企業ミッションの達成に向けて。SmartHRでコミュニケーションデザインに携わる4人に聞く
SmartHRは、「労働にまつわる社会課題をなくし、誰もがその人らしく働ける社会をつくる。」を企業ミッションとしています。では、達成に向けて日頃どのようなことを意識しながら活動しているのでしょうか。コミュニケーションデザインに関わる各ユニットのチーフを務めるtajimaruさん、Sさん、nawaaanさん、mikityさんの4名に話を聞きました。
※ SmartHRでは2〜7名ほどの組織を「ユニット」、各ユニットのプレイングマネージャーを「チーフ」と呼んでいます。
※ コミュニケーションデザインセンターの組織概要は、5年ぶりにデザインチームが分かれ、「コミュニケーションデザインセンター」をはじめました。をご覧ください。
tajimaruさん(サービスデザインユニット)
ーーサービスデザインユニットの概要を教えてください。
tajimaru:「知る」「興味をもつ」「導入する」「運用する」など、お客さまがSmartHRを体験する全てのタッチポイントで、高い品質で信頼感あるコミュニケーションを提供する活動をしているユニットです。
ーー企業ミッションの達成に向けて、日頃ユニットでどのようなことを実施していますか?
tajimaru:チームの特徴として、メンバーごとに広範な領域を担当し、コミュニケーション設計の決裁権と責任をもっている点が挙げられます。また、日頃の業務では、明確な正解が無いなかで、コミュニケーションで課題を明確化して活動し結果を出すことが、発想の貧弱化を防ぐためにも重要だと考えています。
ミッションに直結するわけではありませんが、日頃から意識しているのは、コミュニケーションにおける必要な情報の整理や公共性の高いデザインにすることですね。他組織の方と関わる機会が多いユニットのため、とくに気を付けている点です。
なお、メンバーの悩みは定例会議や1on1で解消するようにしていて、各メンバーの“デザインの解釈”をワークショップで共有する試みも進めています。
ただ、デザインに関しては、致命的な問題がない限り私からは口を出さないようにしています。SmartHRには、「あれこれ悩む前に、動き出そう。まずは荒削りでもOK。最速のアウトプットを心がけ、フィードバックのループを素早く回していこう」という「早いほうがカッコイイ」というバリューがあるので、ストップさせるよりも早く出して鍛えていくことを重視しています。
ーー私たち自身が「その人らしく」働くことも重要ですが、そのために意識していることを教えてください。
tajimaru:プレイヤーとしてデザインに取り組む際は、「自分が満足するまで楽しむ」ことを重視しています。人が欲しいと思う100%のものをいきなりつくるのは難しいので、まずは「自分が欲しいもの」を意識して、自分が楽しんでつくる。そうすると、ほかの人にとっても魅力的なものができると考えています。
一方で、マネジメントとしては、「自分らしく働けているか」をメンバーに考えさせないようにしたいと思っています。理由は、心から楽しんで仕事をしていれば、そもそも「自分らしく働けているか」を意識しないからです。
そのために、コミュニケーションしやすい場をつくり、私が話しかけられやすい存在でいること。また、メンバーがほかのメンバーに寄り添って仕事をすることも大切だと思います。
あとは、「デザインで遊んでね」とメンバーに伝えています。苦労するだけではなく、楽しみながらこだわってつくり込むことが大切で、これを「遊ぶ」と表現していますね。たとえば、文字の組み方、企画の面白さ、色の美しさなどにこだわりをもつ。そうやって自分が楽しみながら遊んでつくり、完成品に満足していると、その感情が相手にも伝わると思います。
ーーそのほか、企業ミッションについて感じていることを教えてください。
tajimaru:SmartHRが提供している人事・労務管理やタレントマネジメントは手段であり、最終的な目的は、それらの機能を通じてお客さま企業が発展することだと思っています。ミッションがあることで、SmartHRの本当の目標である、「働く」に関する課題解決という観点からブレずに仕事ができています。
Sさん(サービスディレクションユニット)
ーーサービスディレクションユニットの概要を教えてください。
S:SmartHRのサービスを世に届けるために、さまざまな施策やアウトプットがあります。それらの「SmartHRらしさ」の醸成や「顧客体験」を適切に提供するために、ディレクションやプロジェクトマネジメントを行っているのが、サービスディレクションユニットです。
ーー企業ミッションの達成に向けて、日頃ユニットでどのようなことを実施していますか?
