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夢女すごろくは青春やり直しゲーム

アラサー5人で夢女すごろくをやった。
あの時間、われわれはたしかに、““青春を生きた””。

今回遊んだ夢女すごろくは、好きな相手と付き合うことを目指すもの。元々は推しカプすごろくとしてTwitterに上がっていたものを、夢女用に読み替えて駒を進めた。自分と彼との出会いから始まり、二人きりのお出かけ、お泊りハプニングや、不穏なトラブルなどを乗り越え、告白を経て、晴れて恋人となるまでの道のりを描いていく。

いや、描いていくのではない。““実際にあった出来事を振り返った””のだ。われわれが3時間半かけて、ときに頬を赤らめ、ときに手に汗握り、ときに涙ぐみ、ときにクッションで悲鳴を抑え、ときに天を仰ぎながら語り合ったのは、紛れもなく““リアルな恋バナ””だった。

一人は大学生となり、ゼミで出会ったカメラと料理が得意な彼と急接近した若い熱を帯びた恋について語った。一人は高校生となり、ツンデレな後輩スポーツマンとの北国の春らしい優しい恋について語った。一人は社会人なりたての新米プロデューサーとなり、15歳のアイドルとの切なくもまっすぐな恋について語った。一人は高校生となり、中学から片想いしていた彼とのもどかしく甘酸っぱい恋について語った。一人は大学生となり、同じゼミにいる趣味の合う彼との少しダサくてほっこりする等身大の恋について語った。

これが恋バナだ。
思い出した。 これが! 恋バナ! だ!!!!


思い出したっていうか、現実ではついぞしたことがないレベルのキュンしかない恋バナだった。沸いた。あの場にアラサーは一人もいなかった。全員、青春真っ只中だった。

序盤は出会い編。

「えっ……これは、初恋?」
「……うん。彼のことずっと好きで」「私は違ったんだけど、彼は初恋だったみたい」

「ねえ彼のどういうところが好きなの?」
「いろいろあるけど……笑顔かな」「チャラく見えるけど、本当はすっごく真面目なところ!」

「彼の好きな部位とかってある?」
「腕。男っぽくて見ちゃう」「うなじ! 髪の間からちらっとみえるの」

とか言われたらさあ!!!!!!!!!!

\キャアアアアアア/

聞いてるだけなのにすっっっごい照れる。喋るほうはもちろん照れる。すっっっっごいドキドキする。30すぎて友達の初恋の話をこんなにリアルに聞くことある????? ないよ!!!!!!

気になる彼と二人きりで出かける(実質デートする)ことになる。

「初デートどこ行く?」
「水族館。静かに水槽を眺めてる彼の横顔が超かっこいいんだよね」「美術館。彼は絵が好なんだけど、今の彼の友達はそういうのに行くタイプじゃないから、私と行く」「動物園かな。写真たくさん撮るんだ」「観劇に行く。見終わったあと居酒屋で語り合うまでが楽しい」「遊園地! お化け屋敷ではかばってくれて、観覧車に乗るときはエスコートとしてくれるんだよ」

\甘酸っぺえええええええ/

はいもうね、痒い。かゆかゆかゆーーー!!!!!!! みんな隣にいる彼の姿を思い浮かべながら話すから、デレッデレ。ときめきメモリアル!

「デートの別れ際はなんて言うの…」に対して、みんな「また学校で!」「お仕事で!」と明るく解散してた。若くてこじらせてない同じコミュニティ内恋愛の距離感、最高だな!!

初めてのお泊りターンは、健全恋愛ゆえの設定づくり……否、状況説明がなされた。

「突然の豪雨で電車も止まっちゃって。彼の親が泊まっていきなさいって勧めてくれた」「元々、彼の妹とも仲が良かったから、泊まっていきなよって誘われて」「課題が全然終わらなくて泊まり込みになっちゃった」「家のガスが止まっちゃったって焦った電話が来たから、うちにおいでって呼んだの」「本当はほかの友達も泊まる予定だったんだけど、その子が急遽帰らなくちゃいけなくなって、予定外に2人きりになっちゃったんだよね」

高校生組は、彼の実家にお泊りするから、寝る部屋は別。大学生と社会人組も、まだ付き合ってないし、ベッドに一緒に寝たりもしない。何事もなく、文字通り、寝る。まっすぐ清らかな恋です。

実質、彼との初めてのお泊りなのに、わりかしみんなぐうすか寝ててウケた。快眠大事!(男心としては複雑だよね、という彼視点の謎フォローをお互いにしあった。)

ここで、一歩一歩育んでいたピュアな恋に不穏な影が忍び寄る!

