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書籍『52ヘルツのクジラたち』

「言いたいことが言えないことがあっても良いんだ」
と、思わせてくれた書籍でした。

久しぶりに小説を読みました。
町田その子さんの『52ヘルツのクジラたち』です。


流行りものを滅多に見ず、
あの「鬼滅の刃」さえ未読の私ですが、
タイトルの説明を見て、心を掴まれました。

52ヘルツのクジラとは―他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。

引用元:Google Books/52ヘルツのクジラたち



読まなきゃ、と思いました。


物語には、いわゆる「毒親育ち」をはじめ、
介護問題や児童虐待など、
多方面に渡る社会問題について、
当事者の「52ヘルツの叫び」が描かれています。


リアルな痛々しさを感じながらも、
なぜか癒される、不思議な物語でした。




「言いたいことを言えてないんじゃないの?」

そう指摘されることが多い人生でした。


確かに、自分の気持ちを素直に伝えられるに
越したことはありません。

そのことで、たくさん損をしてきましたし、
迷惑も掛けてきました。


けれど、
時には言えないことがあって良いし、
それで悔しい思いをすることがあって当然だし、
私の「52ヘルツ」を感じ取ってくれる人は
必ずいるんだ、という安心感を、
本書は授けてくれました。


今の時代、誰もが「52ヘルツ」を持っていると思います。
いや、人類が誕生してから今までずっと、
「52ヘルツ」はずっとあったのでしょう。


2021年本屋大賞受賞も納得の一冊でした。

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