S:私は2024年4月にチーフに就任したためまだ日が浅く、いろいろと意識しはじめたところです。その前提ではありますが……前任のチーフが、週に一度のユニットの定例会議で「褒める時間」というのを10分間設けていて。メンバー同士が褒め合うほか、「こんないいことがあったよ」という共有があって、ほかの人の活動を知ると共に、自己肯定感や幸福感が高まり、働きやすさにつながる仕組みだと思います。
また、ユニットの定例会議内に「相談の時間」を設けていて、メンバーが互いに頼りやすい雰囲気が醸成されていると感じています。とくにサービスディレクションユニットは担当領域がメンバーごとに大きく異なるため、相談時には共有する情報が多くなりやすい。そのため、「こんな小さなことを相談してもいいのかな」と躊躇しないように、意識的に相談のハードルを下げていますね。
メンバー同士で話を聞くことで、意見交換ができ、さまざまな解釈や解決策が生まれる。それによって、お互いの考え方を理解でき、チームビルディングの観点からも有益だと感じています。
ーー私たち自身が「その人らしく」働くことも重要ですが、そのために意識していることを教えてください。
S:仕事が“つらくない”ことが大切だと思います。仮に楽しくないことや我慢の必要があっても、それを溜め込まずに言い合えて、みんなで「頑張ろう」と思える。そんなときは飲みに行って発散し、「来週からまた頑張ろう」と思える空気が、自然とあるんですよね。
あとは、仕事が進まないときや、無理をしてもいい結果が出ないと判断したときは、スパッと切り替えて休むことも重要だと思っています。私自身も、判断ミスを避けるために「今日はここで終わりにしよう」と早めに切り上げるときがあります。
過去にブラックな労働環境を経験しており、「つらいときに無理をして働かないほうがいい」と考えるようになりました。仕事も重要ですが、自分の趣味や楽しい時間も同じくらい大切なので、そのバランスを保つよう心がけていますね。たとえば、ライブがある日は、「この時間は私不在です」と事前に伝えてしっかり休みます。
ーーそのほか、企業ミッションについて感じていることを教えてください。
S:このミッションを掲げている会社に勤めていることを誇りに感じますし、私もミッション達成のために頑張ろうと思えます。
「その人らしく」という考え方が、自分だけでなく社会全体、または社員や家族など、広い範囲に影響するのがいいなと。肯定感があって、自分らしさを大切にしてくれる言葉で好きですね。
nawaaanさん(ブランドデザインユニット)
ーーブランドデザインユニットの概要を教えてください。
nawaaan:ブランドデザインユニットは、SmartHRらしさを考え、ブランドやカルチャーを育て、より多くの人に届けるための活動をしています。
ーー企業ミッションの達成に向けて、日頃ユニットでどのようなことを実施していますか?
nawaaan:強制せず、各自が責任感をもって自主的に動ける環境づくりをしています。また、お子さんがいるメンバーが多いこともあり、急な予定変更を理解したうえでのコミュニケーションを大切にしています。精神的な負担を減らし、その人の生活を侵さないようにしていますね。
また、リソース管理表では各自のリソース状況を注視しています。見積もりが低く感じた場合は「この数字で本当に大丈夫ですか?」と確認することでリソースの逼迫を防止。そのほか、イレギュラー対応ができるように、リソースを調整しています。
あとは、「日々のタスク」「今日の一言」「相談したいこと」を毎日Slackで共有してもらい、メンバーの状況把握をしています。ちなみに、デイリーの報告には必ず絵文字でリアクションし、コミュニケーションが生まれるようにしていますね。また、1on1では「困っていること」と「私へのフィードバックや要望」を聞いています。
そのほかだと、今まではメンバー個々での活動が多かったので、今期からは、“ユニット全員で1つのものを作り上げる”プロジェクトを始めました。具体的には、コーポレートのブランドガイドラインのようなものをつくろうとしています。
ーー私たち自身が「その人らしく」働くことも重要ですが、そのために意識していることを教えてください。
nawaaan:自分のパフォーマンスを維持するために、「適度に力を抜く」ことを意識しています。フルパワーで長期間動き続けることは難しいので、メリハリをつけるために、力を抜けるところは緩めます。
私は過去に完璧主義的な環境で働いた経験があり、上司がまったく休まずに働いていました。ただ、その環境に私は疑問を持っていました。
私も完璧主義な一面がありますが、休暇や早めの退勤も意識していて、メンバーに「自分の事情にあわせて、みんなも自由に働いていいんだよ」と示したいと思っています。
ーーそのほか、SmartHRでの働き方について感じることを教えてください。
nawaaan:SmartHRは働きやすい環境だと思います。以前の職場では無言の圧力があり、「業務が終わるなら何時に来てもいい」と言われていても、実際は上司の出社時間に合わせなければいけなかったり、どんなに忙しくても社長からの飲みのお誘いを断れなかったり、空気を読む必要がありました。また、長時間作業することが評価される文化もありましたが、SmartHRは少ない稼働時間で大きな成果を出すことがよいとされているので、まったく違うなと感じています。
mikityさん(コミュニケーションOpsユニット)
ーーコミュニケーションOpsユニットの概要を教えてください。
mikity:ブランディング統括本部の「プロダクト(成果物)」「メソッド(方法・手法)」「プロセス(過程・工程)」をサポートし、加速させる役割を担っているのが、コミュニケーションOpsユニットです。
ーー企業ミッションの達成に向けて、日頃ユニットでどのようなことを実施していますか?
