「事業成長に繋がるなら、役割をはみ出していける。」─SmartHR インサイドセールスの挑戦
0から1をつくる経験がメンバー時代の自分を変えた
──まずは、SmartHRに入社するまでの郡司さんのキャリアについて聞かせてください。
郡司:前職は新卒で入社した株式会社マイナビで5年間、人材営業に従事していました。ずっと同じ領域の人材紹介を担当していて、そのなかでメンバーからマネージャーまで経験をさせてもらいました。
──新卒でマイナビにご入社されたきっかけはどんなことだったんですか?
郡司:実は他の会社からインターン経由で内定をもらっていたんですが、働くイメージが持てなくて、承諾できずにいました。そのタイミングで偶然出会ったのがマイナビで。たしか、大学の隣駅で企業説明会を行っていたんです。そこに参加していた社員の目的意識の強さや、自分なりのゴールを持って仕事に向き合う姿勢に惹かれて、それがきっかけで人材業界自体に興味を持つようになりました。
人材企業を何社か受けて、結果的に自分にとってはマイナビが一番良いと思いました。合計7回くらい面談してもらって(笑)。年齢も部署もさまざまな社員と話して、中の様子が知れて安心したというのもありますし、多くの社員が目標を持って働いていて、そこに惹かれました。新規事業に参画したい、起業をするために力をつけたい、最年少管理職になりたいなど、内容はさまざまでしたが、漫然と仕事している人がほとんどいなくて、素敵だなと思いました。
──マイナビにいた5年間のあいだにマネジメントも経験されたんですね。
郡司:はい。1年間ほどですが、個人では到底追いきれない目標をチームでどう達成するのか考えたり、メンバーのモチベーションを聞いて時には目標を一緒に考えたり、とても貴重な経験をさせてもらいました。
自分の場合は、メンバー時代のほうが葛藤があったかもしれません。目の前の業務にいっぱいいっぱいで、目標数字を達成することと、その先の働く目的に向き合うことを両立するのが難しくて、苦しんでいましたね。今振り返ると、自分が学生時代に憧れていた状態とのギャップに葛藤していたんだと思います。
──どうやって乗り越えていったんですか?
郡司:一つは単純ですが、定量目標を達成したその先の理想の状態を自分の中で明確にして、とにかく毎日意識しました。やるべきことをやっただけではありますが、意識を変えるだけで、定量目標の達成だけでなく、先を見据えた仕事ができるようになりました。
もう一つは、その頃に0から1をつくる仕事を任せてもらえたことが大きかったです。一つの急成長中の業界を任せてもらって。自分の成長が事業の成長、会社の成長にダイレクトに繋がることが実感できて、大きな転機になりましたね。
──なるほど。それは、背中を見せてくれる人のような存在があったのか、郡司さん自身で道を見つけて進んでいったのか、どんな感覚でしたか?
郡司:自分で模索していったと思います。もちろんお世話になった方はたくさんいるんですけど。目の前の仕事で納得できていない部分があったら、それはなぜなのか、どうすれば納得できるのかを考えてみる、みたいなことを繰り返していました。
フラットさと実力主義の環境が入社の決め手
──若手の頃から0から1をつくる経験する機会があったり、マネジメントに抜擢されたり、順風満帆にも見えますが、転職を考えたきっかけはどんなことだったんですか?
郡司:会社のことは好きでしたが、一方で人材紹介のビジネスモデルにもどかしさを感じていたんです。
──どんなもどかしさでしょうか?
郡司:お客さまと話すなかで、採用ではなくもっと根本的なところに課題があると考えることが多かったんです。人材紹介は無限サイクルなところがあって。採用し続けることだけが正解ではなくて、離職を止めることや、人が減っても事業が成り立つ仕組みや環境を整えることも重要です。もっと根本を変えて、企業の長期的な経営を支えていけるようなサービスが提供できないか、と考えるようになりました。
──採用することだけが正解じゃない、というのはその通りですよね。人材や組織開発といった領域にはたくさんの企業があると思いますが、そのなかでSmartHRを選んだ決め手はどんなところだったんですか?
郡司:選択肢はいくつかあったのですが、SmartHRへの意向度が一番高かったです。会社が成長していること、プロダクトに自信が持てること、組織間の連携がしやすいこと、この3点を軸に会社を探していて、SmartHRは自分の中でどんぴしゃでした。どんどん新しいことに挑戦している会社で、1,000名規模でなお縦割りじゃない、部門間の壁がない組織だと聞いて、それが決め手になりましたね。
どちらかと言うと迷ったのは給与の部分で。正直、オファー額は希望より低かったです。それでも踏み切れたのは「まあ、上がるっしょ」と思えたのが大きかったですね(笑)。会社によっては役職に就かないと給与が上がらないケースもありますが、SmartHRはメンバーにも昇級・昇給があります。これまでの実績を聞いても、1〜2年ほどで前職の給与に追いつく可能性があるな、と。
そんな実力主義の環境であれば、自分が納得して働けると思えたことは大きかったですね。
──前職でマネジメントとしても貴重な経験ができたとおっしゃっていましたが、メンバーとして入社することに戸惑いなどはありませんでしたか?
