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BtoBの「リレーションシップマーケティング」とは?特徴やメリットについて

  • BtoBマーケティングでいま改めて注目されているのが「リレーションシップマーケティング」です。関係性マーケティングと呼ばれることもあります。
    BtoB企業はリレーションシップマーケティングを実践することにより、顧客生涯価値(LTV)をより高めることができ、売り上げアップにも繋がるでしょう。
    そこでこの記事では、以下のことを中心に紹介していきます。
     
    ・リレーションシップマーケティングの特徴
    ・リレーションシップマーケティングのメリット
    ・リレーションシップマーケティングに活用するツール
    ・リレーションシップマーケティングを成功に導くポイント
     
    新しいマーケティング手法を取り入れてみたい、現状の営業活動に限界を感じている、もっと顧客との関係性を深めたい、などと考えているマーケティング・営業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

リレーションシップマーケティングの特徴

リレーションシップマーケティングとは、顧客とより良好な関係性を構築しながら「顧客生涯価値(LTV)」を最大化していくマーケティングの手法です。
高額な商品・サービスを取り扱うBtoBマーケティングにおいて、顧客との関係性を維持することは、より重要視されるようになってきています。
また、全米広告主協会(ANA)では、リレーションシップマーケティングを以下のように定義しています。

リレーションシップ・マーケティングとは、顧客関係管理(CRM)の戦略の一つで、顧客の維持、満足、生涯顧客価値を重視するものです。

出典「Relationship Markething」より一部抜粋

リレーションシップマーケティングは、1990年代に発展したマーケティング手法ですが、近年「人口成長の止まった先進国」を中心に広まってきています。
BtoBビジネスでも、リレーションシップマーケティングを実践している企業が増つつあるというのが現状です。

リレーションシップマーケティングの提唱者


リレーションシップマーケティングは、1983年にアメリカのマーケティング学者レナード・ベリー(L.L.Berry)によって提唱されました。
このリレーションシップマーケティングの基本は、優良な顧客との関係性を維持することにより「長期にわたって利益を確保しよう」という考え方です。

リレーションシップマーケティングのメリット


リレーションシップマーケティングを導入することで、いくつものメリットが享受できます。
Forbesに寄稿された「What Relationship Marketing Can Mean For Your Business」では、リレーションシップマーケティングを導入すべき理由を5つ挙げています。

1. お金を節約できる
顧客は広告が好きではないにも関わらず、広告には多額の予算が必要です。広告に予算を使うよりもリレーションシップマーケティングに投資することで、広告コストを節約することができます。
たとえマーケティング予算が少なくても、リレーションシップマーケティングを実践することは可能です。
 
2. ポジティブなレビューを獲得できる
顧客レビューの収集に苦労している、あるいはGoogleのネガティブなレビューを克服しようとしている場合、リレーションシップマーケティングは強力な援護になります。
顧客との関係が密になれば、顧客満足度が高まり、オンラインレビューも向上することが多いです。
 
3. 貴重なお客様の声が集められる
顧客との信頼関係があれば、正直で有益な情報を共有してくれる可能性が高くなります。建設的な批判は自社ビジネスの強化にも役立つので、顧客からのフィードバックを歓迎するのは賢い選択でしょう。顧客の声を聞くことで、顧客ニーズをより深く理解し、より良い製品を設計することができます。
 
4. ロイヤルカスタマーを維持できる
顧客維持率を5%上げるだけで、利益が95%も増加するとされています。新規顧客を獲得することは悪いことではありませんが、より多くの顧客を維持することも重要です。リレーションシップマーケティングは、顧客との信頼関係を土台にして、より強固な関係性を構築するのに役立ちます。
関係性を構築した顧客は、長期にわたって売り上げに貢献してくれるでしょう。
 
5. 競合他社に負けない
競合他社と激しい競争を繰り広げているのであれば、あらゆる面で優位性を保つことが大切です。リレーションシップマーケティングは、競合他社が真似できない方法であり、競合他社との差別化にも役立ちます。

出典「What Relationship Marketing Can Mean For Your Business」より一部抜粋

顧客との関係性構築に重点を置くことで、顧客満足度がより一層高まり、長期にわたって繰り返し商品・サービスを購入してくれるでしょう。結果として、広告宣伝費にかかるコストを削減することができ、利益率アップにも繋がります。
また、良好な関係性にある顧客からは、良い口コミ・評価があるだけでなく、ときには貴重な意見をもたらしてくれます。これは新しい商品・サービス開発にとって、とても重要なことです。
BtoBビジネスでも、リレーションシップマーケティングの実践により、競合との差別化を図ることができるでしょう。
 

リレーションシップマーケティングに活用するツール

リレーションシップマーケティングの実践においては、Webサイトやソーシャルメディアなどを通じて「より簡単にコンタクトできる」環境を作ることも重要です。
そして、顧客が関心を引くようなコンテンツを提供することも、リレーションシップマーケティングの役割になります。
「7 Relationship Marketing Strategies You Must Check Out (+ Best Practices)」では、リレーションシップマーケティングに活用するツールやプログラムについて、以下のものを挙げています。

1.ソーシャルメディア 
ソーシャルメディアは交流の機会が多いので、リレーションシップマーケティングに最適です。
コンテンツマーケティングやEメール(チェックイン時のEメールも含む)にソーシャルメディアボタンを設置することで、ユーザーとの交流をしやすくしましょう。
ソーシャルメディアのユーザーは、コメントや問い合わせに対して迅速な対応を求めていることに留意してください。
 
