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「障害者雇用」の現状と目指すこと 〜freeeさん&サイボウズさんと情報交換会を実施〜

言葉の表記について
様々な配慮による表記の形がありますが、今回は法律(障害者雇用促進法)に沿って「障害者」と表記しています。


お疲れさまです。プログレッシブデザイングループの辻(@maverick)です。
日頃はプロダクトのアクセシビリティ改善のアドバイスをしたり、社内外向けにアクセシビリティを向上させるための啓発活動を担当しています。

さて、多くの企業において障害者雇用には十分なノウハウがなく、手探りで採用活動が行われている現実があります。
他社の事例もなかなか情報として社外に出ることがないため、例えば問題に直面したとしても解決の方法がわからず、雇用する側 / される側双方にとってよりよい働く環境を作ることが難しい状況でした。

障害者雇用に取り組み始めたばかりの私たちSmartHRと、すでに取り組みを開始していて実績のあるfreeeさんとサイボウズさんの担当者間で、2022年3月に情報交換を行いました。
それぞれが感じている課題や解決方法などをやりとりすることで、気がついたこともたくさんありました。

例えば、業務を切り出すという考え方もありますが、現在企業が求めている作業担当者を、障害の有無に関係なく募集するという採用方法もあり、各社で障害者雇用のやり方が異なります。
そのような現状をSmartHR社員の皆さんにも知っていただくと共に、広く世の中に発信することで、同じように障害者雇用に課題を感じている企業の担当者さまの問題解決につながり、結果としてより多くの障害者が様々な企業で働けるようになればいいなと考えて、この記事を公開することにしました。

今回は、SmartHRの障害者雇用の現状と情報交換会のレポートを、私maverickがコーポレートグループの穴原さん(@ana)と一緒に書いてみます。

障害者雇用について、SmartHRの現状(by ana)

こんにちは!社内労務ユニットの穴原です。
情報交換会について共有する前に、まずは私から「障害者雇用の制度」と「SmartHRの現状」の2点についてお話ししたいと思います。

障害者雇用促進法では法定雇用率が定められており、障害をお持ちの方を一定数雇用することが義務となっています。
※詳しくは、以前SKJ(全社会議)で発表した「サテライトオフィスについての共有」のDocBase記事をご覧ください!

障害の種類も様々なため、障害の有無関係なく活躍できる環境を作るためにはどんな設備やサポートが必要なのかなど数年前から議論して来まして、2020年からサテライトオフィスでの雇用を始めました。

サテライトオフィスでは就労サポートの専門家の方に入っていただき、現在は6名の方が勤務しております。(※2022年5月現在)
業務内容としては主に勤怠確認、データ入力、郵送物対応等となります。

まだまだ始めたばかりで今も手探りで取り組んでいるため、他社の担当の方と情報交換ができたらと思い、アクセシビリティに取り組んでいるmaverickさんに相談したところ、情報交換会を実現していただきました!(社内に相談できる方がいてとてもありがたい環境です)

「障害者雇用についての情報交換会」概要(by maverick)

この情報交換会が始まったのは私がSmartHRに入社した2021年9月、社員数が急激に増えていく中、今後SmartHRが障害者の法定雇用率を満たすためにどのように雇用を進めていけば良いかというanaさんからのご相談がきっかけでした。

私や@masup9さんの知人で、freee社でアクセシビリティを推進しておられる伊原さんや中根さんにご相談したところ、freeeで障害者採用を担当されている皆さんとSmartHRの情報交換会が実現しました。

一回の会議だけでは十分に議論し尽くせなかったこともあり、せっかく二回目を開催するなら同じSaaS関連企業で「障害者雇用の実績もあるサイボウズ社の方にも話を聞いてみたい」ということになり、サイボウズの知人でアクセシビリティを推進されている小林さんにお願いして、今回の3社での情報交換会が実現しました。

参加してくださったのは以下の方々で、1時間では物足りないほど各社の障害者雇用の取り組みや課題などについて様々なやりとりがありました。

情報交換会参加者(敬称略)

  • freee

    • 成田(カルチャー推進  / 社内コミュニケーション)

    • 土島(アクセシビリティ推し広報)

    • 伊原(デザイナー)

    • 中根(アクセシビリティ推進)

  • サイボウズ

    • 小林(開発本部 デザイングループ)

    • 田窪(Recruiting & Onboarding部)

    • 大島(Recruiting & Onboarding部 / 多様性理解促進チーム / ジョブサポーター)

    • 蒲田(労務)

  • SmartHR

    • 桝田、辻(アクセシビリティエンジニア)

    • 穴原、西尾、岸本(労務)

    • 井上(組織人事)

情報交換会では、こんな話をしました(by maverick)

情報交換会では、各社がどのようなきっかけで障害者雇用に取り組み始めたのか、現在雇用されている障害者にはどんな仕事をしてもらっているのかなど現状を共有していただきました。

freeeには障害者雇用の専任の方がいて、「多くの職種で障害者が働いていらっしゃること」と、障害のあるスタッフにどんな仕事をお願いしたいかを各部署の担当者にヒアリングしながら雇用を進めてこられたことで、「障害者が様々な仕事をするきっかけになっている」というお話が印象的でした。

サイボウズでは、4〜6名の方が障害者インクルードとしてチームを横断して活動されているものの、現在は専任の担当者はいないそうです。
「障害者雇用」という名前よりももっとわくわくする名称で活動したいとの思いから「障害者インクルード」という名前になったとのお話が印象的でした。

今回参加してくださった担当者が課題として感じているのは、「障害のある社員に働き続けてもらうにはどうしたらよいか」という点、障害者雇用の法定雇用率は守らなければならないという認識はあるものの、実際には「障害者を雇用する際に、その方に適した仕事をあらかじめ準備することが難しい」という点でした。

他にも、雇用された障害者のサポート体制についての質問や、障害者雇用について会社全体で取り組んでいるのか、一部の部署や担当者だけで取り組んでいるのかなど、社内の温度感についての質問があって、1時間では議論がし尽くせないほどでした。

障害者雇用の今後の取り組み(by maverick)

SmartHRはもちろん、今回情報交換会に参加してくださったfreeeやサイボウズでも障害者雇用にはそれぞれの立場での課題があることがわかりました。
今後は、Slackのチャンネルのようなもっと気軽に相談できる場を作って、情報交換を密にしていきたいと考えています。

今回参加した3社だけでなく、同じように障害者雇用について課題を感じている担当者は多いと思いますので、企業の枠を超えて相談ができるようになることを目指しています。
その結果、障害者を雇用する企業だけでなく、働く障害者にとってもより良い働く環境が整い、結果として双方がハッピーになればいいなと思っております。

社内でアクセシビリティや障害者雇用について疑問点などありましたら、いつでもSlackの # accessibility_and_human_rights_aka人権 チャンネルにコメントくださいね。

最後に、障害者が働きやすい環境のために活動されているオリィ研究所さんを紹介します。きっと、皆さんにとって新たな発見があると思いますので、是非覗いてみてください。


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