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「この課題に熱狂できるのは、今しかない。」─SmartHR パートナープランニング部の挑戦

SmartHRは自社のフェーズを「スケールアップ企業」と定義し、事業・組織ともに急成長を続けています。このさらなる拡大フェーズにあって、これまで他社でキャリアを重ね、なお貪欲に成長を志向する方も続々とジョインしてくれています。そこで「マネジメント経験者の転職」をテーマに、全4名の社員にインタビューを実施。SmartHRでどんな腕試しができるか、多様な視点からお話を聞いていきます。

第3回は事業戦略統括本部 パートナービジネス事業部 パートナープランニング部 部長の吉田 幸平さんです。


展示会のブースが隣同士だったのが、SmartHRとの出会い


──吉田さんは2023年4月にSmartHRに入社して、1年ちょっと経ったところですね。入社のきっかけについて聞かせてください。

吉田:前職でマネーフォワードにいた時、展示会に参加したら隣のブースがSmartHRだったんです。名古屋で開催された2日間の展示会でした。僕はひとりでブースを運営していたんですが、SmartHRからは3人の社員が参加していて。1日目が終わった時に「ごはん食べに行きます?」って誘ってくれたんです(笑)。

──いい人たちですね(笑)。

吉田:僕がひとりで、寂しそうに見えたんですかね(笑)。展示会中も「ひとりで大丈夫ですか?休憩取ってます?」と声をかけてくれて。
それがきっかけで、展示会が終わってからも彼らと交流するようになったんです。対峙しているパートナーの領域も似通っていましたし、営業の攻め方の意見交換などをして。そうしているうちに、SmartHRのパートナービジネス部門の規模なども見据え、自分がやってきたことを活かしながら、より大きなチャレンジをしたいなと考えるようになったんです。それで事業部長とお会いして。その後はトントントン、と話が進んでいきました。

──隣り合わせの偶然が良い縁につながりましたね。入社してみて、SmartHRという会社のイメージは変わりましたか?

吉田:展示会で会ったメンバーはもう、どぶ板な感じもあって、僕はシンパシーを感じてました。といっても組織みんながそうかというと違うのかもしれない、どうなんだろうと思って入社しました。COOの倉橋さんのことはSmartHRのアイコンとして知っていて、発信を見る限りはロジカルでちょっと無機質なイメージもありましたね。
実際入社したら、全然そんなことはなくて。優しい、いい人が多いです。それは僕から見ると、良くも悪くも、ではありますが。

吉田さんの写真

様々な業界のテック企業を通じて積み上げてきた仕事観


──SmartHR入社後のことを詳しくお話してもらう前に、これまでのキャリアの話を通じて、吉田さんの仕事観を聞かせてもらえたらと思います。

吉田:僕はSmartHRが6社目です。新卒で入社したのはサイボウズ。サイバーエージェントや楽天などが破竹の勢いで伸びていた、ITバブル全盛の2008年のことです。
その当時は、新卒採用の説明会に青野社長が来ていたんです。僕の記憶に残っているのは、その時の青野さんの言葉で。「キャリアを考えるときに5年後、10年後をイメージして、とよく言いますよね。それ、意味ないです。目の前のことを一生懸命がんばれば、1年後には違う道が見えてくるし、さらにがんばれば2年後にまた違う道が見えてくるから」というようなことを話していました。
世の中でよく言われることとは逆のことをお話しされたのに衝撃を受けましたし、そこにすごく共感して、サイボウズに入社することを決めました。

──入社してからはどうでしたか?

吉田:いや……めちゃくちゃつらかったです。パートナービジネスの部署に配属されて、とにかくお客さんのところに行きなさい、と。ただ、振り返っても本当に何もできていなかったと思います。実際、評価もよくなかった。
SmartHRのバリューに「一語一句に手間ひまかける」というのがありますが、当時の僕はそのあたりが全然できていなかった。学生時代はだいたいのことをそつなくこなせる人間だったので、自分はやれると高飛車なところがあって、当時の上司にはそれを見透かされていたんですよね。

苦い顔をする吉田さんの写真

──なかなかつらい状況ですね。突破口はあったんですか?

