見出し画像

ニューミュージックな夜【第3夜:浜田省吾編】


 私にとっての ”ニューミュージック” を語る ”note”…
 第3夜は浜田省吾さんです。

 えッ、浜省ハマショーといえば "ロック" でしょう! という意見ですよね… いや、分かります、分かります。
 たしかに、あのサングラスにジーンズ姿で、ステージ上を躍動する浜田省吾さんは、ロックシンガーって感じなのですが…

 私が中学生の頃の浜田省吾さんのイメージは決して "ロック" 一辺倒ではなかったと思うんです。
 たしかに、TV出演せず、ライブ中心の人ってイメージはあったんですが、中学生の自分にとっては、 "ロック" な曲よりも、むしろスローテンポな "ラブソング" の方が印象的だったんですよね。
 なので、私的には、ニューミュージックなシンガーソングライターのイメージが強いのです。

 そして、特に印象的だったのが、その頃すでに失恋の名曲と言われていた「片思い」なのです。

「片想い」1978.9

 作詞・曲:浜田省吾/編曲:水谷公生
 ※アルバム『Illumination』収録

 当時の男子たちは、皆、一度はこの曲を通ったんじゃないですかね…

 あの人の微笑 やさしさだけだと
 知っていたのに
 それだけでいいはずなのに
 愛を求めた片想い

 ん~切ない! 
 ♪ 愛を求めたぁ か た おぉ~もい~

 曲はもちろんなんですが、浜省ハマショーといえば、やっぱ、この歌詞なんですよね~
 時には男臭く、時にはナイーブな…  そんな歌詞に魅かれることが多かったのです。


 さて、当時、浜田省吾さんのラブソングが人気だったことを裏付けるように、ベスト盤的なアルバムもリリースされます。


『Sand Castle』1983.12

A面
1.「君に会うまでは」
2.「君の微笑」
3. 「散歩道」
4. 「いつわりの日々」
5. 「愛という名のもとに」
B面
1. 「朝のシルエット」
2. 「丘の上の愛」
3. 「片想い」
4. 「陽のあたる場所」
5. 「愛しい人へ」

 このアルバム、「片想い」以外の収録曲も名曲ぞろいなんですよね〜
 自分が中三の終わり頃にリリースされたので、聴いたのは高校になってからなのですが、ま~、よく聴きました!


「丘の上の愛」1980.10

  作詞・曲:浜田省吾/編曲:水谷公生
  ※アルバム『Home Bound』収録

愛が買えるなら
その涙の理由を教えて
愛が買えるなら
ため息の理由を聞かせて
いつわらずに


「陽のあたる場所」1981.3

  作詞・曲:浜田省吾/編曲:水谷公生
  ※12thシングル(アルバム『愛の世代の前に』収録)

奪うだけ奪い
何ひとつ君に 与えられない僕を
誰よりも許せずに いるのは僕さ


「愛という名のもとに」1981.9

  作詞・曲:浜田省吾/編曲:水谷公生
  ※アルバム『愛の世代の前に』収録

今は二人
別れて暮らす他に答はないけど
眠れぬ夜は電話しておくれ
二人もう一度 探そう
恋人たちが胸をときめかせ
寄り添い迎える朝を

 まあ、言ってみれば ”くさい” 感じの歌詞なんですが、やっぱ、魅かれちゃうんですよね~。
 当時の自分はシティポップが中心で、友人の前ではクールな歌詞を好んでいたのですが、浜田省吾さんのようなストレートな歌詞も、やっぱ好きだったんです。


 この『Sand Castle』を扉として、浜田省吾さんの過去のアルバム『愛の世代の前に』や『PROMISED LAND 〜約束の地』を聴いて、 "ロック" な曲の方も知っていくわけなんです。
 "ロック" な曲の歌詞の方は、さらにさらにストレートです。


「愛の世代の前に」1981.9

  作詞・曲:浜田省吾/編曲:水谷公生
  ※アルバム『愛の世代の前に』収録

愛の世代の前の暴風雨の中
すりかえられた脆い夢など 崩れ落ちてく


「ラストショー」1981.8

 作詞・曲:浜田省吾/編曲:水谷公生
 ※13thシングル(アルバム『愛の世代の前に』収録)

さよなら想い出の中の二人
まるでスクリーンのヒーローだった
さよならセピア色のフィルムに
苛立ちと 優しさと 怒りを 焼き付けた二人


「マイホームタウン」1982.11

 作詞・曲:浜田省吾/編曲:水谷公生
 ※16thシングル(アルバム『PROMISED LAND』収録)

ドアをひとつ閉ざすたび 窓をひとつ開けておく
夢と挫折の中を 人はさまよってる


 この鬱屈とした焦燥感、怒りを含んだ歌詞は、男くさく、暑苦しさもあるんですが、ここら辺の感覚は後の尾崎豊さんにもつながっていくんですよね。

 そして、勢いそのままに、私の高校時代にリリースされたのが『DOWN BY THE MAINSTREET』でした。


『DOWN BY THE MAINSTREET』1984.10

 (あれ、サブスクだとジャケットデザインが違うんですね。)
 自分の中で、リアルタイムで聴いた新作だったので、やっぱ印象深いアルバムなんですよね。
 17thシングルの「DANCE」や、人気曲「DADDY'S TOWN」、ライブでお馴染み「HELLO ROCK&ROLL CITY」などが収録されていたのですが、なんと言っても、このアルバムのメインは「MONEY」だったと思います。

「MONEY」

 作詞・曲:浜田省吾/編曲:町支寛二

Money, Money makes him crazy
Money, Money changes everything
いつか奴等の 足元に BIG MONEY 叩きつけてやる

 歌詞の中に「純白のメルセデス」や「プール付きのマンション」、「ドン・ペリニヨン」などが出てきて、バブルに向かいつつある浮かれた時代に、あまりにハングリーな歌詞がインパクト抜群でした!


+    +    +


 1992年に浜田省吾さんの曲名をタイトルとした連続ドラマが放送されます。
 それが、プロデューサー:大多亮&脚本:野島伸司で制作されたドラマ『愛という名のもとに』なんですが、これがまた、鬱屈とした青春群像劇だったんですよね~(チョロ~ッ!)

 主題歌として使われたのは「悲しみは雪のように」で、これが大ヒットするんです。(カラオケでもすごく歌われてましたw)
 また、ドラマタイトルとなった「愛という名のもとに」はもちろんですが、「ラストショー」や「J.BOY」、「もうひとつの土曜日」などの名曲が挿入歌で使われて印象的だったんですよね。


「悲しみは雪のように」

 作詞・作曲:浜田省吾/編曲:水谷公生


「J.BOY」1986.9

作詞・作曲:浜田省吾/編曲:板倉雅一 and 江澤宏明


「もうひとつの土曜日」

 作詞・作曲:浜田省吾/編曲:板倉雅一


 TVに出演せず、また、タイアップも極端に少なかったので、浜田省吾さんの曲がTVで流れたのは貴重だったかもしれませんね。
 このドラマの後、プロデューサーの大多亮さんは、ドラマ『親愛なる者へ』では中島みゆきさんを、そして『ひとつ屋根の下』ではチューリップ(財津和夫)を起用していくことになるのです。


+  +  +  +  +  +


 自身の活躍だけでなく、先述の尾崎豊さんをはじめ、Mr.Childrenの桜井和寿さんや福山雅治さんらに影響を与えた浜田省吾さんですが、現在もライブで歌声を聴かせてくれてます。
 生涯「ON THE ROAD」なとこが浜田省吾さんらしいんですよね。


「DANCE」2020年版(ニューアレンジ)




(関係note)