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より多くの企業のサクセスを実現するために。カオスに複雑化するカスタマーサクセスに挑戦する

2024年1月、SmartHRは組織体制を大きくアップデートしました。ビジネス部門が「機能別組織」から「統括本部の下に各事業本部が構成される組織」に移行することになり、カスタマーサクセスもこれまでひとつだった組織を、以下の3つの組織に分けることにしました。

  • エンタープライズ事業本部/カスタマーサクセス本部

  • グロースマーケット事業本部/カスタマーサクセス本部

  • 事業戦略統括本部/プロダクトセールス・CS本部

今回は、SMB企業(従業員101〜500名規模の会社)に向き合うグロースマーケット事業本部のカスタマーサクセスを率いる3名に話を聞きました。

2024年 SmartHR カスタマーサクセス組織(参考note「SmartHR カスタマーサクセス 2023-2024」)

登場人物の紹介


写真:右から順に稲船さん、中山さん、北村さん
稲船さん、中山さん、北村さん

稲船 祐介(@inaship)
エンジニアとして業務アプリケーションや物流システムの開発に従事したのち、ウェブディレクターおよびウェブマーケティングを支援するSaaSプロダクト開発とCS組織の立ち上げを経験。2019年1月にCSとしてSmartHRに入社し、2020年1月より組織マネジメントとサービス品質向上に携わる。2022年7月より、​​VP of Customer Successに就任。2024年1月にVPを退任し、グロースマーケット事業本部 カスタマーサクセス本部の本部長を務める。サウナが好き。

中山 佳奈江(@kanae.nkym)
通信会社にてセールスエンジニアや販売企画の仕事を経験。その後、関西で「ベンチャー型事業承継」という概念を根付かせるためのイベント運営や経営者とのコミュニケーションに携わる。2020年5月にSmartHRへ入社し、CS組織内でSMBを担当するユニットのマネジメントに従事。2024年1月よりグロースマーケット事業本部 カスタマーサクセス本部の東京・東海エリアの部長に就任。京都在住、寺巡りを計画中。

北村 尚人(@kitamu)
製造業向けPLM導入コンサルタントや、太陽光発電システムの管理、確定申告や給与計算ソフトのカスタマーサポートの運営などを経験。2021年7月にSmartHRに入社。関西のMMB(従業員500〜2000名の企業)チームのチーフに従事したのち、2024年1月よりグロースマーケット事業本部 カスタマーサクセス本部の関西・九州エリアの部長に就任。趣味は、旅行とMLB観戦。

お客さま自身が課題を解決できる仕組みをつくる


─2024年からカスタマーサクセスも顧客規模別に組織が分かれることになりました。その狙いと、グロースマーケット事業本部のカスタマーサクセスが果たすべき役割について教えてください。

稲船:SmartHRは従業員100名未満の企業から数万人を抱える企業まで、規模を問わず多くのお客さまにご利用いただいているプロダクトです。これだけ幅広いお客さまをターゲットとするSaaS企業はとても珍しいと思います。企業規模の違いによって生じる異なる課題にコミットし、より質の高いプロダクトを届けるためにも、お客さまの規模に応じて事業本部を分ける体制でチャレンジすることになりました。

中でも私たちグロースマーケット事業本部が担当するSMB(Small and Medium Business:SmartHRでは従業員101名〜500名の企業を指す)は日本企業の多くの割合を占めています。そこで働く従業員のみなさまに価値を提供することで、より多くの方の「その人らしく働く」ことを実現し、社会に貢献していく。そういった責任と誇りを持って取り組んでいます。

─SMBのお客さまによくサクセスしていただくために、どのようなチャレンジをしていきますか?

稲船:SMBのお客さまは、労務や総務、採用、人事制度運用など複数の役割をひとりで兼任されている方が多いです。そのようなお客さまにとっては、わからないことがあるたびに担当CSM(カスタマーサクセスマネージャー)に連絡いただくサポート体制よりも、ご自身の都合がいいタイミングで、自ら問題を解決いただけるサポート体制のほうがいいのではないかと考えています。

一見、一社ごとにCSがついて手厚くフォローする、というほうが安心に見えますし、お客さま自身もそうイメージすると思います。ですが、さまざまな業務で日々忙しい人事担当者にとっては、我々とコンタクトを取らずともSmartHRを使いこなせる状態こそが、あるべき姿だと思うんです。私たちがやろうとしているのは、お客さまのサクセスに向けて、そういった新しい価値観をも一緒に作っていくことだと感じています。

中山:SmartHRのようなクラウドサービスの導入経験が少ない担当者もSMBには多いですね。導入時はタスクに優先順位をつけ、担当者自身がスムーズにプロジェクトを推進していけるようなサポート体制を整え、導入後はお客さま自身の手で問題を解決できる・自走できるツールやコンテンツを準備します。
そのうえで、CSMのサポートが必要な場面ではしっかり対応できるように、我々自身の業務を効率化し、より多くのお客さまをサクセスに導いていくための仕組みが必要です。
いわばネット銀行やネット証券のように、人を介さないことで効率よくお客さまにとってもメリットの多い運用を実現する、といったイメージです。

SmartHRには、お客さまとのこれまでのやりとりから、どんな特徴のお客さまがどこでつまずきやすいか、どういった理由で導入が遅延しやすいかというデータが集まってきています。それらを分析することで、ツールやコンテンツをどのタイミングで提供するべきか戦略を作り込んでいるところです。これは、SMBだけでなく、幅広い規模のお客さまのサクセスにも活用していけるものになるはずです。

