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TOKYOに住まう①

 昨日は「都市に住まう者たちへ」と題して私がいま住んでいる札幌を舞台に筆をはしらせるに至った。その最後は少しネガティブな物言いをしてしまったが、私は別にそのような意図を持って書いたのではないとこの場で弁明しておきたい。

 さて、今日は日本の都市の代表というべき街、東京について考えてみたい。我が日本の首都でもちろん日本一の人口を誇る、いや世界中の都市を見渡しても指折りのメガシティだ。「TOKYO」は昔から多くの人を惹きつけてきた。なんたって2度も(正確に言えば1940年も含めて3度)オリンピックの開催都市になってしまうほどの都市である。

 さて突然だが「東京」と聞いて何を思い浮かべるだろうか。渋谷のスクランブル交差点か、新宿の都庁や歌舞伎町か、東京駅やその周辺のオフィスビルか、はたまた浅草やトーキョースカイツリーのような下町エリアを思い浮かべるだろうか。なにより場所によって様々な顔がある。ざっと上げただけでも、これだけ多様なのだから恐れ入る。そしてそれらの集合体として「東京」がある。

 裏を返すと「東京」のイメージが人によってバラバラであるとも言える。よく子供向けの日本地図なんかだと県名の横にその件の名産品やシンボルのようなものが描かれるのを目にする。しかし、東京の場合はこれが難しい。カッコつけた言い方をすれば「東京のアイコン」が存在しないのだ。

 でも皆がある程度共通の認識として「東京」という街を認識している。東京という街が持つ雑多性をそのまま引き受けているということなのだろうか。こう書くとまたネガティブな語りに聞こえてしまうが、見方によってはそれが東京の魅力なのかもしれない。つまり各々が持つイメージや自分と合う場所を探しながら居場所を探せる。多様な人が共存しているのが東京だ。だからこそ不安や冷たさを感じることがあるのかもしれないが、逆にどんな人でも受け入れてくれる場所がある。そんな懐の深さを持っっている街だ。

最後に余談だが、サザンオールスターズの名曲の一つに「東京 VICTORY」という曲がある。「♪ 時をかけるよTime goes round〜」という優しい調子で始まり、特段激しさは無いものの根底の部分でなにか訴えかけてくるものを感じさせてくれる一曲だ。私は実家(横浜)にいたころ、早朝に東京駅から新幹線で出かけることがあった。その時、新幹線の窓から見える朝焼けに照らされた東京の超高層ビル群にこの曲は本当によく合う。

これが私の好きな東京だ、と感じさせてくれる。

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