見出し画像

久しぶりに観てみた映画の話【ランボー】

 First Blood

久しぶりにその映画を観ると、何か印象が変わってたり、昔は気づかないことを見つけたりすることもあるので、そういう視点で ”note” します。


 

 今回、紹介するのは

「ランボー」

監督 テッド・コッチェフ 1982年 アメリカ
出演 シルヴェスター・スタローン

画像1


 BSで「ランボー」の4Kレストア版が放送されたので、久方ぶりに観てみました。

 映画館で観たのが中学生の時、地上波で観たのが高校生の頃だったので、かれこれ30年以上ぶりになります。


 ご存知、シルヴェスタ・スタローンのマッチョな魅力満載の戦闘アクションシリーズなんですが、2作目以降のシリーズは、あまりにもマッチョすぎて、自分には合わなかったんですよね。

 で、以後、興味を失ってたシリーズなのです。

 でもですね、この1作目だけは、ちょっと様子が違うんですよね。
 舞台は戦場でなく田舎町だし、主人公ランボーもただのマッチョな戦闘マシーンではないのです。


(あらすじ)
 ベトナムで特殊部隊グリーンベレーとして活躍したものの、帰国後に待っていたのは、絶望的な孤独と社会からの疎外感。
 帰還兵ランボーは、警察の理不尽な訊問に戦地での忌まわしい記憶をよみがえらせ、単身、数百人もの警官隊相手にゲリラ戦を挑むことになる。


 今回、久しぶりに観直してみて、やっぱり「ランボー」の第1作目は面白かったです。
 山中で、銃を持たず、ナイフ一本で警官隊に仕掛けるゲリラ戦に ”おお~” ってなるし、市街戦での対決もドキドキでした。
 主人公ランボーも戦闘力は高いですが、坑道の中でネズミと遭遇して逃げ回ったりするなど、マシーンじゃなく人間臭さが残ってるんです。

 起こした事件の背景に、疎外感を感じてる帰還兵としてのランボーの孤独があるんですよね~、これがあるから、あの暗い結末につながってくんですよね。

 もしかすると、「ディア・ハンター」クラスの戦争映画の傑作なんじゃないかとさえ思えてしまいましたw


 主要人物は多くないけど、脇の方々もいい感じです。

画像2

 映画では嫌な保安官を演じるブライアン・デネヒー。
 ハリソン・フォードの「推定無罪」を観た時に、どっかで見たことあるなあと思ってたら、「ランボー」のこの人だったんですね。
 今回、ようやくつながりました!

 保安官が最後まで嫌な人なんですよね。この人が意地張ってるから事態が収拾しないんです。
 ただ、意地張る理由もあって、原作では、この保安官も帰還兵の設定なんですよね。同じ暗さを持ってるから執拗になってしまうのです。
 映画では、その設定には触れられてないんですが、今回、観直してると、セリフの端々には設定が残ってる感じがしました。


画像3

 ランボーの上司だったトラウトマン大佐を演じてたのはリチャード・クレンナという俳優さんです。
 この役以外はあんまり印象に残ってないんですが、この「ランボー」シリーズでは存在感あるんですよね。
 劇中、保安官から、ランボー本人に会ったらどうするのか?と、きかれて「その時になってみないとわからない。」と答えた大佐。
 ここら辺のセリフも、本来、ラストへの伏線としてたんだなあ~と思いました。

 


画像4

 スタローンも演技についていろいろ言われる俳優さんなんですが、このランボーにはハマってる感じなんですよね~、最後の独白もスタローンならではって感じなのです。

 そして、「ランボー」第1作目といえば、負傷した腕の傷を自ら縫うシーン!

画像5

 ぐぉ、30年以上たっても、このシーンは痛い痛い!
 ここら辺の感想は、中学生で観た時と変わらないです。


 昔、高校の図書館で原作を読んだんです。(高校の図書館に置いてあるってのもすごいですねw)
 見た目はポスターそのまんまなんですが、映画のノヴェライズではなく原作なんです。

画像6

 原作は主要人物の性格とかに多少の違いはあっても、大筋は一緒なんですよね。ただ、結末だけは大きく違ってたんです。
 実は原作通りの結末も用意されてたんだけど、あまりにも暗過ぎて変更されたという話が残ってます。
 今、思えば、原作通りのラストだったら、ほんと「ディア・ハンター」なみの傑作になったかも....  とは思うんですが、私的には、断然、映画の結末が好きだったんですよね。

 今回、観直してみても、最後、ランボーが連れられて出てくるシーンが、普通の映画っぽくなくていいんですよね、独特の孤独感がある!
 で、途中から流れ始める歌も渋かったのが良かったです。

 今回、久しぶりに観てみて、シリーズ化によって上書きされていた記憶が蘇ってきた。そんな再発見があった「ランボー」でした!


 そして、最後に流れる曲...
「It's A Long Rord」by ダン・ヒル