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写真家ハーブ・リッツが追求したフィジカル

 Herb Ritts


 今回はアート関係で、ハーブ・リッツという一世を風靡した写真家さんについて "note" していきたいと思います。 

 ハーブ・リッツという、まるでハーブ・ティーでリッツパーティーみたいな洒落た名前を知ったのは、80年代終わりごろの「美術手帳(BT)」か「CUT」だったと思います。

 そのときに、マドンナの「トゥルー・ブルー」のジャケット写真を撮った写真家ということを知ったんですよね。


 あのジャケットかっこ良かったですね。

 マドンナ「トゥルー・ブルー」

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 後になって、いろいろ調べてくとですね、他にもジャケット写真を撮ってることも分かって、それが、1981年、オリビア・ニュートン=ジョンの「虹色の扉」のジャケット写真なんです。

オリビア・ニュートン=ジョン「虹色の扉」

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 え、これって、『フィジカル』が入ってるアルバムだよね!って感じなんですよね~。
 あらためて、よく見ると、「トゥルー・ブルー」と同じ構図…
 このアルバムは聴いたはずなんですが、ジャケットの相似性は気がつかなかったです。

 さらに、もう一枚、プリンスの「HITS」も

 プリンス「HITS 1 & 2 (3CD BOX SET)」

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 ハーブ・リッツって左アングルの横顔フェチなんですかね…w

 でも、どれもカッコいいのですよね!


 マドンナの「トゥルー・ブルー」のポスターなんかに使われていたトリミング前のバージョン

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 写真作品として完成されてる感じです。

 ハーブ・リッツの写真て、肉体的なラインを、すごく感じさせるんですよね~。
 このマドンナも、額から鼻、あご、のど、肩、胸元で作られるラインが、とてもきれいですよね。
 そして、そのラインを注視してると、フィジカル(肉体的)なフォルムをだんだん感じてきてしまうんです。

 マドンナその人というよりも、マドンナの「肉体」というフィジカル(物質的)に見えてくる… そんな感じなんですよね。


 ハーブ・リッツという名前を、一度、意識してしまうと、なんか、あの頃、やたらと見かけてました。

 「ヴォーグ」のファッションページを担当していたということですが、自分が読む雑誌ではないので、自分がよく見てたのは「カルバン・クライン」の広告かな...


 「カルヴァン・クライン」で使われた写真なんかも、エロティックな香りもありつつ、純度の高い "フィジカル" って印象だったのです。

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 裸のモデルさんばっかりなのに、あんま、いやらしさは感じないんですよね。... それにしても5人ものモデルさんを使うなんて、やっぱ売れっ子だったんですよね。

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    他にもいろんな写真を撮ってます。

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 作品集なんかも、けっこうリリースされてました。
 LIBRO とかによく行って見てましたね。(←購入してないのか?)


 この大活躍してた時期には、アーティストのプロモーションビデオも制作してたりするんです。

マドンナ「チェリッシュ」1989


ジャネット・ジャクソン「ラヴ・ウィル・ネヴァー・ドゥー」1990


マイケル・ジャクソン「イン・ザ・クローゼット」1992


 マドンナジャネットマイケルなんて、すごい顔ぶれと思いませんか?

 ただ、映像を観てもらうと分かるんですが、どれもハーブ・リッツの作品に間違いないって感じの "らしい" PVだったりするんですよね。


 そして、このハーブ・リッツの活躍は、日本でも!

 まず驚いたのが、宮沢りえさんが被写体になった、カルビーポテトチップスのCM。

 ハーブ・リッツが撮れば、ポテトチップスのCMもこうなるのか!って感じのCMなんですよね。

    まじめに撮ってるんですよね~。
 当たり前ですが、無駄にカッコよすぎなんです!

 そして、もうひとつ...
    1995年にリリースされた、サッカー界の "キング・カズ" こと、三浦知良選手の写真集もハーブ・リッツの作品です。

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 ヌードも話題になりましたが、カズの写真ていうよりも、カズの肉体の写真って感じがしませんか?

 こういうとこ、やっぱりハーブ・リッツだなあって思うんですよね。


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ハーブ・リッツ(Herb Ritts)
1952年8月13日 - 2002年12月26日
カリフォルニア出身の写真家

 ハーブ・リッツは既に故人ですが、リッツを偲んで、誕生日や命日に、リッツと撮った写真をSNSにアップする有名人の方もいます。

 死後20年近く経っていますが、まだまだ、リッツの世界はつながっているのです。