「彼が女性と歩いてたとしたら、それは道案内とかの親切心であって、絶対に厄介事ではない」「仲いい後輩女子から、彼のことが好きって相談されるけど、応援はできないって言う」「女子から、彼にラブレターを渡してって仲介役を頼まれたら、そのまま彼に渡す。決めるのは彼だから」「彼へのラブレターを託されたら彼に渡すけど、そもそも彼はそんな大事なことを直接言わない子は好きじゃないと思うから、大丈夫」「ほかの男子から告白されて突然キスされたとこまで彼にみられちゃったら……誤解だってちゃんと訂正する。気まずいままは嫌」「彼が芸能人として人気が出たら、距離を感じて自分からは誘わなくなるかな」「しばらく会えないことになったら、まだ付き合ってないし頻繁に電話とかできないけど、よく食べよく寝てよく動くんだよって伝える」

真面目トーンの恋愛相談になった。涙ぐむな。落ち込むな。彼はいい人だからさ〜〜〜色々気遣ってくれるしさ〜〜〜モテるよね〜〜〜〜けど、思い上がった女にもなりたくないしさ〜〜〜駆け引きなんてできないの、だって初心だから。

みんなが、彼に対してだけでなく、まわりの人にも誠実で素敵だった。

紆余曲折を経て、ついに! ついに!!!!!

「それで!! どっちが告白したの?! いつ?! どこで!!」
「彼から呼び出されて」「卒業式の日に」「文化祭終わりに」「呑み屋からの帰り道に」「夜に電話に出たら、すぐ近くまで来てるっていうから急いで会いに行って」

「で!! 彼になんて言われたの!!!」
「“好きです、付き合ってください”」「私に対して特別な気持ちがあるって言われて」「噛んで全然締まらなかったけど、“付き合わない?”って」

「なんて答えたん???」
「“はい”」「“私も”」「“一緒に成長していこうね”」

\ギャーーーーーーーー!!!!!!!!!! おめでとう!!! おめでとう本当によかったね!!!!!!/

ここは正直、一番盛り上がったんだけど、盛り上がりすぎて記憶がない………トんだ(笑)あまりの尊さに天を仰ぎ、興奮に立ち上がったかと思えば、身悶えして床に倒れ込む。近所迷惑にならないよう歓声をタオルで抑えながら、最後は拍手で祝福した。

めでたい!!! 嬉しい!!! 感無量!!! 幸せ!!!!!

どうやって告白されたかを友達に伝えるの、超恥ずかしい。照れる。変な汗をかいた。そんでもって、私、彼のこと大好きだなあって再確認した。

全員がゴールしたときの幸せに満ちた空気たるや。笑顔が煌めいていた。まぶしかった。熱かったし、暑かった。冷房かけようかと思った。体力を使った。酒がうめえ。

われわれ普段は夢女トークをしない(現実の話はもちろんしない)メンツなので、「友達と恋人」の話を聞くこと自体が新鮮でどぎまぎした。みんな、真剣に恋、してんだな。

私の過去は塗り替えられた。いや、取り戻された。引きこもりしてて留年しかけたことも、クッキングアイドルまいんちゃんの実況から始まり明け方4時までアニメ見てたことも、冷蔵庫の野菜を腐らせたことも、金がなくて水だけで生活したことも、そっちが間違った記憶だったのだ。本当の私は彼とラブラブで、毎日がきらきら充実していた。

そんな、しびれるほど幸福な青春が得られる「夢女すごろく」、おすすめです。


▼すごろくお借りしました。
https://twitter.com/_tadano53/status/1259393016533381122?s=06

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