パーキンソン病と感覚変化についての理解
皆さん、こんにちは。私は、診断早期のパーキンソン病の方へ運動指導をしています。
前回の記事では、運動の継続の必要性についてお伝えしました。
今回はパーキンソン病(PD)について、特に感覚の変化に焦点を当てたお話をしたいと思います。
今回の情報は、パーキンソン病と診断されて5年以内の方や、まだ体が動けるからリハビリテーションは必要ないと思っている方、そしてご自身で動き辛さや姿勢異常に気がついていない方に特に向けています。では、一緒に理解を深めていきましょう。
パーキンソン病における感覚変化って?
パーキンソン病は主に運動機能に影響を与える疾患として知られていますが、実は感覚機能にも影響を及ぼします。感覚機能に影響を及ぼすことはあまり知られていません。具体的には、次のような感覚が変化する可能性があります。
触覚: 触った感覚が鈍くなることがあります。
侵害受容性(痛み): 一部の人は痛みを感じやすくなるかもしれません。
熱感覚: 温暖や冷たさの感覚が変わることもあります。
固有受容感覚: 体の位置や動きを感じる感覚が変わることがあります。
なぜ感覚が変わるのか?
感覚の変化は、主に脳の大脳基底核と呼ばれる部分でのドーパミンが減少することによって引き起こされます。このドーパミンの減少が感覚情報の処理を混乱させ、正確な信号が送られなくなるためです。
ドパミンの薬物療法と脳深部刺激の役割
現在の治療法では、薬物療法や脳深部刺激が体性感覚機能の改善に寄与することが報告されています。これらの治療法は、感覚の変化を少しでも和らげる助けとなるかもしれません。
早期の段階での感覚変化
パーキンソン病の感覚変化は、病気の早い段階でも現れることがあります。感覚が鈍くなったり、痛みを感じやすくなったりした場合には、病気が進行しているサインかもしれないと考えられます。
早期からのリハビリテーションの重要性
感覚が変わることで、自身の体の動きや姿勢に気がつきにくくなることがあります。しかし、これらの変化に早く対処することは非常に重要です。リハビリテーションは、体の機能を維持するだけでなく、感覚の変化にも対応するための重要な手段です。
感覚の変化に気づいたら、その状態に適した治療法やリハビリテーションを受けることで、日常生活の質を維持することができます。ぜひ、一度専門医や理学療法士と相談してみることをお勧めします。
もし相談する方がいない場合はお気軽にご連絡ください。
小川順也
(理学療法士/LSVT BIG認定療法士/PD療養指導士)
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