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ぶちのめされて、光があって、ここからまたはじまる

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GEZAN with Million Wish Collectiveの中野サンプラザ公演。
会場を出ても気持ちが一向におさまらず、一人で中野を彷徨った挙句にリンガーハットで生ビールを2杯飲みながら書いた日記です。
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目の前に広がる光景を前にずっと言葉を探していて、光が言葉になって、やっと形になった言葉をこわしたくなる。

東京、現在、怒り、言葉、音楽、記憶、祈り。ぶちのめされて、光があって、熱があって、振り落とされる、振り落とされる、と手を後ろで組んで、左手首をぎゅっと握りしめていた。
いつのまにか想像以上に力が入っていて、手が汗ばんでいく。

一瞬も見逃せない、見逃したくない、そう思いながら目をつぶって、音だけに耳を澄ませる。振り落とされる、振り落とされる。目の前のエネルギーと爆音に。ドラムの音が心臓マッサージみたいに響く。

自分の中の埋もれていた感情が呼び起こされていく。息を吹き込まれていく。蘇る記憶。傷跡。怒り。音楽に求めていた希望とか、孤独とか。
それらが血液みたいに身体中を駆け巡って、自分の元に返ってくる。

その全部を引き受けた自分で今生きていることを実感する。
耳で、目で、頭で、言葉で。
「何かが起きるか」「何かが起きるって」。言葉を反芻してこだまさせる。
マヒトさんの手から光が伸びて、フロア中の音がひとつになる。ここにいる。音に身を委ねると、きれいに響くようだった。

「ここで空を見て」
光に包まれて、どこへでも飛んでいける。希望が、祈りが、見えるような気がした。

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GEZAN with Million Wish Collective
あのち リリース記念公演
“BUG ME TENDER vol.18 中野サンプラザ 独演”

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