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日本の政治が「しばらくは」絶望だと思う理由【ケインズのあの理論に納得する】

「ケインズの美人投票(理論)」という考えをご存じでしょうか。

最近、自分も知った考えなのですが、投資関係界隈の方々には有名な考え方のようですね。

今の時代、美人投票という例えはどうなのかというのは、あるかとは思いますが、

要は、投資において、
「自分が好きだとか、自分が支持したい」という選択肢よりも、「これが《世間的には》正しいのだろう」という選択肢を選ぶべき

ということのようですね。

これが同じ投票という点において、政治家を選ぶという点においても同じメカニズムが働いているように思います。

大阪における維新の絶対的な強さは、いまや関西全域に広がっているように思いますが、このケインズの美人投票の考え方に即してみると、納得感があるように思います。

少なくとも、大阪では、維新>自民>>>>>>立憲>>その他

のように、大阪の有権者には見えており、それが結果にも反映しているのではと理解しています。つまり、大阪では、維新こそが投票すべきという認識がもっとも共有されている政党であるということだと思います。

リベラル界隈では、大阪のメディアが維新に肩入れしているからだとしている主張があるように思いますが、私はその説には懐疑的です。

メディアは、いつの時代も関心があるのは、「勢い」であって、維新に勢いがあれば、テレビは食いつきますし、「勢い」に乗じて、タレントも乗っかってくる。
それが「勢いの再生産」となり、これが好循環を生み出す。

これが、ケインズの美人投票理論を通じてみると、現実を説明できているのではと思います。

その点において、今の立憲民主党の路線が全く駄目だということも理解できます。

彼らは何を考えているのかよくわかりませんが、自分たちが「選ばれるような選択肢であろうとする努力」が決定的に欠けています。

↑で書いたように、京都市長選挙での自民党との相乗り戦略は、「自民とは違う選択肢を望む」人たちにとっては、背信以外の何物でもない。

彼らが、地方には地方の事情があると主張しても、そんな「戯言」など聞いてもらえません。恐らく、聞いてもらえない現実があるということを理解できないのでしょう。だから、平気であのようなことができる。

なぜなら、衆議院議員選挙においては、小選挙区制ですし、参議院選挙での選挙区選挙ではほとんどが1人区だからで、自民党(選挙区によっては公明党)は、「敵」でなければならない。

Aの対抗勢力は、徹頭徹尾「Aでないこと」を主張する存在でないといけない。

野党第一党がそのように考えないことは、有権者から選択肢を奪い、それが有権者の半分が票を捨てることになっている。結果として、自民党が20%の得票で、80%の議席を得るレバレッジが可能となっていると私は理解しています。

なので、ケインズの美人投票理論に即して考えても、今の政治の問題は、自民党の問題よりも野党第一党の問題が大きいのではと思います。

その意味では、しばらくは、政治に大きな動きはないでしょう。自民党にパーティ券の問題があろうがなかろうが、わが世の春は当面続くでしょう。なぜなら、存在を脅かす選択肢がなく、ライバルがその努力をしないからです。

しかし、もう少し時間がたてば、状況が変わる可能性があるとも見ています。

その可能性は、やはり、れいわ新選組でしょう。現時点でも世論調査からも勢いは可視化されている。

彼らは、徹底的に「政策を訴える」政党であることが大きい。

戦略の分析においても、自民党のやりたがらない政策を重視している点は見逃せないと思っています。

また、イデオロギーの色が薄いこともあり、与党の批判票の受け皿になる要素も大きいとみています。

さらに人材もそろいつつある点も大きいでしょう。

れいわが、ケインズの美人投票理論が機能するような選択肢となるためには、少なくともあと数回、国政選挙が必要でしょうが、地殻変動の萌芽は十分にある。

動き出したら、割と結果が出るのは早いかもしれません。

私は、菅(すが)元首相は、二度目の首相の座をと、返り咲きを狙っているとみていますが、だからこそ、お膝元でこのような候補者をぶつけてくるれいわの戦略も評価できるものではないかなと思います。


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