます。スキルの基礎は、ライティング、写真、SNSブランディング力。実際に旅を仕事にするトラベルクリエイター講師の講座や、プロ編集者の添削サポート付きの課題などに、月30-50名の仲間とともに、月あたり約70時間ずつ取り組み続けるあたらしいコミュニティです。


ーー講義を受け始めてご自身で変わったなと思うところや、受講前との印象のギャップなどありますか?

YUNO:本を読むとか、ニュースを見たりとか、読むことが好きなんですけど、それをアウトプットするとなると、躊躇する部分がありました。でも、今は躊躇することが少なくなってきたかなとは思います。今まで読んできたものが生きてるな、と感じますし、圧倒的にアウトプットの量が変わりましたね。
ギャップは特にありませんでした。

ーー「マネタイズしたい」とおっしゃってましたが、それは帆船Amiに関してでしょうか?

YUNO:いや、帆船Amiは一つの事業として考えていて、まあ、クルー兼趣味という感じです。僕、バイクが好きで、あとは海外旅行も。こういう趣味の部分もちゃんとお金が発生するようになって、今までよりも長く滞在できたらいいな、というイメージです。
今、好きで趣味でやってることも、お金を稼ぐ手段になればいいなと考えています。資金不足で趣味を諦めなくて良くなるような構造を作りたいなと。

YUNOさんの愛車 GB350



気の向くままに、ぶらり一人旅


ーー海外旅行も趣味とおっしゃってましたが、今までの旅の中で印象に残っているエピソードはありますか?

YUNO:1番楽しかったのは、ベルギーの第2の都市であるアントワープという港湾都市に行ったときです。グーグルマップを見ていたら、たまたま「小便少女」と出てきたんです。なんだそれと思って、街を探検して見つけ出したのは結構楽しかったです。

ーー小便小僧は聞いたことありますが、小便少女とは初めて聞きました。

YUNO:いるんですよ、小便少女。小便小僧と関係があるかどうかまでは歴史を深く探求できてないんですけど(笑)。でも、小便少女おるんや!という、発見が面白かったですね。

アントワープの街を探索し、見つけ出した小便少女

ーー旅行に行くときは計画を立てずに行くことが多いですか?

YUNO:僕は常に移動しながら旅行するスタイルなんです。拠点を作らないで、常に移動し続けるんですが、交通機関の手配と宿の手配は必要になるので、そこには絶対縛られちゃいますよね。だから計画的にやってるけど、計画の範囲内で適当です。美術館とか博物館が好きなので、これらは事前に予約して行ったりもします。


歴史や文化への興味を追い続ける


ーー今後のライフスタイルの目標がありましたらお聞きしたいです。

 YUNO:そもそもIT業界入ったのは、船に乗りながらノマドして、どこでも稼げるようになりたいというのが動機です。春秋は船の上で仕事して、夏は暑いので東京か北海道に戻って仕事する。冬はマタギの修行をしたいなと考えています。

ーーマタギとはなんですか?

YUNO:東北地方とか北海道で、厳しいしきたりを守りながら集団で狩りをしています。ゴールデンカムイにも出てくる狩人ですね。特別な宗教観を持った、狩人たち。
ご縁があって、奥会津の猪俣昭夫さんという方からお話を聞いたことがあるんです。古い文化とか、誰かが継がないと消えてしまうものに興味があって、やってみたいなと思っています。

引用元:奥会津最後のマタギ | 書籍 | 小学館 (shogakukan.co.jp)


ーーマタギのイメージが湧かないのですが、詳しく教えていただけますか?

YUNO:奥会津から新潟に抜ける奥只見という道があるんですが、二山も三山も超えて熊狩りをしています。いろんな流儀というか宗教的な背景があったり、山言葉という特殊な言葉を使うんです。文化的な背景を勉強しながらやってみたいなと。僕、元は山育ちで、冬の山も好きなので。

ーー歴史や文化があるものがお好きなんですね。

YUNO:美術館とか博物館を巡ることが好きなのも、関係してきますね。狩りには元々興味があったわけではないので、自分でもなんでこんなにマタギに惹かれるのか分からないですけど(笑)。
気になったところを調べているうちに、これっていつか消える文化だよね、と思って。元々、原始的なスキルに関しては興味があって、狩りは密接に関係しているので、マタギに興味を持ったのかもしれないです。帆船も結局、失われつつある技術なので、そういう昔の人たちの技術というものには、興味がありますね。


編集後記


現職のIT関係の仕事や、POOLO JOBで身につ着けようとしているSNSでの発信力など、現代のテクノロジーを駆使しながら、文化や歴史が深い帆船やマタギに関心を寄せるYUNOさん。「一周回って新しいものが好きなんでしょうね」とも語っていた。

彼が興味を寄せる分野は、少し特殊で一般的には馴染みが薄いが、話を聞けば聞くほどこちらも興味が湧いてきてしまいました。彼のSNSで、帆船Amiやマタギ修行の様子を追いかけるのが楽しみです。

お話お聞かせいただきありがとうございました。

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