魔女の森のおひめさま18 #物語
どどどどど。
熱さや柔らかさよりも先に鼓動が伝わる。
どどどどど。
いつもいつも私の事へ悪態をついていたその
唇にもうっすら染みができている。
ごぐ。
どどどど。
とと。
と。
とっ。
全身びっしりと濡れていた。
どれほど感覚が遠ざかっているのか不思議に
思っていた。
簡単に手に入るものは何も価値が無いと
昔この女に習った。
だからこんなもんでは済まされない気がした。
はっ、と我に帰ると渋谷の美しい街並みを見渡したガラス張りのオフィスで、沢山の胡蝶蘭に囲まれて受付をまっていた。
ずいぶんな時間この、白昼夢にまどろんでいたらしい、身体は強張り冷えた汗が体の体温を
ただただ奪っていた。
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