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生き直す決意をした。


こんにちは☺️児童養護施設出身、少年院出身の青年自立サポート団体 NPO法人スマイルリングでの日常をnoteします。


ある青年の物語。


小学生の時、めちゃくちゃに暴れた事がある。

今まで普通に付き合っていた

周りの友達の

自分を見る目が

明らかに変わったのが分かった。

“一目置かれる方法”を覚えた。


そんなに身体が大きい訳でも無い。

飛び抜けて腕っぷしが強い訳では無かったから、

喧嘩で“勝つ”為には、手段を選ばなかった。


青年になると、

なんだか“ノリ”で暴走族の総長となり

暴力団の一員となった。


身体に刺青を彫り、

少年院に入り。


薬物依存症になり、
刑務所にも入った。


周りを恐怖で押さえつける。
そんな生き方だった。



刑務所に入っている間に

両親が亡くなった。



母親が何歳かわからなかったし、


母親の誕生日がいつなのかも


覚えていなかった。



俺は一体何なんだ。

何のために生まれてきたんだ。

自分が生きている事は

世の中の害悪でしか無いじゃないか。


“その時、自殺しようと思ったんだ”

 と彼は言った。


でも

刑務所の中の仲間達に励まされて

彼は生き、出所した。

29歳になっていた。


結婚し、子供が生まれ
チンピラ稼業に別れを告げて…。


土木作業員となり、
汗と泥にまみれ、働く毎日になった。


『これが幸せというものなんだ

子供の寝顔を見ながら

自らに言い聞かせ


ああ…。こうやって人生が終わっていくのか


幸せではあるものの

もう少しだけ何かが足りないような、

そんな気持ちだった。


ある日テレビを観ていたら

川嵜タツキ”というボクサーの

ドキュメンタリーをやっていた。


川嵜タツキの青春は、

彼ととてもよく似ているものだった。


暴力団

薬物依存

入れ墨…。


壮絶な過去を乗り越えて

リングに立っている川嵜タツキという人に

心の底から感動した。


この人に会いたい


それからしばらくして

刑務所で知り合った友人から電話があった。


ねぇ、川嵜タツキって、知ってる?


鳥肌が立った。

友人は、中学時代の

川嵜タツキの後輩なんだと言う。


お願い、会わせてくれ!!


矢も盾もたまらず、

東京へと飛んで行った。


川嵜タツキは

本当にこの人、昔悪かったの?” 

と思うぐらい、

暖かくて優しくて、

とても楽しい人だった。

周りにいる人が、

その人の側にいるだけで幸せな顔になる。


いっぺんでその人柄に惚れ込んでしまった彼は、

川嵜タツキに

アニキと呼んでいいですか…?』と

お願いした。

この人に付いて行こう

そう決めた。


竜希のアニキは彼に、何度も言った。


これだけは覚えておいてね。

 本当に強い人は、優しいんだよ


初めはよく意味が分からなかった。

ずーっとその意味を考えた。


考えて考えて考えて…。


彼は今、

児童養護施設や少年院出身の青年達を

守る活動をしている。

生き場・行き場所の無い彼等と共に

働ける会社も作り、一緒に汗を流している。


どんな子も”、受け入れている。

青年達を選別する事は無い。


かつての自分のように、


何の為に生まれてきたのか。

 自分に価値など無い


と思っている青年達にとって、

彼はとても強くて頼もしい存在であり、

優しく、面白く、

“竜希のアニキ”のように

一緒に居るだけでワクワクする人である。


彼の背中を見て

『頑張ってみようかな…』

青年達は、前を向く。


それが、

NPO法人スマイルリング

代表 堀田豊稔(ホリタトヨトシ)

かつての非行少年の

今までの物語である。


堀田は今、46歳。

今年6月から

合同会社スマイルリングを設立し、 

青年達と賑やかに、

毎日ハプニングを続出しながら

真っ黒になって働いている。


私はいつも彼を見ていて思うのだが、

“生き直す決意”を貫いてきた

その一人の“思い”が

こんなにも多くの人、青年達の人生に

影響を与える事が出来るのだ。


『トヨさんのようになりたい』と、

昨日も一人の青年がオズオズと言った。


なれるよ!!絶対になれる!!


私達の関わる青年、一人一人に

これからどんな物語が紡がれていくのか。

私は本当に楽しみにしているのだ。

人生は物語✨
NPO法人スマイルリング
理事 ののむら ちあき😁

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