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文章を書くということ①

 文学少女と言われていた時期があった。
その響きに自分でも心地よさを感じて、読書だけでなく、いつからか詩や物語を書くことが1人時間の大半を占めるようになっていた。
 中学生時代は書くことがとにかく楽しかった。同じ趣味の友人を見つけて、物語を交換し、互いにイメージを膨らませて登場人物のイラストも描くようになっていた。
 本来、アニメやSF、推理小説が好きだったから、書く物語はどれも現実味がない空想世界のものが多かった。ただ、それで現実逃避しているわけではなく、むしろ逆に現実が明確化されていたかもしれない。
 私がどこか、自分のことさえ客観視してしまうのは当時の影響が大きいのかもしれない。
 この頃の私は、次々に湧いてくるイメージが抑えきれずに毎日ペンを走らせていた。
 高校生活では、物語を書く時間が減り、逆に絵を描く時間が増えた。だが、よくある"自分より上手い存在"の出現で勝手に自信を失くしテンションダウンしていった。今思えば、習ったこともない絵になぜそんな自信があったのか…。
 変わって増えたのが読書の時間だ。とにかく本を読んだ。国内外問わず古典文学を読み漁っていた。
そのため再び「文学少女」の呼称がつくようになっていた。

 しばらく途絶えていた物語を書くことが再開したのは、20歳をすぎ保健師学校に通っている頃だ。
 本屋で見つけた1冊の雑誌がきっかけだった。投稿型の詩やメルヘンを掲載する雑誌だ。応募すれば自分の書いたものが雑誌にのるかもしれない、というこれまで考えなかった道筋が見えた瞬間だった。
 眠っていた物書きもどきの血が騒いだ。
だが、タイミングが悪かった。国家試験が迫る中、物語も1番ピークの部分を書きたい衝動。結果、どちらも中途半端になり、それ以降また書くことから遠ざかってしまった。

そんな私が、次に書いたのは…②へ

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