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【構想Note】100年で50cmのスピードで海面上昇中 ~近年の海面上昇と平安海進~

明治国道(東海道)を歩いていて気になったこと.それはむかしの海面レベルだ.

むかとは言っても1000年前.平安海進(8世紀~12世紀)と呼ばれる時期だ.縄文海進よりもマイナーながら,やはり地球温暖期にあった時期で,現在よりも約50cm~1mほど海面が高かったとされる.

平安期の前後200年はかなり暖かかった.


その後,約1000年をかけて地球は寒冷化してゆく.現代は平安期よりも1m低下したことになるのだ.

静岡県のルートでは,特に磐田市は不自然なルーティングとなっているのもこの平安海進に関連しているともいわれている.

近年,地球の温暖化に入ってきていることは種々の観測から明らかになってきている.

海面上昇もどれくらいのスピードであるのかと思っていたところ,Scienceの最新の研究成果 [1]によれば,衛星のリモートモニタリングから直近10年は海面上昇速度が年間で5mmほどに加速しているとのことだ.

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100年で50cmの計算だ.それであれば,2100年~2200年頃には平安海進と同じレベルまで海面上昇が進むことになろうか.

この論文でさらに瞠目したのは,戦後の世界的な成長期においてダムの建設で海面上昇が抑止されているという推察.ダムによる堰の効果が地球の水文まで及ぶとは意外であった.

参考文献

[1] PAUL VOOSEN, "Seas are rising faster than ever", SCIENCE, 20, NOV 2020 : 901,2020

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