サクセスのモデルルートを確立し、社内リソースを最適化する


─新しい組織で取り組んでいきたいことや、ありたいチームの姿を教えてください。

北村:私がマネジメントする範囲には、SMBよりもさらに従業員規模が小さいお客さまも含まれます。メンバーひとりが担当する企業数が多く、業務の効率化とリソースの最適配分を通じて、より多数のお客さまをサクセスさせていくことが求められます。
ヘルプページやウェビナー、e-learningといったサポートコンテンツは充実しているものの、SaaSの導入経験がない方にとってはいつ何をどう活用したらよいのかというロードマップがわかりづらく、継続利用が困難となったケースもありました。

これまでは企業ごとに最適なルートを組み立てるようなサポートもしてきましたが、より多くのお客さまのサクセスを叶えるためにも、お客さま自身で適切にコンテンツを選択していける、モデルルートを確立したいと考えています。

中山:マネジメントの観点では、CSの経験を積む中で、メンバーたちがキャリアを広げていけるチームでありたいと考えています。複数のお客さまに短いスパンでプロダクトの導入・活用を実現いただくために、事例を積み上げると同時に、抽象化して考えることが求められます。
これは、CSの仕組みを作っていくうえで非常に価値のある経験だと思います。CSMとして型を身につけながら、お客さまの解像度を上げて仕組みを作っていく、そういったキャリアの土台作りができる環境ではないでしょうか。

そして、SmartHRが提供できる最大限のサクセスの形を、みんなで一緒に作り上げていきたいですね。メンバーには、お客さまサポートのクオリティを高めていくことはもちろん、この環境を活かしてCSMとして成長し、他事業部のCSや企画部門などにもキャリアを広げていってもらいたいです。
お客さまにとって最大限のサクセスを実現するマインドがCSから伝播していく、そんなキャリアの出発点になれればと考えています。

CSはより高度に、より複雑に。変化の激しさをチャンスと捉える


─グロースマーケット事業本部のCSだからこそ経験できるのはどんなことでしょうか?

稲船:今、SmartHRは人事労務機能を引き続き成長させながら、タレントマネジメント機能をより進化させ、さらに新規領域のプロダクトを立ち上げていくフェーズにあります。CSにも、導入に伴走するだけでなく、お客さまの課題に合わせて新しい機能のご提案・導入サポートをしたり、お客さまの要望からプロダクトの改善に向けたフィードバックを行っていくことが求められます。

これらをご契約企業様の多いグロースマーケット領域においてどのように実現していくかを模索し、確立していかなければなりません。CSMによる人の支援とテクノロジーを活用した支援をうまく組み合わせ、サービス品質を向上させながら、自分たちの生産性も同時に向上させていく必要があり、組織としても個人としてもそのチャレンジをすることが求められます。

他社でCSの経験を積んできた方の中には、立ち上げフェーズで活躍されている方もいれば、グロースフェーズで活躍されている方もいらっしゃると思います。そういった経験を活かしながら、未経験のフェーズにも携わる機会を提供できると思います。CSとして新しいことにチャレンジしたいと考えている方が挑戦できる環境があります。

北村:SmartHRは事業成長を続けているため、高度に型化が進んでいる、事業が安定しているというイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし実際には、事業が成長するほど、我々CSに求められることも複雑化し、常に新しい課題に向き合っている状態です。

自分が入社した頃はまだ労務管理機能がメインだったこともあり、そこさえハンドリングできていればよかった。お客さまの規模に関わらず、同じようなオンボーディング方法で、目の前のお客さまのサクセスを叶えられていました。

しかしそこから約2年半が経ち、私たちが扱うプロダクトも市場環境も、かなり変化しました。SmartHRの機能も拡張を続け、数年前に比べて競合環境も厳しくなっている今、SmartHRのさまざまな製品群を組み合わせ、事例を積み重ねながらどうお客さまのサクセスを作り上げるか。我々CSにも日々挑戦し、変化していくことが求められています。

─これから一緒に働く仲間に、どんなことを期待しますか?

中山:自分はどんなことをやりたいのか、はっきりわかっている人って少ないと思うんです。ここで経験を重ねることで自身の得意不得意や、挑戦したいことが見えてくるのではないでしょうか。グロースマーケット事業本部のCSは、多くのお客さまと多様な事例を積み上げることができるので、これからキャリアを描くための起点にしてもらえたらと思っています。

北村:CSの役割が複雑化しても、自分ひとりで全部の解を見つけない、という考え方も大切だと思っています。SmartHRには「100の問題を100人で1問ずつ解く」という考えがあり、経営や組織運営のベースにもなっています。分析が好きな人、お客さまとの商談で強みを発揮する人など、得意なことややりたい分野は一人ひとり違うはず。一人で全部をやるのではなく、お互いに頼ったり頼られたりしながら、お客さまへの提供価値を組織で最大化することを共に目指していきたいです。

稲船:SmartHRでは、変化の大きさをチャンスと捉えて自分自身が事業を成長させていくという意識がこれまで以上に求められています。自ら変わり続けることが苦手な方にとっては厳しい環境と言えるかもしれません。SmartHRの周りに吹く、いい風をうまく掴み、意志を持って挑戦していくことで、事業や社会に貢献できる仕事を一緒にやっていけたらと思います。


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取材協力:リスナーズ株式会社