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どうしたら守らせられる?親子の「スマホトラブル」と解決までの道のり

子どもがスマホを持ち、使うことが当たり前となった現代では、子どもにスマホをどのように使わせるべきか、どの程度使わせるべきかというのは親にとって常に悩みの種となります。

スマホは適切に使用すれば子どもに学びや発見、新たなコミュニティをもたらしてくれる便利なツールですが、便利なものと危険なものというのは常に表裏一体のものです。

この記事では、親子のスマホトラブルと、そのトラブルに対する解決の道のりについて解説します。


1.「スマホトラブル」はスマホが原因ではないことを知ること

「SNSで悪意のある大人と繋がってしまったら」「闇バイトや架空請求など、ネットにはトラブルが絶えない」「子どもにとって不適切なコンテンツを視聴しているのでは」など、親は子どもがスマホで何をしているのかが気になるものです。

また、「使用時間は適切だろうか」「食事中や移動中、家族の時間には使わないでほしいのに」という家族の願いもむなしく、スマホに熱中してしまう子どもとの間で実際に喧嘩となったことがあるという親も少なくないでしょう。

しかし、これは「スマホだから」生じる問題ではありません。
かつて日本でテレビが一般家庭に浸透した時代には、親は子どもに「テレビばかり見ていると頭が悪くなる」と口を酸っぱくして注意したものですし、ポケベルや携帯電話が普及した時代には、「ケータイばかり見てないで勉強しなさい」「知らない人と番号を交換してはいけません」と、これまた口うるさく注意したものです。

つまり、いつの時代も子どもが夢中になっているものに対して不安を感じ、それを大人の基準で制限させようとすることによるトラブルというのは引き起こされてきたのです。


2.「適切な使用」の基準は子どもによって様々

一口に「スマホを使うときは適切に使用する」「制限時間を守る」といった通り一遍なルールを設けてみたところで、この問題の解決には至らないことがほとんどでしょう。
子どもにとって、スマホを利用するのに「適切な使用」というのは理解しがたいものですし、「適切な時間」というのも、「大人が勝手に決めたルール」だと理解する子どももいます。

つまり、子ども自身がスマホを使う時間やシーンを判断でき、それを自分の意志で制限するようにならなければ、いかなるルールも実行力を伴わないということになります。

実際のところ、テレビゲームが普及した時代には、テレビゲームに没頭して成績を落とした子どもがいた一方で、テレビゲームを持っていて、家庭では特に時間制限を設けなかったのに、自主的に時間や区切りのいいところでゲームをやめ、勉強や他の趣味に時間を費やすという自律的な制限ができた子どもも数多くいました。

このような違いが生じるのは、「親に言われたからやめる」「ルールだからやめる」という、他者からの強制による中断ではなく、「今日はここまでにしよう」という自分で決めたルールに沿って行動する習慣が子どもに備わっていたからです。

そして、子ども自身がそのように行動するメリットを理解していれば、必然的に子どもは適切にスマホと向き合える可能性が高いということです。


3.「ルール」は親が押し付けるものではなく子ども自身に決めさせる

たとえば、親が子どもに「スマホゲームは1日1時間」というルールを決めて守らせようとしたとします。

子どもがそのルールに不合理や理不尽を感じ、ルールを破れば、大人は「なぜルールを破ったのか」と叱るでしょう。

しかし、子どもの側の目線から考えれば、「親が勝手に決めたルールを押し付けられ、それを破るとなぜ破ったのかと叱られる」という、さらなる理不尽な感情に襲われることとなります。

スマホの使い方をめぐっては2023年1月、静岡県で母親と長女の間でトラブルとなり、刺殺事件が発生しています。
参考:静岡・牧之原の母親刺殺、13歳娘とスマホ巡りトラブルか…就寝中に首など複数刺したか

ルールを決めることは重要ですが、親と子ども、片方の意見や思い込みだけでルールを策定することは、そのルールをただの建前にしてしまい、結局「親が子を叱るための理由づくり」に利用してしまう結果となるのです。

このようなことから、スマホの利用に際しては、子どもの実際のスマホの利用の実態を見極めたうえで、子ども自身もルールづくりに主体的に取り組むことが理想的です。

たとえば近年では、スマホを使った動画教材や、オンライン授業などを展開しているサービスもあります。
これらの利用にまで「スマホの利用時間」として制限をかけるべきと考える親は少数派でしょう。


3. 自分で決めたルールだからこそ破らない、破った際の制限も納得できる

子どもは、親から押し付けられたルールを破ることに躊躇が少ないかもしれません。
しかし、子ども自身が決め、守ると約束したルールであればどうでしょうか。
それを破ることは、自分自身に嘘をつくことになります。

だからこそ、子ども自身がルールの決定に参与することが、結果的に子どもにルールを守らせるための有効な手段となりうるのです。

また、ルールを破ったときに備えてあらかじめ「ルールを破ったらスマホを1日使用禁止」などの「罰」に対しても、納得感を持って受け入れることができるでしょう。


4. ルールの執行にはツールの使用も有効

親と子で話し合って決めたルールであっても、そのルールを執行するのが親であれば、どうしてもそこに甘えや、身内だからこその反発が起こることもあります。

このようなときには、ツールを使って制限をかけることも有効です。

子どものスマホを親が管理することができるツール「スマモリ」には、フィルタリング機能のほか、使用時間を設定して制限を設けることも可能です。

こうしたツールを使うことで、ルールを守らせる手間を削減しつつ、適切な使用時間・使用状況を守らせることにも役立つのです。


まとめ

親子のスマホルールに関しては、つい「自分の子ども」という意識から、親の思いや感情のぶつけ合いになってしまいがちです。

しかし、子どもは親とは異なり、自分の意識を持った一人の人間です。一方的にルールを押し付けるだけでは、子どもはルールを守ることよりも、ルールの抜け道を探すことのほうに努力を傾けるでしょう。

スマホを適切に使わせたいと願うのであれば、子ども自身が納得して、そのルールを守ろうと思えるようなルールづくりを心がける必要があるのです。