”伝われ、愛”の話(月曜オールナイトからのメッセージ)
All Night NIPPON=Midnight Radio
インターネットの無かった自分の学生時代。
新しい音楽やその他の情報に出会う機会となっていたのは、自分にとって ”ラジオ” だったと思います。
そして、いろんなパーソナリティの方々のラジオを聞くうちに、曲と曲の間のトークが楽しい番組があるのが分かっていくのです。
中学生になって、生活が夜行性になっていくと、深夜ラジオにも興味を持ち始め、”青春キャンパス”、”セイ・ヤング”、そして深夜1:00からの ”オールナイトニッポン” を聞き始めるんですよね。
特に聞いてたのは、月曜日の”オールナイトニッポン”、担当は中島みゆきさんでした。
その頃、シティポップスやテクノなんかに目覚め始めていた自分にとって、ニューミュージック系の中島みゆきさんは、あまり聴いたことがない方でした。
「悪女」って歌がヒットしてるのに、ザ・ベストテンはいつも欠席だったので、テレビには出ない人という認識はあったのですが、ラジオには出てることを知って、ちょっと驚いたのを憶えています。
しかもトークが面白い....ただ者ではない、その歌とトークのギャップに魅かれて、いつも月曜日は夜更かししていました。
同席してる”ポチ”さんを相手にしながら、リスナーからのハガキによる「家族の肖像」や「ひとり上手」のコーナーなどなど、すごく面白かったんですよね~。
深夜なんで、笑い声を抑えながら毎回聞いていました。
楽しい楽しい2時間だったのですが、最後に読むハガキだけは、いつもシリアスな内容でした。
そのハガキを読む時のみゆきさんは、いつも真摯に優しい声で読んでたんですよね。中には、ホントに悲しい内容もあるのですが、ハガキの相手にメッセージを送るみゆきさんの声は力強く、自分も、そのメッセージを真剣に受け止めようとしていた気がします。
いろんなことを考えさせられたこの月曜オールナイトの時間は、中学生から高校生の自分にとって、とても大事な時間だったと、今でも思います。
※ 一応、検索してみたら、昔のラジオ音源をアップしてる方がたくさんいました。皆さん、同じような気持ちだったのかもですね、感謝です。
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ちょうどラジオを聞いていた頃に、その関連本が出版されました。それが『伝われ、愛 -月曜のスタジオから- 』という本でした。
日記風に語られたエッセイなのですが、合間にリスナーからの手紙が挿入されています。
きっと、最後のハガキで読まれてきたリスナーなのか、もしくは、定期的に近況を書いていた方だと思うのですが、”小狼” さんと ”ピンクの狼” さんという二人から送られてきた手紙が、月日を追いながら掲載されていました。
どちらも、ちょっと辛い内容もあったのですが、当時の自分にとって、それがリアルな感覚として伝わってきて、胸にグッとくるものがあったのを今でも憶えています。
みゆきさんのラジオでは、他にも ”〇〇な狼” みたいなペンネームの方がたくさんいました。多分、元になったのは中島みゆきさんのこの歌
『狼になりたい』
狼になりたい 狼になりたい ただ一度
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