mikity:まず「よく働く」とは何かを考えると、働きやすさや働きがいの追求だと思っています。たとえば、自己実現を含め、仕事を通してやりたいことや好きなことをすることで、もっとハッピーに働けると考えているんですよね。そのため、ユニットでは日頃から「働き方のアップデート」を意識しています。
インターネットの発展により、時間と空間を超えて働けるようになって、働き方の自由度が増しました。そして、自由で働きやすい環境で働く代わりに、企業に対するしっかりとした価値提供が必要になったと考えています。そのために、目標設定を適切に行い、達成までの進捗をチェックする過程を重視していますね。
また、ユニット名に「コミュニケーション」と付けていることもあり、私たちのユニットがまず活発なコミュニケーションを取り、よい働き方をすることで、ほかの組織によい影響を与える状態を目指しています。
ーー私たち自身が「その人らしく」働くことも重要ですが、そのために意識していることを教えてください。
mikity:相手の意見や感想を否定せず、発言や存在が認められる安心感のある環境づくりを意識しています。メンバーの意見を聞いて「自分はそう思わない」ときももちろんありますが、その人が感じた事実は尊重されるべきです。まず一度受け止めて、意見や感想の理由・背景を理解するよう努めます。
また、「それは違う」と頭ごなしに言われたら、「次からはもう言わないようにしよう」と思わせてしまうかもしれない。そして、私が否定すると「じゃあmikityさんの言うとおりにやればいいや」と、考えること自体をみんながやめてしまいかねません。
メンバーが自由に意見を言い合える環境をつくり、どんな意見にも価値があると示すことで、メンバーが積極的に提案しやすくなると思っています。それによって、心理的安全性が高まり、チーム全体の働きやすさや協力体制の強化につながるな、と。
あとは、違う意見を楽しむよう心がけています。私は以前フリーランスをしていたので、課題に対して自分ひとりの考えで解いていました。それもいいんですが、今はチームで働いているので、「この人からはこう見えるんだな」という多様な視点をおもしろがるよう意識していますね。
また、メンバーが芯を食った提案をしてくれるので、結果的にそのときは選ばない選択肢だったとしても、「すごいな、なるほど」と教わることが多いです。
ーーそのほか、企業ミッションについて感じていることを教えてください。
mikity:一日24時間のうち、8時間働くとしたら、毎日人生の1/3の時間は仕事をしているんですよね。それを「お金のためだから」と割り切り、仕事中に自我を殺すのは悲しいと思っていて。もちろん、働く時間とプライベートがイコールでなくていいと思いますが、仕事時間もエンジョイしてほしいと思っています。
会社で過ごす時間って、会社からしてみると働くメンバーの時間と成果に報酬を支払っているので、会社も従業員も対等な関係だと思っています。なので、せっかくなら会社での活動を通じて仲間や知識を得るなど、よい時間を過ごせるといいなと。
あとは、やりたくないことを無理に続けると、人って病気になってしまうんですよね。「やりたくない」の中には「やる意味がわからない」が内包されていると思うので、マネジメントの役割は、メンバーがやりたくないことを理解し、その負担軽減の方法を一緒に考えることだと思います。そのために、嘘をつかずに「やりたくない」と言ってもらいやすい環境をつくりたいですね。
メンバーを募集しています
tajimaruさん、Sさん、nawaaanさん、mikityさんの4名が活躍する、SmartHRのコミュニケーションデザインセンターでは、一緒に働く方を募集しています。また、選考ではなくカジュアルにお話しする場「カジュアル面談」もご用意しています。
ご興味をおもちいただきましたら、ぜひ下記をご覧ください。
制作協力:anju、ryochi、mikio、SUZU(ダイバースOpsユニット)