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12inch シングルの時代(国内編)


 私がちょうど高校生だった頃、「12inch シングル」ってのが流行した時期がありました。

 レコードが主流の時代ですが、シングルは、7inch のEP盤と呼ばれる大きさで、アルバムは12inchのLP盤と呼ばれるサイズなのが通常だったのです。

 このLP盤のサイズでシングルを制作することが流行ったんですよね~。

 洋楽からだったと思うんですが、当時のディスコ・クラブシーンで曲をかけるためには、長めの曲の方が都合が良かったんでしょうね。

 通常のシングルをリミックスして、ロングバージョンにした曲を収録するには、7inch のEP盤では容量が足りずに 12inch 盤に収録していた感じなのです。

 海外アーティストから始まった流れは、国内アーティストにも広がって、シングル曲をリリースした後、リミックスして「12inch シングル」として、再度、リリースするって流れがあったのです。


 国内での先駆者の一人が佐野元春さん。
 ニューヨーク留学を終えて、1984年にリリースしたアルバム『VISITORS』からの先行シングルとして、「TONIGHT」をリリースしたのですが、7inch 盤と12inch盤があったんです。

 もの珍しさもあったのか、12inch盤の方が話題になったんです。

 そして、第2弾として「COMPLICATION SHAKEDOWN」も12inch盤としてリリースされたんです。

佐野元春 「COMPLICATION SHAKEDOWN」
(Special Extended Club Mix):1984年6月

 すごくダンサブルですよね。
 自分は、当時、ちょっとついていけなかったのですが、「12inch シングル」って言葉は一気に広がった感じでした。

佐野元春さん関係note


 この佐野元春さんに先んじて「12inch シングル」をリリースしていたのが角松敏生さんなんですよね。
 サウンドにムチャクチャ凝る方なんで、当時最先端の流れをいち早く取り入れてたんだと思います。

角松敏生「Do You Wanna Dance」1983年10月


角松敏生「Girl In The Box ~22時までの君は... 」1984年12月

 角松敏生さんについては、違う記事にする予定なので、あまり言及はしないんですが、この「Girl In The Box」が角松敏生さんとの出会いだったんですよね~。
 角松さんは、この後も、けっこう「12inch シングル」をリリースしてて、後日、「12inch シングル」だけをまとめたコンピ盤もリリースしてました。

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 自分の中で「12inch シングル」の先駆者といえば、この二人を思い浮かべるのです。


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 さて、ここからは、実際、自分が所有していた「12inch シングル」の紹介です。
 通常のシングルバージョンとは、いろいろ違うとこがあるのが楽しかったんですよね。


中森明菜「赤い鳥逃げた」1985年5月

 「ミ・アモーレ」の別歌詞&ラテン・ロング・ヴァージョンとしてリリースされたものです。

 「ミ・アモーレ」の作曲者である松岡直也さん本来のラテンテイストが強くなっていて、松岡直也ファンの自分としては、買わずにいれなかったんですよね。

松岡直也さん関係note


 そして、中森明菜さんとともにトップアイドルの1人だった吉川晃司さんがリリースした「12inch シングル」は、ほんとにカッコ良くて、かなり皆で聴いてました。

吉川晃司「No,No,Circulation」1984年12月

「No No サーキュレーション」だけでなく、「モニカ」、「サヨナラは八月のララバイ」のリミックス・バージョンの収録された「12inch シングル」でした。
 ちなみに、編曲を担当していたのは大村雅朗さんです。

吉川晃司「Can’t you hear the Rain-Dance」1985年11月

 シングル「RAIN-DANCEがきこえる」のリミックスバージョン。
 こちらは編曲者が後藤次利さんで、重低音のビートがカッコ良かったのです。
 おかげで、この曲は、吉川晃司さんの曲で一番好きな曲だったりします。

吉川晃司さん関係note


 もう一枚、CCBでハマってしまった一曲。
 そのリミックスバージョンも、すごく楽しい曲でした。

C-C-B『Lucky Chanceをもう一度』1985年10月

 いろんなSE音が追加されていたり、通常なら "君たちNo No No” って歌詞が、"君たちNoNoNoNoNoNoNo~" みたいにリミックスされていて、おもちゃ箱みたいに楽しい~曲なんですw
 妙に、この曲にハマってしまったんですが、CCBって、意外と名曲が多いと思ってるのですが、どうでしょう。


 他にも、尾崎豊さんの「卒業」(1985年1月)や、久保田利伸さんの「Timeシャワーに射たれて」(1986年12月)も「12inch シングル」を持っていたのですが、こちらはリミックスではなく、単に曲が長いので12inch盤になった曲なので、今回の記事には入れていません。


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 邦楽の「12inch シングル」は、1984年~1986年ぐらいが全盛だったのかな、、そう考えると、まるっきり自分の高校時代とかぶってるんですよね。
 この後、急速にレコードからCDに移行していったため、「12inch シングル」という言葉自体、あまり聞かれなくなってしまったのです。

 海外アーティストの「12inch シングル」も何枚か持っていたので、機会があれば、そのうち記事にしていきたいと思います。