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続・厚い本の話

 Thick BookⅡ


 私の読書の特徴の一つとして、「厚い本」を好むという傾向があります。

 それで、以前、「厚い本」の定義について”note”したことがあるのですが、その後数年経ってるので、その間、読んできた厚い本を紹介していきたいと思います。

 ちなみに、私の中の定義では、「厚い本」とは、安定して自立できること(600頁以上ぐらい)を条件にしています。


 ちなみに、前の記事で紹介していたのが

東野圭吾さんの「白夜行」864頁(文庫)
高田大介さんの「図書館の魔女」上658頁、下810頁
京極夏彦さんの「鉄鼠の檻」1376頁(文庫)
(「絡新婦の理」1408頁(文庫))

(文庫)が付されていないのは単行本です。


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『ホープは突然現れる』768頁(文庫)

 著:クレア・ノース

 「ハリー・オーガスト、15回目の人生」の作者による、特殊能力を背負った人物を描いた作品。
 今作は、他人から記憶されない体質を持つ女性が主人公です。
 この作家さんは特殊能力を持った人物たちの生きる世界を作り込んでいくので、やっぱり厚くなるのです。


『夜のフロスト』784頁(文庫)

 著:R・D・ウィングフィールド

 大人気のドタバタ警察シリーズなのですが、とにかく事件が発生しまくるので、自然と長くなりますよね。
 ちなみに「夜のフロスト」はシリーズ#3なんのですが、この後、シリーズの次の巻からは上下巻になっていきました!


『ザ・スタンド』(上)790頁(下)654頁

 著:スティーヴン・キング

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 文庫では5分冊になった作品です。キングの本は長いんですよね。特に昔のキングの本は版型も一回り大きかったので、とにかく文字量が多いんです。
 だけど、キングの世界をずっと楽しめるので、むしろ、長いことは歓迎なのです。


『ハリウッド・サーティフィケイト』828頁(文庫)

 著:島田荘司

 島田荘司さんの”御手洗潔シリーズ”の外伝的な位置づけの本書。
 シリーズをコンプリートする上で、その厚さで手に取りづらいのですが、読み始めてしまえば、すいすい~っと読み上げてしまいます。


『ザ・ボーダー』(上)768頁(下)816頁(文庫)

 著:ドン・ウィンズロウ

 麻薬カルテルとの抗争を描く、シリーズ完結編。
 このシリーズは「犬の力」、「ザ・カルテル」と続いてきたのですが、段々、ページ数も増え、死者の数も増え続けるというすごいシリーズなのです。読み終えた後は、ページ数に見合うだけの場所にたどり着けます。

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 かなりの厚みがありますが、描かれるドラマも重厚です。


『Another 2001』804頁

 著:綾辻行人

 前作を越える厚さの「Another」シリーズ最新刊。
 手に取った時は、あまりの重さにちょっと怯みますが、読みやすいのであっという間に読了しちゃいます。

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 帯の背表紙部分に、こんなにたくさんの情報が書かれてます。w


『充たされざる者』948頁(文庫)

 著:カズオ イシグロ

 カズオイシグロの著作を、全部、読み上げていくためには、最大の難所となる本です。
 その厚さを見ただけでくじけそうになる作品。でも、内容も、かなり迷宮じみていて、やっぱりくじけそうになるのです。
 読むときは覚悟を持って臨んでください!

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 一冊だけ、帯の”ノーベル文学賞”が横書きになっているところに注目です!!


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    正直、これからの時代、厚い本は希少になっていくと思うんです。

    今でも分冊化される傾向がありますし、そもそも持ち運びが大変だし、800頁以上になるとブックカバーが付けづらくなったりして、扱いづらい点ばかりですよね。
 値段を考えるなら、断然、電子書籍で購入した方がお得だし、持ち運びも楽なので、電子書籍が浸透していけば、厚い本は消えていくのかもしれません。

 考えてみても、厚い本の長所が見つからないので困ってしまいますが、これだけのページを読んできたんだって達成感は無類のものがあって、本を読んだ喜びを与えてくれるのも事実なのです。



(関係note)