吉田:業務上の直接の上司、先輩ではなく、社内イベントで知り合った先輩に話を聞いてもらえたのが救いになりました。ビジネスのやり方を言語化して、戦略を組み立てて実行するのが得意な人だったので、僕も話を聞いていて納得できたんですよね。「わかるよ」と話を聞いてもらえて、仕事の進め方の基礎を教えてもらって。心持ちは楽になりましたし、こういう人になりたいと今でも思っています。

──吉田さんには仕事の師が2人いると事前に聞いていて、ひとりがこの方ですね。もうひとりは?

吉田:サイボウズの次に入社したソフトクリエイトの上司です。企画の作り方、提案書の作り方、資料の作り方、顧客折衝の仕方……今の僕のベースになっているビジネスの基礎は、ここで身につけました。サイボウズでの先輩は直接のレポートラインにあたったことはなかったので、がっちり組み合って鍛えてもらったのは、ソフトクリエイトの上司ですね。

──吉田さんにとって、ここでの最も大きな経験は何でしたか?

吉田:ヒリヒリする経験ができたというのが一番大きいです。キャリアとしては直販営業から営業支援、そしてマーケティング部を新たに立ち上げるところまでやらせてもらいました。
記憶に残っているのは、1,000人規模のオフラインイベントを任された案件です。予算も準備期間も厳しい運営でした。今でこそ、様々なメーカーを集めたオフラインイベントは一般的ですが、その頃は僕を含めて、経験がある人は少なかったんですよ。その数少ない経験者を探して、聞いて回って「ああ、もう無理や……」とずっと思いながら、それでもなんとかやり遂げました。つらかったんですが、それまで僕が仕事に感じていた「やらされている感」のストレスはありませんでしたね。自分が言い出したことを、やる必要があるからやる。自発的に仕事をする経験ができたのが何より大きかったです。自分自身にとってのビジネスのターニングポイントは、間違いなくここだと言えますね。

──その経験を通じて吉田さんが得たことをひと言で表すと

吉田:死ぬ気でやったら何でもできる。

──いいですね。

吉田:時代に逆行していると思いますし、もしかしたらSmartHRのカルチャーに対しても逆をいってるのかもしれない。でも、僕が経験したブレイクスルーについては、言葉だけじゃどうしても伝えきれなくて、やっぱり経験しないと身につかないと思うんです。
質が量を超えることはなくて、量はやったほうがいい。闇雲にやれと言いたいわけではなくて、僕もずいぶん回り道をしちゃったなという思いはありますし、メンバーに対してはできるだけ最短距離でいけるよう支援はします。でもやっぱりブレイクスルーの瞬間は、ある程度の濃度と量の「実践」が重なった末に訪れるものだと思うんですよね。「目の前のことを一生懸命やれ」というサイボウズ青野さんの言葉にもつながることだと感じています。

──今の吉田さんの仕事観にもつながる重要な経験だったんですね。その後の3社での経験についても聞かせてください。

吉田:その後は個人向けのEdTechの企業で新規事業の販売責任者、次に不動産テック企業でマーケティング、営業企画に携わってきました。その後がSmartHRの直前に所属していたマネーフォワードです。履歴書を見た感じではジョブホッパー然としていますが、その過程で多様な業界で経験を積んでこられたのは自分にとって糧になっています。
マネーフォワードではソフトクリエイト時代の経験も活かして、3,000人規模のオフラインイベントを開催しました。その後、コロナ禍に入ってイベント開催は難しくなり、クラウド事業のパートナービジネス部門に異動しました。

──そこで一社目のパートナービジネスの領域に立ち戻ったんですね。

吉田:そうですね。ただ10年前とはビジネスの景況感も全然違うし、以前の知識で正しいと思っていたことが全然通用しなかったりして。その、「全然うまくいかない」ことに対して、どうしたらいいのか組み立て直して実行していくのが、めっちゃ大変で、めっちゃ面白いところでした。
その延長線上でSmartHRの人たちに出会って。当時のマネーフォワードのパートナービジネス部門は実質的に僕を含めて二人で稼働していて、SmartHRは25~26人でした。ヒューマンリソースが10倍以上あって、やれることは今の自分の境遇よりぐっと増えるだろうなと。そのワクワク感が高じて、会社を移ることを決め、今、というところです。

吉田さんの写真

SmartHR、入ってみてどうですか?


