【5分で読める】Weekly ASEAN Tech News【18年12月第3週】

こんにちは、三上蒼太(@sota_mikami)です。
東南アジアのスタートアップ情報を日々チェックしています。

先週(2018年12月16日~12月23日)に報道された、注目すべきASEAN Tech Newsをピックアップします。

本記事では、10個のニュースをピックアップしました。

◯TravelokaがライバルのOTA3社をUS$66.8Mで買収
◯LinkedinがASEAN２拠点目をマレーシアに展開予定
◯Gojekとイオンが業務提携
◯500 Startups Vietnamのアクセラレーションプログラム「Saola」発表
◯ブルネイのレガシープランニングサービス「Memori」がUS$100Kという最大規模でのシード調達
◯ミャンマーの農業系大手UMGがインドネシアでのCVC計画を発表
◯マレーシアの飲食系メディア「Good Foodie Media」がシンガポール拡大のためにUS$5.3Mの資金調達
◯シンガポールの老舗EC、「Qoo10」がブロックチェーンベースのECローンチ発表
◯インドネシアの語学学習EdTechが億円規模の資金調達
◯東南アジア版Netflix「ilfix」がアフリカ事業を売却し、アジアに集中する

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TravelokaがライバルのOTA3社をUS$66.8Mで買収

Traveloka reportedly acquires PegiPegi and two other rivals for USD 66.8 million

東南アジアのOTAユニコーンのTravelokaが、ライバル3社（インドネシアのPegiPegi、ベトナムのMytour、フィリピンの　TravelBook）をUS$66.8Mで買収したとのことです。

本記事のポイントは以下
・この3社はもともとは日本のリクルートが持っており、18年1月にシンガポールのJet Tech Innovation Venturesに売却済み
・そのJet TechからTravelokaが買い取った
・Travelokaはインドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、シンガポール、ベトナムの6カ国で事業を展開しており、そのOTAとしてのブランド強化に繋がる

・この買収話には興味深い点がある。
①リクルートからJet Techへの売却額とJet TechからTravelokaへの売却額が同等なこと
②Jet TechとTravelokaのエクゼクティブ層に複数名の同名人物が存在すること
③2社のシンガポールオフィスの住所が同じであること
・よって、Jet Tech VenturesはTravelokaの所有会社なのではないかという憶測が飛んでいる
・しかしこの件についてTravelokaはコメントを拒否している

関連：リクルートHD、東南アジアの連結子会社の旅行会社3社を売却

LinkedinがASEAN２拠点目をマレーシアに展開予定

LinkedIn to set up office in Malaysia

世界最大のビジネスSNS「Linkedin」が2019年の第一四半期でマレーシアにオフィスを展開するという発表。

本記事のポイントは以下
・Linkedinは現在東南アジア圏内にはシンガポールにのみオフィスを持っており、マレーシア進出により２拠点目となる
・シンガポール拠点設立は2011年。実に8年ぶりの展開となる。
・現在東南アジアのLinkedinユーザーは2800万人以上とのことで、このエリアでの事業拡大を目指す（世界中では5億9千万人超のユーザーがいるとのことで、東南アジアは5%にも満たない）

Gojekとイオンが業務提携

Aeon teams with Go-Jek in new Southeast Asian drive

インドネシアのユニコーンGojekと、日本のイオンが提携。Go-Payによる支払いを受け付けると同時に、ドライバを使ったデリバリーサービスも導入するとのこと。

本記事のポイントは以下
・イオンは東南アジアに約1,300のショッピングセンター、雑貨店、コンビニエンスストアを展開しており、オンラインに強いGojekとの連携を通じより事業加速をしていく想定
・まずはインドネシアでの提携からスタート。2019年以降、他の国でも進めていく計画
・イオンの中にGojekドライバー用の専用待機場を設置することで、迅速な移動を可能にするという
・イオンでのGo-Payによる支払いでのキャッシュバックキャンペーンなども12月21日より開始

500 Startups Vietnamのアクセラレーションプログラム「Saola」発表

500 Startups Việt Nam công bố chương trình tăng tốc khởi nghiệp năm 2019 - Startup VnExpress

世界的にも有名なシードVCの一つである500 Startupsのベトナムグループにて、国内向けのアクセラレーションプログラムを実施するという発表。

本記事のポイントは以下
・（僕が知らないだけかもしれませんが）ベトナムでの大掛かりなアクセラレーションプログラムをあまり知らない
・参加企業には10万ドルの小切手と、AWSやGoogle, Microsoftなどから50万ドル分の特典がつくとのことでかなり大きい
・プログラム名の「Saola」はベトナムの鹿らしい

