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文系受験生の戦略の難しさ。番外編【学歴の重みと軽さ】

普段、理系の受験生と接していることが多いこともあり、文系受験生の目線で大学受験を考える機会が少ないなあと感じています。

新学期の授業が始まるまでの間、ちょっと考えてみたいなと思い書いてみました。

文系受験生は、理系の受験生より、学歴が重い存在なんだなと感じます。

一昔前、ある男子大学生と話をする機会がありました。福岡市の私立大に通う文系の大学生でしたが、就職を考える時期だったようで、「九大だった姉と全然違う」というのです。

自宅に届く資料も、セミナーの案内とかも質も量も段違いだと。

「日本は学歴社会なんですよね」とも言っていました。

現実はそうですよね。

でも書きましたが、年収=企業が支払える能力 に依存しているのであれば、結局いいところに就職できるかどうかが、生涯所得を左右することになるのかなと感じます。

もちろん、40歳を過ぎると大企業の本社にいても、転籍、出向という形でふるいにかけられていきますが、それでも平均を取れば、それなりの数値に収れんするでしょう。

年功序列賃金を事実上、破棄しておきながら、新卒の一括採用は辞めない以上、大企業に入れるチャンスは新卒が最も高くなる。

その採用基準として学歴は大きな存在となる。

ただ、本当に有能な人材を必死になって探す気があれば、学歴はそこまで存在として大きくないはずですが、そうでない現実は、実は学歴もそこまで重視していないのかもしれません。

学歴を大量の大学生を線引きする手段しか使っていないともいえるのかなと思うと、大学生は気の毒だというしかありません。

文系の受験生で、企業就職を考える人は、将来の仕事に直結しない学びを通じての学歴獲得のために、必死になって英単語を覚え、日本史で、よく知らないおじさんの名前を憶えさせられることなり、暗記を中心とした苦行を強いられるのは、どうなんだろうと思ってしまいます。

国連で長くお仕事をされたよしログ(山本芳幸)さんは、Twitterやnoteでこのように語っておられます。

記事の主題は、コミュニティ・カレッジのことですが(これについては、いつか書いてみたいテーマです)、その中で、次のように日本の学歴社会について、言及されておられます。

7) 国際機関には”いい大学”出身の人がたくさん応募してくるが、コミュカレ卒であろうと東大卒であろうとハーバード卒であろうと、修士取得の最低基準を満たしたかどうかチェックされるだけの話だ。雇う方は、ほんとに優秀な人を見つけるために必死なのだ。採用の失敗は大打撃になる。

9) 野球の球団がピッチャーを雇ったり、楽団がピアニストを雇ったりする時に、形式的な基準なんてなんの意味もないのと同じだ。雇う方は、凄い球を投げるピッチャーや、凄腕のピアニストを必死に探すだろう。

10) 職というのは、本当はそうやって動いていくはずなのだが、日本社会はいつの間にかなんでもかんでも学校カーストに収斂してしまって、みんなが歩兵か足軽のように扱われ、より大きな殿様に仕える競争になってしまった。

太字は、筆者がつけています。納得しかありません。

学歴は学びの足跡でありますが、それが仕事につながるかどうかは、いろんなファクターによって精査されなければならない。雇った人が有能でないと組織が回らないのであれば、必死になるのは当然です。

もし、若い人に就職のことについて、相談された場合、
大企業に入りたいと言われれば、「頑張ってね」と答えるでしょう。

ただ、今の就活に疑問があると言われれば、大変かもしれないが、自分の可能性に挑戦してもいいかもねと答えるかなと思います。ただ、あまり好きな言葉ではありませんが、この選択については、自己責任であるべきでしょう。かなり難しい選択なので、おすすめはできません。

この件については、こちらで考えをまとめています。

この国で、実力主義というのは、限定的な価値観だろうと思います。大きい組織では、出る杭は打たれるという国民性も絡み、そこまでは機能していないのかもしれません。時々出現する、こんな人がトップなの?という大企業の存在もあり、そのように考える時があります。

国連のような超・巨大組織であっても、学歴は参考程度で実力主義をとるのに、日本の組織、とりわけ大企業は学生と向き合っていないなと感じます。それはつまり、個を尊重していないからでしょう。

学歴が大事だというなら、徹底的に学生時代の学びをチェックすればいいと思いますし、不要なら、堂々と学歴不問と謳い学生を集めればいいのではと思います。

このあたりの中途半端さが、衰退国家らしいしぐさだ思いますが、それが言い過ぎとも言えなくなっているのではと思います。

私は今後、実力主義の世の中になると見ていますが、学歴もその実力に含まれる一つの要素だとも思っています。学びから得た知見なしに、実力をつけることはできないと思うからです。

若い人は、あまり大人を信じない方がいいのではと思っています。特に威張っているおじさんの妄言は聞き流すくらいがちょうどいいと思っています。






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