いじめを通して、僕は。
「あいつってなんかうざくね?」
そんな一言から始まったいじめは、彼の心をだんだんとむさぼっていった。
僕には小さい頃から仲良しのA君がいた。
一緒の保育園で、一緒の小学校で、お泊まり会もして楽しかった。
でも僕はAの支えになることはできなかった。
小学校6年生の時のある日、僕のクラスの中心の男の子、B君は言った。
「あいつってなんかうざくね?」
ああ〜確かに。わかる。なんかね。
周りも便乗するかのように、口を合わせて言った。
「お前もそう思うよな?」
ふとBくんから発せられた質問に、僕は「うん、」と拙い返事をしてしまった。
怖かった。
とても。
ここで周りに合わせず発言をしたら、自分がそういうことを言われるようになってしまうんじゃないか。
嫌われてしまうんじゃないか。
しかしそんな言葉はどんな理由があろうと言ってはならなかったと、今になってはすごく思う。
B君がそんな発言をした日から、だんだんとクラスの人はAくんに冷たくなって行きました。
最初は陰口から。
徐々にエスカレートし、Aのものを隠したり投げたり。
僕は教室の端の席で見ているだけで、止めようとはしなかった。
「中学生になったら何する?何部はいる?」
Aはすごく優しかった。
いじめられる前までは一緒に帰ったり、中学生になったらこうしたいね、だとか
いろんな話をし合った。
でもいじめられてきた時から一緒に帰ることは無くなったし、話をすることもなくなってきた。
ある日を境に、彼は学校に来なくなった。
1人でのそのそと学校から帰る途中、彼の家を見るたびに胸が罪悪感でいっぱいになった。
何度も謝りに行こうとした。
けど行かなかった。
怖かった。
自分がひどいことをしておいて何を言ってるんだと。
彼の方がよっぽど苦しく、悲しい思いをした。
そう自分に言い聞かせながら、彼の自宅のインターホンを押した。
ガチャ、となる音とともに彼の母親が出てきた。
「ごめんね、今はちょっと会えないみたい。でもあなたは悪くないって、言ってたよ。いつでも戻ってきていいからねって言ってたよ。」
「…はい…すいません…ほんとにすいませんでした…」
そう言って僕は、家にとぼとぼと、泣きながら帰った。
それから数ヶ月して、彼は引っ越した。
遠く離れたところで、新しい生活を営んでいるだろう。
「いつでも戻ってきていいからね」
そんな彼の言葉に僕は、自分のしてしまったことの重大さを改めて強く感じた。
この話はフィクションです。
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皆さんこんにちは、笑顔君です。
「いじめを通して、僕は。」
いかがだったでしょうか。
近頃ニュースなどにもなっているいじめ。
SNSなどによる誹謗中傷や、集団でのいじめ。
私には関係ない。そんなことはしない。
そう思っている人に強く改めて、自分の日頃の発言や、発信を見直してほしいと思って書きました。
上から目線ぽくてなんか申し訳ないですが、これからの生活、見直してやっていきましょう!
読んでいただき、ありがとうございました😊
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