──ここからはSmartHRに入社して1年あまりを経て、今吉田さんが考えていることなどを聞いていきたいと思います。冒頭でSmartHRには「良くも悪くも優しい、いい人が多い」と言っていましたが。

吉田:そうですね、僕から見ると、言いたいことがあっても、優しさが先行して言えない部分があるようにも見えていて。そこはもっといい状態にしていけると思っています。

──吉田さんが取り組んだ事例があれば教えてください。

吉田:そんなに大きなことはしていなくて。事業にインパクトのある課題を一つひとつ、つぶしていく取り組みをいくつかしていきました。
事業部内ではマネジメントとメンバーとの意思疎通やスピード感に課題がある状態でした。そこで、まずは部のミッションを作りましょう、と。
会社のミッションは「well-working 労働にまつわる社会課題をなくし、誰もがその人らしく働ける社会をつくる。」です。その中でパートナービジネス事業部は、パートナーさんやお客さまとどういう世界を作りたいのか、というのを定めました。
言語化することで、マネジメント側からメンバーまで、みんなの脳内が同期されます。これによって意識の統一もしやすくなる。今は事業部ミッションをとにかく、口酸っぱく言い続けることによって一人ひとりにしっかりインストールするという段階ですね。

──今後、着手しようとしてることはありますか?

吉田:少し抽象的ですが、僕の役割は組織を強くすること、戦闘力を上げることだと考えています。僕にマネージャーという役割を与えてくれているのは、僕が持っているものをメンバーに与えてほしいからだと思うんです。だから僕が経験して得てきたものは、全部みんなにあげたいと考えてやっています。
とはいえ、なにかしら評価してもらっているというのは、嬉しい半面、落ち着かない部分もあるんですけどね。自分、めっちゃ凡人なのにって。

──全然買いかぶりではないと思いますが。

吉田:今までいろんな会社で経験を積んできて、どの会社にもいたんですよ、この人には勝てない、という人が。その“負けてる感”が僕の原動力でもあるんですけど。
自分から能動的に仕事を作って、その“勝てない人”のところに持っていってレビューを受ける。100点満点をもらえることなんて、ないです。自分の弱いところも、抜けている観点も指摘されます。心、折れます。でもそれがあるから、基準を上げていかないといけないなと思って必死にやって、自分のクオリティが上がっていくわけで。
これは成長機会だ、なんてその瞬間は考えてないですね。やっぱり、目の前のことを愚直にやるだけなんですよね。

──ちなみにSmartHRの中にもいるんですか、勝てない人は。

吉田:もちろんいますよ!もう、どんな経験してきたらこんなこと言えるんやろう?この人には勝てんなあ、と。所作とか、その人からめっちゃ盗んだりしてます(笑)。

──吉田さん自身、今でも「目の前のことをやる」を実践しているんですね。

吉田:これは自分のリソースをかけてやらないといけないことだ、ということはたくさん浮かんできます。僕自身は「これをやりたい」という思いはあまりない人間だと思っていますが、やっぱりなにかしら、熱中したいのかもしれないですね。

今のSmartHRは、熱狂したい人にはうってつけの環境だと思います。今、僕がいる事業部には50人のメンバーがいますが、ここから100人、300人と組織体が変わっていけばまた課題感も変わります。その先はもはや、想像もできないです。この課題に熱狂できるのは、今しかない。
ベンチャーやスタートアップでは「そのフェーズで携われる面白さがあるんだ」とよく言いますよね。自分で経験してみると、なるほど先人たちが言っていたのはこういうことか、と実感を伴います。

──熱狂できる課題に取り組んでいるときこそが、吉田さんが仕事が楽しいと思う瞬間なんですね。

吉田:楽しいかどうかというと、キツいんですけどね(笑)。キツい、ヒリヒリするけど、それが好き。家族や周りの人からは、「それがお前らしくていいんちゃう」って言われます。

笑顔の吉田さんの写真

マネジメント経験者の転職シリーズ 第2回は以下よりご覧ください。

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制作協力:イトウヒロコ
撮影:@garashi(SmartHR)