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理数科目が「好き」なのは、女子より男子が多くなってしまうのはなぜか【男性特有の素養との関係はある?】

朝日新聞に興味深い記事が出ました。

(プレゼント機能を使っています。5月24日10:12まで上記リンクで読めます)

昔からよく言われていることですが、女子の方が理数科目を苦手にしているという説があります。

現場の感覚としては、そうではないというのが私の結論です。前に記事にしています。

今回の記事のようにデータ上で男子への優位性が出ているじゃないかという意見もあるかと思いますが、そこには、学習対象物に対しての認識の差に男女差があるのではと思っています。

それは、女子の問題というより、男子の(というか男性の)特性が影響しているのではと思っています。

今のところ私が感じている男子の特性はこの2点ではと思います。

(1)マニアックなアプローチは男子の独壇場
数学の入試問題をとことん追求する雑誌『大学への数学』(東京出版)は、明らかに購読者層は男子に偏っています。執筆陣も恐らくほぼすべて男性です。コールもレスポンスも男の世界。

では、なぜそこに女性がいないのか。

それは、数学の入試問題という対象に対して、女性は、『大学への数学』のようなマニアックなアプローチをしないまたは、好まないからでしょう。

ただ、このようなマニアックなアプローチは高い結果をもたらすとも私は思っているので、東大などにおいて、男女差が出てしまう要因の一つではと思っています。

(2)勝ち負けにこだわるのは、圧倒的に男子
これは遺伝子的なことにも関与するのでしょうが、男子の中に好戦的な人はどうしても多くなります。男子に人気のゲームソフトにバトルものが多いことからも見て取れてます。また、昨今社会に定着してきた感のあるプロのゲームプレイヤー(プロゲーマー)も男性に偏っています。

勝負事を好む傾向は男性の方が女性より多い。

理数科目には、「解けた」「解けなかった」という点が文系教科より色濃くかつ明確に出るので、それを「勝ち」「負け」と解釈することもでき、ヒロイズムに偏りがちな男性の特性も加味されて、理系科目が好きという割合は女子を上回る要因になるのかなと思っています。

数学の難しい問題が解けることのメリットの要素は、勝ったという要素が含まれる割合がある分だけ男子の方に多く出る。そこまでの価値観を置かない女子との差はでるのではと思っています。

ただ、(1)(2)は、すべての男子に当てはまるとは言えないと思うので、このような素養のある男子の存在という「プラスアルファ」要素によって、数値が女子を上回ると思っています。

理数科目が好きかどうかという統計は、数値上、多少の男女差は出るのでしょうが、これは男女の特性としてスルーしても問題ないかなと思っています。

分析を担当した宮城教育大大学院の田端健人教授は、会議の中で「女子の理数離れが小学校から起きている。ジェンダー平等をめざして、学校現場において理数系の意識の変化を求めることが課題の一つだ」と話した。

上記記事より

という分析については、理数離れとまでは言えないかもしれませんが、理数教育が男性の視点による価値観の形成は気をつけたいところではと思います。

私は、突如としてブームが起きている理工系の女子枠については、学生の女子比率を高めるよりも、先生の女性比率を高める方が効果が高いと思っています。
というのも、大学の理工系の先生は、(1)(2)の要素を多く持つのではと感じているからです。

男性特有の要素を多く持つ人たちが作り出す世界では、女性は価値を見出しにくいだろうと思っています。

女性教員を増やすことで、価値観の「歪み」を正すことは、結果として女子学生が増える要因になるのではと思います。


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