ブルネイのレガシープランニングサービス「Memori」がUS$100Kという最大規模でのシード調達

Brunei’s legacy planning startup Memori raises US$100K funding

レガシープランニングとは、遺言などに代表される「死後の財務戦略」のことらしい。このレガシープランニングのプラットフォーム「Memori」が未だサービス準備中にも関わらず、最大規模のシード調達を果たしたというニュース。

本記事のポイントは以下
・東南アジアの推定80パーセントの人々が死後の話をすることが社会的タブーとされており、意思決定ができていない。それを支援したいサービスとのこと
・様々な死後関連サービスへの展開も計画
・データの管理にブロックチェーンも活用
・経営陣が実力者揃いらしく、大掛かりな資金調達が成功したと考えられる

アメリカではオンライン遺言サービスが盛んと聞いたことがあります。willingというところが代表格らしいです。日本ではまだあまり見ない領域ですね。
関連：Y Combinator出身のスタートアップが手掛けるのは遺言作成ーー無料で簡単、弁護士いらずの「Willing」

アジアでの死後関連サービス提供企業としてはNirvana Asia Groupというところが有名らしいです。

ミャンマーの農業系大手UMGがインドネシアでのCVC計画を発表

Expanding all the way from Myanmar, UMG Idealab shares its plans for startups in Indonesia

ミャンマーの農業系企業UMGの投資部門「UMG Idealab」は、2019年内にインドネシアで最大20ものスタートアップへの投資を計画しているそう。

本記事のポイントは以下
・UMG Idealabのサイトによると、現時点でミャンマーで8社、インドネシアで5社、タイで2社への投資を行なっている
・そして来年はインドネシアでの投資を急拡大させる計画
・投資規模は1社につきUS$50K~1Mとのこと

マレーシアの飲食系メディア「Good Foodie Media」がシンガポール拡大のためにUS$5.3Mの資金調達

Good Foodie Media raises RM220,000 to expand to SG

現在マレーシアのKLとペナンエリアの飲食特化型メディアを運営するGood Foodie Mediaが他国への展開に向けた資金調達を実施。

本記事のポイントは以下
・2019年に同社はシンガポール・ジョホールバル・バンコクへの展開を計画
・同社の各種SNS, メディアでの総フォロワー数は100万人以上
・累積コンテンツは3200万超
・18年11月の総PV数は1600万以上
・12月中にシンガポール向けメディア「Singapore Foodie」がすでにローンチ。すでに100万人以上の視聴者を獲得しているという（ほんと！？）

悪くいうと、ほんとにただのメディアを運営している企業です。ウェブサイトとFacebook, instagram, YouTubeを中心としたメディア展開。
ありきたりなサービスにも思えるのですが「Contents is King」の考え方で質の高いコンテンツをどんどん作成しているそうです。

どこまで成長し圧倒できるのか、注目します。

シンガポールの老舗EC、「Qoo10」がブロックチェーンベースのECローンチ発表

Qoo10 promises no more transaction and service fees on new QuuBe platform

ツイートを貼り付けます。

最後のツイートにもあるリンクですが、シンガポールのEC事情についてはこちらの記事が大変参考になります。

QuuBeのサイトによると、正式ローンチは1月1日とのこと。楽しみですね！

インドネシアの語学学習EdTechが億円規模の資金調達

Indonesia’s online language learning platform Squline secures Series A funding

資金調達額は非公開ですが、７桁米ドルとのことです。

本記事のポイントは以下
・Squlineはオンライン会話とテキスト会話のレッスンを提供するEdTech
・インドネシア人向けの英語, 中国語, 日本語、駐在員向けのインドネシア語の学習環境を提供
・プライベートレッスンとグループレッスンの両方
・個人向けの提供にとどまらず、企業向けプランも用意
・そんな企業が、インドネシアでの事業推進に向けて資金調達を完遂

東南アジア版Netflix「ilfix」がアフリカ事業を売却し、アジアに集中する

Netflix rival Iflix offloads its Africa business to focus on Asia

東南アジア向けにロープライスでのSVODを提供するiflixがアフリカ事業を売却したとのニュース。

本記事のポイントは以下
・iflixは月たった3ドルで動画見放題のサブスクサービス
・Netflixを「Apple」とした時のAndroid的なポジショニングを目指している
・これまでiflixはアフリカ内8つの国にサービス展開をしていたが、現地の通信事業企業であるEconetに売却
・売却後のiflixの展開先は東南アジアと中東を含む23カ国
・これからiflixは特にインドネシア、マレーシア、フィリピンに注力する

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