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「スマートホーム」と「スマートハウス」、違いは何?

最近住宅関係の言葉としてよく耳にするようになった、「スマートホーム」と「スマートハウス」。
同じものと考えている方も多いのではないかと思いますが、実は明確な違いがあることをご存じでしょうか?

スマートホーム

経済産業省がまとめた『スマートホームの安心・安全に向けたサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン』によると、2021年3月時点で国内外にスマートホームを明確に定義した国際規格はないそうです。
このことを踏まえた上で、本ガイドラインではスマートホームを以下のように定義しています。

“「子育て世代、高齢者、単身者など、様々なライフスタイル/ニーズにあったサービスを IoT により実現する新しい暮らし」を実現するものであるとして、IoT(*)に対応した住宅設備・家電機器などが、サービスと連携することにより、住まい手や住まい手の関係者に便益が提供される住宅」”

(引用|経済産業省『スマートホームの安心・安全に向けたサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン』,P4)

簡単に言うと、スマートホームとは「IoT対応の住宅設備・家電機器などとサービスが連携することで、住む人のライフスタイルが快適になったり、住まいに関わる人に便利さをもたらしたりする住宅」なのです。

スマートハウス

一方、スマートハウスとは「家庭の省エネ対策に適した住宅」のことを言います。

政府は、2018年7月に「第5次エネルギー基本計画」を閣議決定。その中で「2030年までに経済成長を成し遂げつつ、徹底した省エネにより原油換算で 5,030万kl程度を削減する」という目標を定めています。
そのうち家庭部門では約2割の1,160万klを削減する目標を立てていますが、「新築住宅に省エネ基準の適合を義務づける」、「LED など高効率照明を普及する」、「HEMS(Home Energy Management System)を全世帯に導入する」ことなどで達成しようとしています。

HEMSとは、「IT技術によりエネルギーを見える化し、家庭で使用されるエネルギー消費量が最適になるようにコントロールする」ことができる管理システムのことです。
HEMSが導入された住宅こそが、スマートハウスということです。

まとめ

スマートホームは「IoTで人の暮らしを豊かにする住宅」
スマートハウスは「HEMSで省エネ対策を追求した住宅」という明確な違いがあることがお分かりいただけたでしょうか。
昨今のIT技術の発展や個々のニーズに応じて、今後はより一層、それぞれの分野に関心が集まり「スマート化」への動きが加速していくと考えられます。

*  Internet of Thingsの略で、「様々な物がインターネットにつながること」「インターネットにつながる様々な物」を指します。
事例)「鍵がインターネットにつながる」→スマートフォンで家の施錠ができる

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【参考文献】 
· 経済産業省『スマートホームの安心・安全に向けたサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン』
https://www.meti.go.jp/press/2021/04/20210401005/20210401005-1.pdf
· 一色正男/梅嶋真樹/笹川雄司『スマートハウスの現状』
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sicejl/57/9/57_610/_pdf/-char/ja
・総務省 ICTスキル総合習得教材『1-1:IoTとデータ利活用の全体像』
https://www.soumu.go.jp/ict_skill/pdf/ict_skill_1_1.pdf

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