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ト音記号誕生のエピソード(フィクションです。)

 Treble clef


 五線譜の上に描かれる音符や記号には、曲線が綺麗なものが多いですが

 その中でも「ト音記号」は、群を抜いて綺麗な記号だと思っています。
 あの曲線なんかは優雅さすら感じます。

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 どうしてこんな形をしているのか調べてみると、「ト音記号」は、中央ハ音のすぐ上のト(G、ソ)の音の位置を示す音部記号ということで、その「G」を図案化したものだということです。


 うーん、たしかに「G」の筆記体なんかを何となく連想させますね。

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 でも、同じく「F」が図案化された「ヘ音記号」なんかは、「F」の筆記体に比べて簡略化されているのに対して

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 「ト音記号」は、むしろ複雑になってるような気もするんですよね.....

 ものごとが簡略化ではなく複雑化されている場合は、何らかの意図が込められていることも多いので、きっと「ト音記号」の場合も、違った理由があるのかもしれません。

 もしかすると、こんなエピソードがあったのかも.....


(ここから空想のエピソード)

 ある日、僕がバイオリンの練習をしている時
 ふと、楽譜を見ていると、楽譜に書いてある「G」の音部文字が、何だかバイオリンに似ているなと、そう感じた。

 そう思うと、もう少しバイオリンっぽくしてみようと、いくつかのパターンで書いてみた。

 その中で、渦を巻くような、いい感じの「G」が書けて、以来、自分の楽譜では、その「G」を使って書くようになった。



 そのうち、バイオリン仲間たちも気に入ってくれたようで、バイオリンの楽譜では、僕の「G」を使ってくれるようになった。



 長い年月が経って、いつの間にか、僕の「G」は世界中で使われるようになり、「ト音記号」と呼ばれている。
 


 なんてですね

 でも、こんなエピソードがあっても不思議じゃないぐらい

 「ト音記号」には不思議な魅力があります。