2.メールマーケティング
ソーシャルメディアの普及にもかかわらず、Eメールは依然として顧客と関わるための素晴らしい方法です。他のコンテンツに埋もれてしまうことなく、相手の受信箱にメッセージが届くので、直接相手にアプローチすることができるからです。
ウェルカムメール、定期的なニュースレター、誕生日の特別キャンペーンなど、Eメールではテキストやソーシャルメディアの投稿よりも多くのことを伝えることができます。また、他のコンテンツへのリンクを共有することもでき、受信者は自分の都合に合わせてコンテンツを選択することができます。
 
3.ロイヤリティ・プログラム
ロイヤルティプログラムは、顧客に特別感を与える素晴らしい方法です。サービスの利用に対して報酬を与えることで、顧客は自分たちがビジネスの貴重な一部であることを認識することができます。報酬制度は、新規顧客のエンゲージメント(リピート購入)を促進させるでしょう。
 
4.アンケートの活用
顧客からのフィードバックを奨励することは、リレーションシップマーケティングの重要な要素であり、顧客に自分の意見が重要であることを知らせることができます。また、このようなフィードバックに対応する用意があることを示す必要があります。
フィードバックを管理する簡単な方法は、顧客アンケートを送信することです。CSAT(顧客満足度)、ソーシャルメディア上の投票、または長めのアンケートなどです。どのような方法であれ、アンケートは短くまとめるのがベストです。事前に何を発見したいかを決め、それに応じて質問を作成すると良いでしょう。
 
5.コンテンツ
顧客との強い関係性を築くには、製品やサービスを最大限に活用できるような価値ある情報を提供することです。特定の顧客向けにパーソナライズされたコンテンツを作成することで、その顧客をどれだけ理解しているかを示すことができます。複数のチャネルで多様なコンテンツを提供することで、人々の関心を引き付けられるでしょう。簡単に共有できるものであれば、より効果的です。

「7 Relationship Marketing Strategies You Must Check Out (+ Best Practices)」より一部抜粋

一方的で画一的なコミュニケーションではなく、顧客それぞれの状況に合わせたメールを配信をしたり、コンテンツ提供をしたりすることで、良好な関係性を構築する手助けになります。
ときには、顧客にとって有利となる報酬制度を実施することでも、満足感や特別感を与えることができるでしょう。
 

リレーションシップマーケティングを成功に導くポイント

リレーションシップマーケティングを成功させるためには、大切なポイントがいくつかあります。
「How to Perfect your Relationship Marketing in the B2B World」では、適切なリレーションシップマーケティングを実践するために、以下のポイントを挙げています。

1. 顧客にフォーカスする
B2Bの顧客は定期的に販売業者やサプライヤーを変更することができません。なぜなら、物流や再入荷にかかるコストが発生するためです。
B2Bビジネスでは顧客層が限定されているため、顧客を満足させることはとても重要になります。
 
2. コミュニケーションの微調整
Dimalanta Design GroupのCEOであるErnie Dimalanta氏は、顧客とコミュニケーションを取る際に「ミラー効果」を使うことを勧めています。顧客の口調やスタイルに合わせることで、コミュニケーションはより効果的になるでしょう。
顧客のニーズに合わせてコミュニケーションをモデル化することで、顧客が安心して自分の好みを話すことができるようになり、要望に沿ったサービスを提供することができます。
 
3. 顧客の意見やニーズを聞く 
特にB2Bの場合には、顧客の要求やリクエストにしっかり耳を傾けることで、顧客は支援者であり続ける可能性が高くなります。
たとえ顧客が商品・サービス全体に満足していても、時折アンケートやフィードバックフォームを送付して、パフォーマンスを評価し、改善が必要な分野に重点を置くようにしましょう。
 
4. 既存顧客との関係を維持する
顧客層を拡大し、新たな顧客を開拓することは重要ですが、既存の顧客との健全な関係を維持することも同じくらい重要なことです。
既存顧客は、紹介と良い口コミのための貴重な情報源にもなります。
顧客の解約率を定期的に評価することで、顧客満足度に焦点を当てた効果的なリレーションシップマーケティング戦略が実践でき、B2Bビジネスを大幅に改善できるでしょう。
 

出典「How to Perfect your Relationship Marketing in the B2B World」より一部抜粋



リレーションシップマーケティングでは、徹底的にお客様にフォーカスすることが重要です。お客様のニーズやリクエストにはしっかり耳を傾け、改善策を提供していきましょう。
既存顧客との関係性を構築していくことは、顧客の満足度を高めるだけでなく、商品・サービスの解約率を下げることにも繋がります。その結果として、LTV(顧客生涯価値)が高まり、自社の売上アップにも繋がります。
BtoBビジネスにリレーションシップマーケティングを取り入れることで、自社のマーケティング活動をより改善することができるでしょう。

まとめ

リレーションシップマーケティングとは、人口成長が止まった先進国を中心に発展しているマーケティング手法で、顧客との関係性を構築しながら「顧客生涯価値(LTV)」を高めていくことに重点を置いています。
リレーションシップマーケティングには、売上アップだけでなく、広告コスト削減、競合他社との差別化、製品・サービス開発へのアイデアなど、さまざまなメリットもあります。
手間のかかる個別のコミュニケーションが求められるため、ツールを活用することで、より効率的にリレーションシップマーケティングが実践できるでしょう。

Smapoでは「質量あるコミュニケーション」をミッションに、法人営業に役立つツールを提供しています。
リレーションシップマーケティングの導入を検討される際は、ぜひ一度、お問い合わせください。

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