ウチの子 発達障害!?vol.71~75
vol.71「息子はイライラのはけ口ではない」
中学生になってからは、たまたま席が近くになった子とトラブルになることが多い。息子にも少しは原因があるが、状況を聞くと相手のイライラをぶつけられていることが多いようだ。私が以前から一番心配していた、「イライラをぶつける標的にされること」が中学生になってからは次々に起こっているようにも思う。
息子は普段から飄々としていて、悩みもなさそうに見えるのだろう。中学生にもなると親から「勉強しろ」と毎日言われてイライラし、息子のような子を相手にイライラを発散する子もいる。自身のストレス解消のためだけに息子をからかっているのなら許せない。その思いは面談で先生にも伝えてきた。
しかしトラブルは悪いことばかりでもない。一緒になってからかう子は一人もいないし、「やめろ」と言ってくれる子もいる。息子も言われてばかりでなく、少しは言い返せるようになってきた。見た目は強くなくていいけれど、心は強くたくましくなってほしいと願っている。(2017.1.19)
vol.72「怒りのコントロール」
年明けにアンガーマネジメント(怒りをコントロールする方法について)の講座を受けた。アンガーマネジメントとの出会いは、通級指導教室親の会の役員だった5年前に遡る。「日本アンガーマネジメント協会」代表のテレビ出演の様子を見た役員が感銘を受けて、親の会主催の講演会にお呼びすることになったのだ。講演会では、約2時間という限られた時間の中で、怒りのコントロール方法について具体的にお話しいただいた。当時の私は、自分の子育てを変えようと試行錯誤中でいろいろと思い悩んでいたが、終盤に「怒りの連鎖を断ち切ろう」という一文がスクリーンに大きく映し出されるのを見て、これを目標に頑張ってみようと思った。
またいつか講座を受けたいと思ってから5年、ようやく受講できた。以前より怒る数は減ったと思うが、まだ私は些細なことでイライラしていると改めて思った。イラッとした時に、一呼吸おいて「これってそんなに怒ることなのか?」と考えられるようになりたい。怒りの許容範囲を広げていきたいと思っている。(2017.2.21)
vol.73「他人に悪く利用されないように1」
担任の先生から電話があった。「○○がお前の悪口を言ってるぞ」と何人かの子に言われて、本当かどうかを確かめに○○君のところに行ってケンカになった、ということが同じ日に二度も起きたそうだ。話を聞きながら、怒りが湧いてくるとともに、このようなトラブルが以前にもあったことをふと思い出した。
先生から「怒らないでやってください」と言われたので、息子を怒ったりはしなかった。でも同じことが何度も起こるのにはきっと何か理由があるはずだと思い、息子にどんな状況だったのか、誰が悪口を言っていると伝えに来たのかなど、いろいろと詳しく聞いてみた。
すると実は、悪口を言っているという○○君は息子の悪口など言っていないことが分かった。そして○○君はクラスの中心グループの子で、「悪口を言っている」と息子に告げ口に来る子も同じグループにいることが分かった。おそらく息子はこの中心グループのいざこざに巻き込まれているのだと思った。(次号に続く)(2017.3.21)
vol.74「他人に悪く利用されないように2」
(前号の続き)以前にも書いたように、息子はからかいの対象になりやすい。だからクラスの中心グループの中で、「○○の奴、ムカつくな」と思う子が出てきた時に、「○○が悪口を言っている」とありもしない話をでっちあげ、息子を使ってケンカさせて面白がっているのだと想像できた。
そこで息子には「悪く利用されている」ということを伝え、今度同じことが起こった時の対処方法をいくつか覚えてもらった。理由が分からなかった時は「そんなの無視しておけばいい」と簡単に言ってしまっていたが、一人だけでなく何人かに言われたら誰だって不安になるだろう。
それにしても息子に嘘を吹き込んで面白がっている行為は許しがたい。一人一人は別にイヤな子というわけではないのに、複数になると強い者に媚びて一気にイヤな子になる。どうにかならないものかと思うが、大人の世界でもよくあることで、そういう親を見て子どもも育っているのだからどうにもならないのだろう。息子には噂に左右されず強く生きてほしい。
(2017.5.8)
vol.75「友達って必要?」
学校で息子のことをしつこくからかってくる子がいるようで、先日は「○○ってさ、友達いるの?」とわざわざ聞かれたという。息子にはいつも一緒にいる友達がいないので、それをバカにしたいのかもしれないと思った。
確かに小さい頃から息子は、大好きな鉄道の話で気が合う子がいるとよく話すが、その子と四六時中一緒にいるということはなかった。遊ぶ約束も数えるほどしかしてきたことがない。他人に縛られるのは嫌なのだろう。通級で知り合いになった鉄道好きの子とも中1の終わり頃に初めて一緒に撮影に出かけたくらいで、「友達」というものに全く執着がない。
かといって学校で一人寂しくしているわけでもなさそうだ。学年関係なく、息子は「面白い人」として知られている。そして息子を見るといろんな人がかまってあげたくなるらしい。からかわれるのは困るが、飄々と自由に生きているところはわが子ながらすごいなと思う。(2017.5.29)