「対話」の原点~ゲシュタルトの祈り~
「オープンダイアローグ」は、フィンランドで開発された精神疾患に対する治療方法。
「対話」を中心としたミーティングを重ねることで治癒をもたらすことを期待している。
この「対話」が家庭や職場において、心身ともに健全な状況下で常日頃から行われていたら、どんなに素晴らしいだろうかと思う。
そもそも、コミュニケーションは「伝わらない」ということを出発点とした方がよさそうだ。なぜなら、
「私とあなたは違うから。
私とあなたは違う言葉を話しているから。
私は、あなたが分からないから。
私が大事にしていることを、あなたも大事にしてくれるとは限らないから。
それでも私たちは、理解し合える部分を少しずつ増やし、広げて、ひとつの社会のなかで生きていかなければならないから。
さらに、そのことは決して苦痛なことではなく、差異のなかに喜びを見いだす方法も、きっとあるのだから。」
「対話」では、自分の意見や判断を保留し、
相手の語りに意識を向け、じっくり話を聴けているか。
常に「自分はそのことについて知らない」という姿勢で、
語られる一つひとつの言葉を丁寧に聴けているか。
「対話」は議論ではなく、結論や合意点を求めるものでもないのだから、
相手と異なった価値観に気づいたり、違いを尊重したい。
『ゲシュタルトの祈り』・・・
「わたしはわたしの人生を生き、
あなたはあなたの人生を生きる。
わたしはあなたの期待にこたえるために生きているのではないし、
あなたもわたしの期待にこたえるために生きているのではない。
私は私。あなたはあなた。
もし縁があって、私たちが互いに出会えるならそれは素晴らしいことだ。
しかし出会えないのであれれば、
それも仕方のないことだ」
【参考図書】
「対話のレッスン 日本人のためのコミュニケーション術」平田オリザ著
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