見出し画像

新規事業の領域パターン①:既存需要×隣接客×既存商品

新規事業として最も難易度が低く、多くの会社が取り組んでいるのが、領域パターン「既存需要×隣接客×既存商品」の新規事業です。

【市場・顧客軸】
「顕在化した既存需要」×「既存客・隣接領域」

【商品・ビジネスモデル軸】
「既存商品・既存ビジネスモデル」

スクリーンショット 2021-07-02 8.40.08

新規事業企画にて定義すべき最初の難問は、「誰が顧客で、どういう課題を抱えているか」です。
この領域パターン①は、「顕在化した既存需要」×「既存客・隣接領域」であり、最初の難問を考えずに済み、保守本流事業の多くの社員が顧客課題をよくわかっている領域のため、対応難易度は低いです。市場の大きさも肌感覚で捉えられ、社内上申の際に「前例はあるか?」「市場はあるか?」「他社はどうだ?」と聞かれても、すぐに答えられます。
提供するものは既存商品であり、ビジネスモデルや課金に変更はなく、企画や調達・製造や品質管理なども同じです。顧客が欲しがらないものを作ってしまった、そのビジネスは採算が合わないものだった、という失敗をすることもありません。

スクリーンショット 2021-07-02 8.42.17

「顕在化した既存需要」×「既存客」×「既存商品」の領域
この領域は、既存商品のラインナップ拡充が該当します。一般には、商品企画と呼ばれるものです。

「顕在化した既存需要」×「隣接する領域」×「既存商品」の領域
「隣接する領域」は既存客の周辺領域や、特定カテゴリだけを切り出したもの、別地域などです。既存商品のサブブランド立ち上げ、他の地域への展開、直販ECなどが該当します。
サブブランド立ち上げの例は、高級アパレルメーカーによる若年層客の新たな獲得を狙う廉価版ブランド立ち上げなどがあります。
他の地域への展開の例は、東京の会社の関西・中部地区への展開や、地方企業の中核都市への展開など。
直販ECは文字通りで、完成品メーカーによる自社直販EC事業の開始です。

この領域パターン①に取り組む際の体制は、優秀エース社員+その領域/地域/ビジネスの玄人を顧問契約利用するのが良いでしょう。
既存客・隣接領域で、顕在化した需要に取り組むもので、業界常識の常識に沿った形で進められます。そのため異端児社員よりも、本業に強いエース社員を担当にするのが良いでしょう。他地域展開や直販ECは自社では未経験でも、社外にはその経験者は山のようにいるため、経験者の豊富な経験を外から借りましょう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?