郡司:むしろマネジメントとして入社することは考えていなかったです。自分はカリスマ的な存在でもないので、マネジメントに挑戦するとしても実績がないとメンバーがついてこないと思いますし、自分自身も現場での経験こそ大事だと思っているので。
インサイドセールスは人探しの旅をしながら、核心に迫っていく仕事
──入社後からこれまでの仕事についても教えてください。
郡司:インサイドセールスとして入社して、従業員数2,001名以上の企業を対象にするエンタープライズ領域を担当しています。他の領域との大きな違いは、アプローチできる企業の母数が限られることです。自分が担当する企業一社一社に対して、長期的に向き合いアプローチしていくことが求められます。
例えば、一つの商談を作るまでに3〜4か月かかることもあります。セールスの協力も得ながら、まずは現場担当者にアプローチし現場課題を聞く、そこから次の担当者に繋いでもらって……と、人探しの旅をして徐々にメイン担当者に迫っていくこともあります。これはエンタープライズのインサイドセールスならではの特徴だと思います。
──人探しの旅という表現、いいですね。実際に働く中で、SmartHRの印象について入社前から変わった点はありますか?
郡司:まず、本当に人がいい!組織がここまでフラットとは思わなかったです。もちろん期待していた点ではありましたが、この規模でこのフラットさを実現しているのは純粋にすごいなと。SmartHRには“自律駆動”というバリューがありますが、自分で考えて仕事をする人が揃っているから、このフラットさが成り立っているんだと思います。マイクロマネジメントはしようと思えばできますが、敢えてやらずに自律駆動を促している。遊び心がある施策やクリエイティブな発想は、そこから生まれていると思います。
──逆に課題だと思うのはどんなところでしょうか?
郡司:組織ではなく市場での戦い方の話になりますが、いかにお客さまの第一想起にあげていただくかは強化したい点です。競合プロダクトが増える中で、お客さまの時間は有限です。長期的な関係構築の強化や、日々の細やかなアプローチなどできることはあると思うので、チーム一丸で取り組んでいきたいですね。
インサイドセールスの活動にフォーカスすると、有効なアプローチをより効率的に仕掛けていくことは意識したいです。まだ模索中ですが、今年に入ってからはマーケティング組織との連携に挑戦しています。
例えば、オフラインイベントってエンタープライズ領域ではめちゃくちゃ有効なんです。そのイベントにインサイドセールスがガッツリ入り込むアプローチに取り組んでいて、手応えを感じているところです。先日開催したイベントでは集客目標の達成や、イベント関連での商談獲得などに貢献できています。取り組み自体の難易度は高くないと思うのですが、連携するからこそ生まれる効果ってやっぱりあって、部署を横断してタッグを組む意味を感じました。
インサイドセールスは、本当に連携が命だと思います。一企業に対していろんな部署のメンバーが関わっているので、マーケとの施策もそうですし、セールスと連携しながら一つの企業やグループの攻略に挑戦させてもらっていたりもします。
エンタープライズ領域って、未商談の企業はもうほとんどなくて。導入企業以外は、大抵一度は失注しているんです。でも失注してるってことは、社内の誰かが情報を持っていて、連携の余地があるということ。安川さんの「エンタープライズ領域に、失注はない」という言葉はまさにその通りだなと思いました。長期的な企業攻略をみんなで連携してやっていると感じます。
──郡司さんからは「連携」という言葉がたくさん出てきますよね。連携を強化するために意識していることはありますか?
郡司:たしかに言ってますね(笑)。でもそのくらい大事なことだと思っています。前提として、SmartHRはすごく連携しやすい環境だと感じています。ただ、そのなかで個人が追っている数字は違ったりするので、相手のメリットを考えて、連携することは私なりに大事にしていますね。
インサイドセールスには、お客さまにSmartHRに興味を持っていただき検討の土台にあげてもらう役割があり、そのための一対一コミュニケーションの最初の接点になります。その機会を有効なものにするためにコミュニケーションの事前・事後にできることの幅は広く、他部署連携の可能性を無限に秘めていると思います。
事業成長に繋がることであれば、役割をはみ出して仕事ができる
──最後に今後のキャリアについても聞かせてください。
郡司:インサイドセールスについて色々とお伝えしたのですが、今後はインサイドセールス以外の役割にも挑戦してみたいと考えています。それこそ、今いちばん連携を強化しているエンタープライズ向けのマーケティング部署にはとても興味があります。
──連携してきたからこそ、さらに可能性を感じる部分もあるかもしれませんね。入社して1年経った郡司さんが感じる、SmartHRに入社する面白さはどんなところでしょうか。
郡司:SmartHRって役割をはみ出して仕事ができる環境だと思っていて。事業の成長に繋がる可能性があれば、前例がないことでも挑戦させてくれるし、役職や役割に関わらず協力してくれる人もたくさんいる。
個人としてどうなりたいかや、ここで働く目的があり、自律駆動で走っていける人にはまたとない環境だと思います。ヒリヒリしながらもチームで大きな挑戦ができる、本当に面白いフェーズです。
マネジメント経験者の転職シリーズ 第3回は以下よりご覧ください。
SmartHRのインサイドセールスに関するその他の情報は以下よりご覧ください。
撮影:@garashi(SmartHR)