差別的な上司に「(発達障害の人が)働きやすい職場にしたいんだ」と言われて絶句した話
昔のことなんだけど、発達障害クローズ就労をしている身として、職場で個人的に辛かったことを書きます。内容はタイトル通り。
いい話じゃないので、ショックうけそうな人は読まないでください。
職場で個人的に辛かったこと(メインの話)
当時の私は発達障害は未診断で、でも自分はそうなんじゃないかなあと思っている…という段階。
そして私の下には、障害者雇用ではないけど発達障害っぽいなあとか、休職してたと聞いてるけど鬱とか心の病気系だったんだろうなあ、って方が複数いた。
後から知ったんだけど、彼らは他の部署で「使えない」と言われた人たちで、上司は意図的に私の下につけていたらしい。なぜかというと、そういう方たちも私のチームではさしたる問題なく働けていたから。
私のチームは、「厄介払い部屋 兼 リハビリ部屋」だったのだと思う。(ある人がやっと使えるようになってきたと思うと他部署に取られていく、というサイクルが繰り返されていた…。)
ある日上司に呼び出されて、こう言われた。
「八兵衛さん、君は他部署で勤務態度に問題があるとされた社員を引き取って教育するのが上手だね。」
「本当に良いことだと思うよ。私も君と同じ考えだよ。これからの企業には、多様性が重要だと言うだろう?」
「私達のような優れた人間が、彼ら…明らかに特性のある、劣った人間を支援してあげないとね。」
「ああした(発達障害の?)人たちでも、働きやすい職場にしたいんだ。協力してくれるね?」
一瞬、頭が真っ白になった。
この上司、優しいことで有名な人だったので。
そう来るとは思わなかった。
「…多様性は重要ですね。誰でも働きやすい職場にしていきたいですね。」と答えるのが精一杯だった。
私は彼らのことも自分のことも、優れてる劣ってるとは考えていなくて。
それぞれ会社の既存ルールにはあてはまらない、細かな配慮を必要としていたけれども、私にとっては「あー、わかるわかる」って感じだったし。
というか、私からしたら定型発達の人たちこそが「何を考えてるかわからない、特殊な配慮」が必要な相手だったので。
わかんないのはお互い様でしょ!色んな人がいればそうなるでしょ!その中でお互いうまくやってくのが多様性!と思ってた。
まさかそんなふうに見下されていたとは。。。
本当はオープン就労したいんだけど、こんな世の中だからクローズ就労しか選べない。
子供達を育てられるだけの給料・待遇を得るには、現状わたしの能力的にクローズ就労しか選択肢がない。
子供たちが大きくなる頃には変わってほしいと思って、親しい人・わかってくれそうな人には色々な話をしてるけど。まだまだですね。
ここでメインの話は終わり。ここからは愚痴と、当時私が「彼ら」にどんな配慮をしていたかの話です。
(こういう「これから何を話すのか」の予告もしないんだよこの上司は。私からすると、テーマを明らかにしないまま話をダラダラ始められると集中できない。できれば何分程度で終わるのかも言ってほしい。)
いち発達障害者として、働きにくさに対する愚痴
言わせてもらえばですね、この上司の指示は私からしたら不正確なんですよ。
「このスライドきれいにしといて」とは何だ。「きれい」って何だ。
「フォントをすべてメイリオに統一して、タイトル24ptで本文18ptで注釈9ptにして、すべての図形を等間隔に並べ直してサイズも統一して、すべての数字が最新かとその出典記載を確認・更新して、色は本文黒・強調ブルー・アクセントオレンジにして(カラーコードも指定して)」と指示しろよ!と思う。
そうしないから、「特性あり」の仲間がフリーズしちゃうし、あなたも後で怒鳴ることになるんでしょ。扱えないなら管理職として相性が合わないことを早々に認めて、その人を他の部署に回してよ。環境次第なんだから。
でもいいんですよ。私はプロの八兵衛なので、「きれいにしといて」でご対応いたしますけど。常に「どうしたらいいのかなあ」という混乱と、「これでいいのかなあ」という迷いと戦い続けて脳みそぐちゃぐちゃ疲労困憊ですけど。
他にも色々あるけど書ききれないし、当事者の皆さんはわかってるらっしゃるだろうからここまでで。
当時私が「彼ら」にどんな配慮をしていたか
配慮したいな!って優しい人も読んでるかもしんないから一例を書いとく。
でも私自身が当事者だから、自然とやってることが多くて明文化できてないかも?(「こういう人がいて困ってます」って言われたら、「それはこうしたらいいかも」って言えるんですけどね。
あと、この配慮が一律全員に適用できるわけじゃないのは注意してください。このリスト自体、複数の方へのものが混ざってます。
まず、「私には怒る機能がないです。いままで職場で怒ったことは一度もありません。気になることは100回でも200回でも質問してください。質問や相談を受けることが私の仕事です。あなたの質問時間中、私にはお給料が発生しているので気遣い不要です。」と言っておく
話しすぎを気にする人には、「時間制限があるときは先にも言うし、途中でもそう言いますし、時間終了だからまたXXのときにと言って勝手に消えたりしますので気遣い不要です。」と言っておく
遅刻早退中抜けは気にしない、後で情報共有したらいい。(というか、全員が知っておくべき事項は必ず文書化してイントラに上げるし。)
曖昧な指示はしない。(というか、私には難しい。曖昧な指示を要求するタイプの人がいると緊張する。)「機器を洗浄してください。」ではなく、「このディスクを、この布で、30回こすってください。その後、見せに来てください。」と言うイメージ。
口頭のみの指示はしない、なんでも図で示すし、文章にも残す。
一週間や一ヶ月のトータルで規定量をこなせてれば、1日単位のプラスマイナスにうるさく言わない。
本人が嫌なら、挨拶すらしなくていい。(基本的にこちらからは挨拶するけど、嫌そうなら「集中してらっしゃる?近くを通ったときの挨拶、やめてみましょうか?全然いいですよ、他にもそういう方いらっしゃいますし」って言う)
一緒にランチも行かなくていい。(私の認識では、それは仕事の一部ではない。)
どうしても電話がかけられない人の電話は代行する。(普段のコミュニケーションはメールかチャット。)
仕事を属人化させない。ファイルはすべて共有にする。
手が止まってんな〜と思ったら、私から様子伺いする。
褒めるときの評価は数値で明確に。上げてくれた成果に心から感謝する。
叱ることはしない、その必要ないし意味もないから。何か変える必要があるなら、いつも頑張ってくれてありがとう→ところで、今こうなっているが、今後こう変えたい→どうしたらできそうか一緒に考えたい(できないなら仕事交換したりもOK)
(これは会社員として?部署の利益を考えると?禁じ手かもだけど、他部署にもっと合うポジションがあればこっそり移動をお勧めして便宜をはかったり。転職もあり。これで元気になる人は、実はかなりいる印象。元気な人が多い社会がいいじゃない?)
以上。ここに書いたことでこの件は成仏させます。
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